「ダラけてたらUVERworldに勝てない」カリスマロッカーが走り続ける理由

    L’Arc~en~CielやVAMPSのボーカリストであり、ソロでも活躍するHYDE。東京マラソン2020のイメージソング『BELIEVING IN MYSELF』を手掛けた彼が、「僕にとって、ランニングってライブなんですよ」と話す理由とは?

    Photo by 黒羽政士

    HYDE

    走ることはライブに似ている、とHYDEは言う。

    奔放で退廃的。そんな「古き良き」ロッカー像から外れるような気がして、ずっと「散歩」と誤魔化してきたが、実は10年以上前からランニングをしている。

    東京マラソン2020のイメージソング『BELIEVING IN MYSELF』を手掛けたのを機に、ランナーであることを公言し始めた。

    「70年代ならセックス、ドラッグ、ロックンロールで済んでたけど、そういう時代じゃなくなった」

    「ダラけた生活してたら、UVERworldみたいなヤツらに勝てない」

    7月29日にライブ映像作品『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』を出すHYDEが、走ることとライブの関係性を語った。

    体力づくりのために

    Photo by 黒羽政士

    ――HYDEさんが走っているということを最近のインタビューで初めて知って、少し意外な印象を受けました。やっぱり、ロッカーと言えば…

    セックス、ドラッグ、ロックンロール?

    ――はい(笑) 特にHYDEさんは耽美的なイメージがあったので…。いつごろから走っているんですか?

    10年以上前かな。そのころ住んでた家がね、皇居の近くだったんです。

    みんな皇居ランしてるじゃないですか。それを見てて、自分も体力をつけるのにやった方がいいなと思って。ダイエットも兼ねて走り出しました。

    ――ラン歴、長いじゃないですか!

    でも、そんな本気じゃないですよ。本当に散歩みたいなもので。5キロぐらい。

    やるとすごく達成感があるというか。普段、運動しないぶん、優越感もあるし。

    ツアー中も街を駆ける

    ユニバーサルミュージック

    アルバム『ANTI』を掲げた全国ツアーの最終日となる幕張メッセ公演(2019 年 12 月 8 日)を収めた、ライブDVD / Blu-ray『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』が発売へ。初回限定盤には、ワールドツアーの裏側を収めた50分超のドキュメンタリー映像も収録される

    ――優越感?

    そうそう。酔っ払いとか、ちょっとたるんでる人を横目に走ると、「俺の方がすげえ」と思える(笑)

    でも、本気で走っている人は僕のことを見て「お前より速く走れるぜ」って思ってるだろうけど。

    ――夜に走ってるんですね。

    人に見られるの大っ嫌いなんで、なるべく人が少ない時間を選びます。ツアー中とかも体なまってるなと思うと、街を走ったりしますよ。

    ――暮らしのなかの句読点というか、HYDEさんにとって走ることがいいリズムになっているのでしょうか。

    いや、もうヤバいなと思ったら走るぐらいのレベルですよ。今だと週に1回、散歩をするような感じ。

    「散歩」と言ってきたけれど

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    HYDE Official / Via youtu.be

    HYDE - BELIEVING IN MYSELF

    ――東京マラソンのイメージソング『BELIEVING IN MYSELF』をきっかけに、公表されて。

    最初は言うつもりなかったんですけど、これはいいチャンスかなと。

    「走ってる」とか言うと、健康オタクみたいで嫌だなと思って。「散歩、散歩」って誤魔化してきたんですけど。

    ロッカーとしてあんまり良くないかなって。でもね、そういうロックスターの時代も、僕的にはもう終わったなって気がして。

    やっぱり、そんなダラけた生活してたらUVERworldみたいなヤツらに勝てない。

    時代が変われば生活も変わる

    ――固有名詞が出てきた(笑)

    ストイックに走って、健康をちゃんと維持しながら音楽を一生懸命つくって…。ああいうヤツらに勝てないよ。それを酒で誤魔化してる方がダサく見えてきましたね。

    タバコをやめたのもカッコ悪いと思ったから。時代とともに生活様式だって変わる。

    70年代ならセックス、ドラッグ、ロックンロールで済んでたけど、今それをやってカッコイイ音楽つくれるヤツはいない。

    90年代ぐらいから、そういう時代じゃなくなったなっていう気はずっとしてました。だからこのタイミングで「まあ、いいや。走ってることぐらい言ってやろう」と。

    僕はオールドスクールな人間だから、それを表に出すのは嫌だなと思って誤魔化してたんだけど、頭の中ではわかってました。

    それぐらいしっかり体調管理しないと、体型なんか維持できないし。

    ストーンズのように

    Morne De Klerk / Getty Images

    ローリング・ストーンズのミック・ジャガー

    ――健康は別にダサくないぞと。

    そんな健康に気を使ってるわけじゃないよ、毎日酒飲んでるし(笑)

    若いころと比べて別人のようになって、大した演奏もできなくなってしまったロッカーを見てて、カッコ悪いって思っただけですよ。

    ローリング・ストーンズみたいに、ジジイになってもスラっとしてる方がカッコイイじゃないですか。

    ランとライブとの相似形

    Photo by 黒羽政士

    ――『BELIEVING IN MYSELF』にこめた思いを伺ってもいいですか。

    僕にとって、ランニングってライブなんですよ。ライブを続けていくことが、みんながランニングしてるのと一緒のようなものっていうか。

    ランニングしてると、達成感だったり、「そこの電柱まで頑張るぞ!」みたいな発想あるじゃないですか?

    それって「自分の憧れのライブができるようになるまでライブしたい」っていう気持ちとすごく似てるんですよね。

    よくランニングを人生にたとえたりするけど、僕にとってはそれがライブ。

    そういう意味で、あの曲はダブルミーニングというか。ランニングの曲にも聞こえるけど、人生においての曲にも聞こえる。

    自分にとってはライブが一番重要だから、ライブにも置き換えたりできるような曲にしたいなと思ってつくりました。

    Photo by 黒羽政士

    HYDE

    〈HYDE〉 L’Arc~en~Ciel/VAMPSのボーカリストであり、ソロアーティスト

    1994年のメジャーデビュー以降、数々のヒット曲を発表。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンや国立競技場で大規模なライブを成功させるなど、ワールドワイドに活躍している。

    2001年からソロ活動をスタート。2019年、ソロ名義としては13年ぶりとなるオリジナル・アルバム『ANTI』を発売。同作を掲げた全国ツアーを敢行した。

    2020年7月29日(水)に、ツアー最終日の幕張メッセ公演(2019 年 12 月 8 日)を収めたライブDVD / Blu-ray『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』をリリースする。