《君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ》
YouTubeで8000万回以上再生されるなど、話題を呼んでいる瑛人の『香水』。
実際にドルチェ&ガッバーナの香水をつけて取材をしたら、果たして瑛人は気づくのか? 検証してみた。
ドルガバの香水を購入

今回、検証のために使用したのは、ドルチェ&ガッバーナの「ライトブルー」。購入した通販サイトには、こんな風にうたわれている。
《清潔感あふれるフローラルフルーティーのみずみずしい香り。シチリア島のシトオン(ミカン科)とグラニースアップルの爽やかな香りから、白い花々やバンブーの青々しさが加わった香りです》
取材前に自宅で2回ほどプッシュして、腕や首につける。残念ながらシチリア島には一度も行ったことがないが、そう言われると何となくそんな気がしてくるから不思議だ。
緊張の初対面

「よろしくお願いしまーす!」
朗らかな挨拶とともに、瑛人が取材場所に姿を現した。
最初は撮影から。いまのところ香水に気がつくそぶりはないが、数メートル離れてカメラを構えているので無理もない。
10分ほどの撮影を終え、会議室でインタビューを始める。ここからが本番だ。
テーマは『香水』の誕生秘話。取材中、何度も「香水」「ドルチェ&ガッバーナ」という言葉が話題にのぼるが、瑛人の顔色はピクリとも変わらない。
…30分経過
…40分経過
取材終了時刻が迫る。最後のチャンスだ。あえてもう一度「香水」を話題に出してみよう。
最後のチャンス

――香水って記憶を喚起するアイテムとして、秀逸ですよね?
「そうそう! 匂いって割といろいろ思い出したりしますよね」
………。
………………。
………………………………。
ダメだ。もはやここまで。ゲームオーバー。種明かしするしかない。
裏工作を持ちかける瑛人

――実は今日、「ドルチェ&ガッバーナの香水をつけて取材したら瑛人は気づくのか?」という裏テーマで、香水をつけてきていたんです。
「えええ! 10秒で気づいたってことにしてください!」
――ダメです。不正は認めません。そのまま書きます。
「すみません。実はちょっといま、両方の鼻が詰まっていて…」
確かに瑛人は取材中、何度か鼻をかんでいた。
意外な伏兵の登場

「鼻炎なんです。冷房が苦手で…。あと、これの匂いがすごかったんです!」
瑛人が不満気な顔で、取材部屋の机に置かれた瓶を指差す。瓶には液体が注がれており、細長い棒が何本も刺さっている。
こ、これは…アロマディフューザー! 取材に夢中で気づいていなかったが、鼻を近づけるとアロマオイルの強い香りが漂う。
「これダメですよ! すごい匂いしたもん」
自分に有利な証拠を手にするや、がぜん元気を取り戻す瑛人。まずい。旗色が悪くなってきた。
痛恨のリサーチ不足

「ドルチェ&ガッバーナの何ていう香水をつけてきましたか?」
――「ライトブルー」です。
「それ、違う香水です! (曲のモデルになっているのは)もっと独特の強い匂いのヤツなんです」
瑛人によれば、『香水』が生まれるキッカケになったのは、アルバイト先のオーナーがつけていたドルチェ&ガッバーナの「スポーツ」という種類の香水だという。
ぐぬぬぬぬ…。これは瑛人側の言い分も認めざるを得ないだろう。事前のリサーチ不足はこちらの責任だ。
結論:瑛人はドルチェ&ガッバーナの香水の匂いに「気づかない」
ただし、あくまで「鼻炎参考記録」ということで、大会組織委員会の判定により公式記録には残さないことに決定した。
それでも、どこか悔しそうな表情の瑛人。「鼻炎なおさないとなぁ…」と苦笑するのだった。
瑛人の鼻のコンディションが万全な時に、今度はちゃんと「スポーツ」を使って、リベンジ検証したいと思う。

〈瑛人 えいと〉 1997 年 6 月 3 日、横浜生まれ。男 3 人兄弟の末っ子として、野球に明け暮れる少年時代を過ごす。高校卒業後、ダンスで自己表現する友人の姿に刺激を受け、シンガーソングライターを志して音楽学校に入学。19歳から曲を書き始め、2019 年 4 月、21歳で初めての楽曲『香水』EPを配信リリース。翌2020年春、SNSに投稿された様々な『香水』のカバー動画から人気に火がつき、オリコン、Billboard JAPAN、LINE MUSIC、Spotifyなど各種音楽チャートで1位を獲得。サブスクリプションサービスの総再生回数は1億回、YouTubeの再生数は8000万回を超える。