大阪でブライダルサロン「ルアージュ」を経営する松本明子さん。「心斎橋のシンデレラ姫」を自称し、盛りまくりのメイクとぶっ飛んだキャラクターで注目を集めています。「月曜から夜ふかし」などのテレビ番組でも話題の「姫」の素顔とは。
松本さんは熊本出身。6歳で山口に移り、短大卒業後、21歳の時に大阪へ出てきた。
「都会で仕事をしないと大きくなれない。大阪で花を咲かせよう、という気持ちでした」
ファッション関係の企業で、ライセンスなどの業務に携わった後、結婚・出産。そこで転機が訪れる。たまたま新幹線で隣り合わせたドレスメーカーの部長に声を掛けられ、嘱託契約を結ぶことになったのだ。
「自分自身ドレスが好きだから、『リボンをつけた方がいい』とか『お花もつけたら?』とか思ったことを何でも言っちゃう。展示会で営業して、バンバン売れたわよ」
テレビ番組でキャラ覚醒
ドレス営業のかたわら、服やアクセサリーの企画・開発、スタイリスト、専門学校の講師など、いくつもの仕事を掛け持ちした。
私生活では離婚も経験 。仕事に追われながら、3人の子どもを育て上げた。
京都や札幌、東京などの展示会場を飛び回り、子どもとゆっくり話すこともままならない日々。出張先から電話で店屋物を注文して、食べさせたこともあったという。
「さびしい思いをさせたと思いますよ。グレてもおかしくなかったのに、逆に親孝行してくれて。健康で長生きしてねって、いつも言ってくれます」
ドレス姿の「姫」のキャラが覚醒したのは、30年ほど前。テレビ番組の「厚化粧美人コンテスト」で入賞したのがキッカケだった。
歌だって歌っちゃう
「お母さんの好きなことをしてね」
母親がこれだけ目立って、子どもがいじめられたりすることはなかったのだろうか。
「ぜーんぜん。授業参観に行けば『サインして』って言われるし、皆さんから応援していただいてます。息子もいまだに自慢してますよ。大阪っていい街でしょ」
そして30年前、満を辞して独立。「ルアージュ」をオープンした。
開業資金は潤沢とは言えなかったが、「お母さんの好きなことをしてね。応援するから」という子どもの言葉に背中を押された。
当時レンタルでも40〜50万円が相場だったドレスを、5〜10万円の安値で貸し出し、「めっちゃ稼いだ」という。
デカ頭 進化系 てんこ盛り♪
宇宙全体をハッピーに
「人生って何が起こるかわからない。だから常に強い気持ちでいないとダメ。やるからには、自分のクビを賭けてやるっていう精神でいます」
「このドレスとメイクは人生の鎧なんです」。毎日メイクとヘアのセットに4時間を費やす。
座右の銘は「宇宙極上Happy」。少子化による婚姻数の減少や地味婚・ナシ婚の広がりなど、ブライダル業界には逆風が吹きつけるが、意に介さない。
「昔に比べたら大変な時代だけど、ブライダル業界にもう1度バブルを起こして、皆さんにハッピーになっていただきたい」
「信念・執念・真心。ハッピーってどんどんつながっていくの。日本中、世界中、宇宙全体にハッピーを広げていけたら」
そんな姫には野望がある。
「東京にお城をつくったら面白いと思わない? 心斎橋のシンデレラ姫のシンデレラ城。でもそれには5億円ぐらいないとね」