第1位は、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社
【特徴1】「卒業文化」がある
【特徴2】長期的な育成環境が整っている
【特徴3】他社で代替の効きにくい価値提供ができる
OpenWork「働きがい研究所」が「退職者が選ぶ『辞めたけどおすすめしたい企業ランキング』」を発表。その結果を紹介します。
オープンワーク株式会社(東京都渋谷区)の「働きがい研究所」が「退職者が選ぶ『辞めたけどおすすめしたい企業ランキング』」を5月29日に発表しました。
👉【ランキングのトップ10を見る!】第3位は伊藤忠、第2位はヴイエムウェア。注目の第1位は……?
転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」が、退職者に「あなたはこの企業に就職・転職することを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」と質問。0~10段階で回答されたスコアを元に分析したそうです。
第3位の伊藤忠商事、第2位のヴイエムウェア(米国に拠点を置くIT企業)を抑え、「退職者が選ぶ『辞めたけどおすすめしたい企業ランキング』」の第1位に輝いたのは、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社でした。
同レポートによると、ランクイン企業には次のような傾向が見られたと言います。
「上位30社を日系・外資別で見ると、日系企業からは総合商社が上位10社のうち4社を占めました。ほかに、味の素やトヨタ自動車といった大手メーカー、DeNAやサイバーエージェントなどのメガベンチャーまで幅広くランクインしました」
「一方、外資系はアマゾンウェブサービスジャパンや日本マイクロソフト、Apple JapanなどのSIerやコンピュータ・通信機器系業界、コンサル業界からのランクインが目立ちました」
また、同レポートは上位30社に寄せられたクチコミからは、3つの傾向が見られると説明しています。以下で紹介します。
同レポートによると、ランクインした企業の中でも特に外資系企業や日系メガベンチャーは、「退職検討理由」に「次のステップに進むため」「経験を他社で生かしたかった」などのクチコミが寄せられている点が共通していると言います。
「多くの社員が前向きな理由で離職を選択していることがうかがえます。また、『一丸となって目標達成に向けて頑張る風土がある』『フィードバック文化があり成長に有益である』『成果を出した者が適切に評価される』といった声もあり、短期間での成長がしやすい職場環境であることも特徴的でした」
「そもそも一つの会社に長く居続けるつもりがなく、『卒業前提』で身につけたいスキルや目的を明確に持って入社する社員が、モチベーションの高い組織の中で豊富な指導や適切な評価を受けながら成長し、その後新たな挑戦を求めて転職していく様子が見てとれます」
一方、総合商社などの日系大手のランクイン企業からは、人材の長期的な育成環境を評価する声が寄せられていると同レポートは説明します。以下はランクイン企業の退職者が投稿した育成や風土に関するクチコミです。
「国内の研修制度はかなり充実しているため、会社負担でかなり色々な研修に参加でき、実務以外でも成長できる機会を与えてもらえる。(営業、伊藤忠商事)」
「社員のレベルは高く、組織としても成熟しているため、新卒から社会人としてのイロハを学ぶ上では良い環境。スタート時からつまずいたり、うまくいかない人を切り捨てるような事はなく、上司同僚含め辛抱強く見守ってくれるような風土。(営業職、トヨタ自動車)」
同レポートはさらに、「長期的に人材を育てる意識があるからこその豊富な教育投資があることが、『退職後も周囲におすすめしたい』と評価される背景として浮かび上がりました。加えて『若手の挑戦や失敗を見守る風土がある』など組織としてのあたたかさや、そうした環境に対する恩を感じている様子がうかがえるクチコミも複数見られました」と解説しています。
3つ目の特徴は、「目的特化型」のユニークな企業群です。今回のランキングでは、「香港を拠点とする外資系航空のキャセイパシフィック航空や、途上国の経済・社会発展の支援事業を行うJICAボランティア、医療×データの領域で独自のポジションを確立しているIQVIAソリューションズジャパン」などを同レポートは指摘しています。以下はこうした企業の退職者からのクチコミです。
「(入社を決めた理由は)日本人でも世界中の路線に乗務できるため。また香港ベースで海外に住んでみたかったので。どの路線にも乗務できることによってそれぞれの国のお客様の特徴やサービスの仕方などが学べた。(客室乗務員、キャセイパシフィック航空)」
「製薬業界向けのマーケティングスキルを高めたかったため。IQVIAのデータは製薬業界のマーケティングを行う上で必須であるため、データの種類や定義、扱い方を学べたことは製薬業界でマーケティングを行う上で貴重な経験となった。(コンサルティング、IQVIAソリューションズ ジャパン)」
同レポートは「得たい経験や環境が明確にある人にとっては、その目的が叶う貴重な環境に身を置けることが高い満足感や納得感につながっている様子がうかがえます」と述べています。
また、こうした結果を踏まえて、同レポートは次のように結論を述べています。
「日本独自の雇用慣行である新卒一括採用や終身雇用制度が転換期を迎えるなか、社員の転職を阻むことは現実的ではありません。将来的に自社を巣立っていく可能性があっても社員一人ひとりのキャリアに向き合って成長機会を提供し育成することで、転職先で『○○社出身なら安心』と評価されることも考えられます」
「他社でも活躍できる人材を送りだすことはその企業の大きな魅力であり、中長期的に新しい人材を獲得するための競争力の一つになるのではないでしょうか」
【調査概要】
OpenWorkに投稿された、2020年以降に退職した元社員による会社評価レポート13万6087件を集計。