ツイッター、トランプ氏のツイートを初めて非表示に。「暴力の賛美」でルール違反

    問題となったトランプ氏のツイートは、ミネアポリスで起きた黒人男性の死亡事件に関するものだった。ツイッターは5月26日にも、トランプ氏の別のツイートを「根拠なし」とする警告ラベルをつけている。

    ツイッターは米現地時間5月29日、ドナルド・トランプ大統領のツイートを初めて非表示にした。

    ミネソタ州ミネアポリスで5月25日、アフリカ系アメリカ人の男性が警察官に首を押さえつけられて死亡する事件が起きた。これを受け、現地では警察に対する抗議デモが激化している。

    トランプ氏はミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長を批判し、以下のようにツイートした。

    「アメリカの偉大な都市、ミネアポリスにこんなことが起きているのを、黙って見てはいられない。リーダーシップが完全に欠如している。力のない新左派のジェイコブ・フレイ市長が気合を入れて市をコントロールしなければ、私が州兵を送って仕事を成し遂げるまでだ…」

    非表示となったツイートは、この投稿にリプライ(返信)する形で続いている。

    「この連中は、ジョージ・フロイド(訳注:事件で死亡した黒人男性)の思い出を汚している。 私なら、そんなことはさせない。ティム・ウォルツ州知事とはもう話がついている。軍も全面的に従うと伝えた。いかなる困難があっても、我々が主導権を握るだろう。略奪が始まれば、銃撃戦も始まるということだ。以上!」

    ツイッターが掲げる「強烈な身体的脅迫に関するポリシー」の中に、「個人または集団に向けた暴力をほのめかす脅迫は禁じられています。暴力を賛美することも禁止します」とある。

    問題のツイートには、ミネソタ州知事に軍を派遣する意向や、銃撃戦を伴うといった表現が含まれていた。ツイッターはこれらが上記に違反すると判断し、ツイートを非表示にしたとみられる。

    5月26日には、大統領選の郵便投票に関するトランプ氏のツイートに初めて、ツイッターがファクトチェックを行った。「トランプ氏の主張は根拠なし」として、ミスリーディングなツイートに対する警告ラベルをつけた。

    トランプ氏はこれに猛反発し、「ツイッターは言論の自由を完全に侵害している」とツイート。現地時間28日には、SNS事業者がユーザーが投稿したコンテンツを免責する措置を剥奪するための大統領令に署名した。ツイッターに政治的な圧力を加える狙いがあるとみられる。