ドイツ博物館、イーロン・マスク氏の肖像画を撤去。「ナチス敬礼」が波紋

    ドナルド・トランプ米大統領の就任祝賀会で、イーロン・マスク氏がナチス式敬礼を彷彿とさせるポーズをとり批判されている。ドイツ博物館は、「過去と未来の先見者たち」という展示から、マスク氏の肖像画を撤去した。

    アメリカ・ワシントンD.C.で1月20日、ドナルド・トランプ米大統領の就任祝賀会が開かれた。

    イベントには、Xのオーナーでテスラ社のCEO、イーロン・マスク氏が登壇。スピーチ中にナチス式敬礼にそっくりのポーズをとり、物議を醸した

    Billionaire Elon Musk gave what appeared to be a fascist salute Monday while making a speech at the post-inauguration celebration for President Donald Trump at the Capital One Arena.

    “Some elections are important, some are not. But this one, this one really mattered and I just… pic.twitter.com/K8Fo0sdozL

    — PBS News (@NewsHour) January 20, 2025
    Twitter: @NewsHour
    問題となったマスク氏の身振り

    ミュンヘンにあるドイツ博物館では、宇宙工学に関する展示エリアに「過去と未来の先見者たち」と題して、歴史に名を残す科学者たちの肖像画を飾っている。

    マスク氏も偉人たちと顔を並べていたが、同館はマスク氏の肖像画を撤去した。

    アートニュース誌によると、マスク氏の政治的関与が高まった11月から、マスク氏の肖像画には布がかけられていたという。

    肖像画の撤去について同館は、マスク氏の敬礼との関係性を明言しなかったものの、存命の人物を美化するのは問題があるため今回の決断に至ったと、米ニューズウィーク誌に述べた。

    「展示エリアの目立つ場所で、存命の人々に敬意を表することには、常に問題があります。なぜなら、無批判な賛辞と見なされる可能性があるからです」

    「また多くの場合、人の生涯の功績は、あとから振り返らないと正しく評価できません」

    展示物のデザイン上、時事問題に素早く対応するのが難しいことも撤去の理由に挙げた。

    マスク氏は、自身の言動が批判されていることについて「もっとうまい手口でやればいい。なんでもヒトラーに例える手法にはうんざりだ」とXに投稿した。

    続くポストで、ホロコーストに関わったナチス要人たちの名前を冗談混じりに列挙し、泣き笑いの絵文字を付け足した。

    これに対し、世界最大規模のユダヤ系団体、名誉毀損防止同盟(ADL)代表のジョナサン・グリーンブラット氏は、ホロコーストは「ジョークではない」とマスク氏を非難した。

    We've said it hundreds of times before and we will say it again: the Holocaust was a singularly evil event, and it is inappropriate and offensive to make light of it. @elonmusk, the Holocaust is not a joke. https://t.co/oeXLod2C1W

    — Jonathan Greenblatt (@JGreenblattADL) January 23, 2025
    Twitter: @JGreenblattADL

    「何百回も言っていますし、これからも言い続けます。ホロコーストは極めて邪悪な出来事であり、それを軽んじることは不適切かつ不快です。イーロン・マスクさん、ホロコーストはジョークではありません」

    ADLの公式アカウントもグリーンブラット氏のポストを引用し、「ホロコーストを矮小化する不適切で非常に不快なジョーク」は「殺害された600万人のユダヤ人の記憶を侮辱する」行為だと批判した。