ドローンで電話番号を届けて… 外出制限中のニューヨークで始まったラブストーリー
新型コロナで自宅待機中でも、女の子をデートに誘える!そう証明したあるフォトグラファーの投稿が話題になっている。
米国内における新型コロナウイルス感染拡大の中心とされている、ニューヨーク州。
感染者は5万9000人を超えた(3月30日時点)。同州では3月22日以降、外出禁止令が施行されている。
ブルックリン在住のフォトグラファー、ジェレミー・コーエンさんも他の住民と同様、自宅にこもる生活を続けていた。
ある日コーエンさんは、自宅の窓から「気になる女の子」を見つけた。外出禁止令は、彼の行動力までもは制限できなかったようだ。
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「うまくいったのが信じられないけど、これは本当の話」と添えてある動画は、コーエンさんが自宅の窓からある女性が踊っているのを見かけるところから始まる。
「TikTokの曲でも練習してるのかな?」「誰かこのダンス知ってる?」
バルコニーに出て手を振ると、彼女も気付き手を振り返す。
「何かつながりを感じて、『そうだ、連絡を取ってみよう』と思った」とニュース番組の取材に答えたコーエンさん。彼はドローンに自分の電話番号を貼り付けて、女性の元へと飛ばした。

「普段ナンパはしないけど、自宅待機が続く中、社会的な交流がしたくて仕方なかった」と動画で語っている。
ドローンの付属カメラが、彼女の驚きの表情を捉えている。

ドローン作戦は見事成功。女性からメッセージが届いたところで動画は終わる。
この女性はトーリ・シグナレラさん。普段はコワーキングスペースの運営を手伝っているが、現在は在宅勤務中だ。
屋上で踊っていた理由について、タイム誌に答えた。
「私が立っていた方向に何人かいたので、踊って見せたんです」
「人を笑わせるのが好き」だという彼女が踊っていたのは、『ハイスクール・ミュージカル』の劇中歌「We're All In This Together(みんなスター)」の振り付けだそう。
自宅待機中の交流は、ドローンを飛ばすのに「完璧な機会」だったとコーエンさん。
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「チャンスがあれば、僕はそれを必ず掴みにいくようなタイプです」
ドローンが飛んできたことについて、シグナレラさんは「『マジで』と言ってしまうような瞬間でした。嘘でしょ、本当にこんなことあるの?って」とインタビューで振り返っている。
投稿はインスタグラムで71万回以上再生され、TikTokで約540万ものいいねを集めた。
「自宅待機の投稿で一番良い」「とても幸せな気持ちになった」「続きはどうなったの?!」など、どのSNSにも多数のコメントが寄せられた。
最初の投稿から3日後、「自宅隔離のあの子 パート2」と銘打った動画が掲載された。バルコニーと屋上、ふたりは離れた場所で初デートをした。
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「(シグナレラさんとの交流が)まだ信じられないけど、パート2の時間。彼女をディナーに誘ったら、『どうやって?』って。そこで考えた」とコーエンさんのナレーションが流れる。
髭や髪型を整え、歯を磨き、服を選び、バルコニーにスタンバイ。
事前にシグナレラさんのルームメイトに協力してもらい、テーブルをセッティングしておいたそうだ。
「綺麗ですね!」とバルコニーから大声で叫ぶ様子もおさめられている。
ビデオ通話でお互いの顔を見ながら、食事を楽しんだようだ。
さらに2日後。念願かなってふたりは「会う」ことに成功した。「自宅隔離のあの子とデートする方法 パート3」。
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「社会的距離」を保つため大きなビニール製のボールに入り、コーエンさんはシグナレラさんに会いにいく。コーエンさんの姿を見て、シグナレラさんは大爆笑。
花を持参したが直接渡せず、これは誤算だったようだ。
ふたりが街を歩いているとパトカーの警察官に止められた。警察官は「昨日の4チャンだよね?」といった。
地元のテレビ番組でふたりのエピソードが報じられていたのだ。
警察官たちと記念写真を撮って、ふたりは束の間のお散歩デートを満喫した。