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「史上最高」と言われる体操金メダル候補が、東京五輪を棄権。決断を支持する声多数

東京五輪アメリカ体操代表のシモーン・バイルス選手が、27日に行われた体操女子団体総合決勝を途中棄権したのち、個人総合の辞退も発表しました。今年5月にテニスの大坂なおみ選手が全仏オープンを途中棄権したこともあり、スポーツ選手のメンタルヘルスを優先する姿勢が注目されています。

アメリカ体操代表のシモーン・バイルス選手が、7月27日に行われた東京オリンピック体操女子団体総合の決勝を、精神的理由で途中棄権しました。翌日、個人総合の出場も辞退すると発表しています。

バイルス選手が途中棄権したのは、団体総合決勝の跳馬の演技のあと。2.5回転予定だった跳躍が1.5回転になり、着地も乱れました。

万全の態勢で競技に臨めるような精神状態ではなかったと、バイルス選手は語っています。

テニスの大坂なおみ選手も今年5月、精神的負担を理由に全仏オープンを途中棄権し、「スポーツ選手のメンタルヘルス」が注目されています。

バイルス選手は、リオオリンピックでは金メダルを4つ獲得しており、今回も複数の競技で優勝を期待されていました。

厳しい意見や残念がる声もあるものの、SNSでは多くのファンや著名人らが、バイルス選手の決断を支持しています。元大統領夫人、ミシェル・オバマ氏もそのひとりです。

Am I good enough? Yes, I am. The mantra I practice daily. @Simone_Biles, we are proud of you and we are rooting for you. Congratulations on the the silver medal, Team @USA! 🎊

「『私は十分にできている?』『もちろん』。これは私が毎日唱えているマントラ(真言)です」

「シモーン・バイルス選手、私たちはあなたを誇りに思っているし、あなたを応援しています。アメリカ代表の皆さん、銀メダルおめでとうございます!」

有名歌手のジャスティン・ビーバーさんも、バイルス選手にエールを送りました。

1996年、アトランタオリンピックの体操競技に出場した元アメリカ代表選手のドミニク・モセアヌ氏も、バイルス選手の判断は間違っていないと支持を表明。自身が五輪の舞台で負傷したときの動画を投稿しています(※以下、怪我をする場面が含まれます)。

I was 14 y/o w/ a tibial stress fracture, left alone w/ no cervical spine exam after this fall. I competed in the Olympic floor final minutes later. @Simone_Biles 🤍 decision demonstrates that we have a say in our own health—“a say” I NEVER felt I had as an Olympian.

Twitter: @Dmoceanu

「このとき私は14歳で、脛骨を疲労骨折していました。演技失敗後、頸椎の検査も受けず、すぐにゆかの決勝戦に出場しました」

「シモーン・バイルス選手の決断は、自分の健康状態について私たちが発言権を持っているのだと示してくれました。私が五輪代表だったときにはなかったものです」

動画では、モセアヌ氏が平均台の演技中にバランスを崩して頭を強打しているところが確認できます。

バイルス選手も跳躍中に「少し迷いがあった」と振り返っていますが、選手らには常に高い集中力が求められています。

モセアヌ氏も、「体操競技は水のないプールに飛び込むようなもの」とツイートしています。

In our sport, we essentially dive into a pool w/ no water. When you lose your ability to find the ground—which appears to be part of @Simone_Biles decision—-the consequences can be catastrophic. She made the right decision for the team & herself. @bisping

Twitter: @Dmoceanu

「きちんと着地できないとき(これもバイルス選手の決断理由のひとつだと思いますが)、破滅的な結果に陥る可能性があります」

「チームのためにも自分のためにも、バイルス選手は正しい決断をしました」

怪我の可能性はさておき、オリンピックのプレッシャーや自身の精神状態を考慮しての欠場も正当な理由になるはずです。銀メダルおめでとうございます✨

この記事は英語から翻訳・編集しました。  翻訳:髙橋李佳子