俳優ブラッド・ピットの母親を名乗る人物に、あるフランス人女性が83万ユーロ(約1億3000万円)を騙し取られた。
フランスのテレビ局がこの事件を取り上げたところ、女性に対する批判や嘲笑の声が止まず、番組を取り下げる事態へと発展している。
アンヌさんと"ブラッド・ピットの母親"とのやり取りは続き、アンヌさんはついにブラッド・ピット"本人"を名乗る人物から「母からあなたのことを聞いています」という内容のメッセージを受け取った。
アンヌさんが夫との離婚で77万5000ユーロの慰謝料を得たと知ると、偽のブラッド・ピットは「腎臓がんになり、高額な治療費がかかるが、アンジェリーナ・ジョリーとの離婚で口座が凍結され支払えない」と訴えてきたという。
闘病を匂わせる画像が複数枚送られたが、これらはすべてAIで生成された偽画像だ。
アンヌさんは、最終的に83万ユーロ(約1億3000万円)を渡した。
2024年6月、本物のブラッド・ピットは、以前から噂があったイネス・デ・ラモンとの交際を初めて公に認めた。
このニュースを受け、当初は偽のブラッド・ピットの言い訳を信じていたものの、娘からの指摘もあり、アンヌさんはことの重大さに気づいた。
1月12日、フランスのテレビ局TF1が、ゴールデンタイムの番組『Sept à Huit(=7時から8時)』でこの事件を取り上げ、約1年半の間、アンヌさんはブラッド・ピットと恋愛関係にあると思い込んでいたと報じた。アンヌさんは、ほぼすべての財産を失い、3回自殺を図ったと番組で語った。
ところが放送後、アンヌさんに対する嘲笑や心ないコメントがネットで続出。さらにその流れに便乗し、複数の企業が皮肉的なSNS投稿や宣伝に走った。
フランスのNetflixは「ブラッド・ピットと一緒に(本当に)無料で見られる映画4本」とXに投稿している。
さらに、アンヌさん自身がYouTubeなどのソーシャルメディアに登場し、TF1の報じかたに問題があったと批判した。
アンヌさんは「恋に落ちていた」のではなく、がんサバイバーとして偽ブラッド・ピットを「助けたいと思った」という。「視聴率を追求した」番組の編集が彼女の「イメージを傷つけた」と主張している。
しかし、アンヌさんに対するネットいじめは広がり、ついに番組が取り下げとなる事態まで発展した。番組は、公式Xで次のように声明を発表している。
「『Sept à Huit』は、社会問題を中立的に扱うニュース番組です。日曜日に放送された報道が、被害者に対する嫌がらせの波を広げました。被害者を保護するため、この報道を私たちのプラットフォームから取り下げることを決定しました」
騒動を受け、本物のブラッド・ピットの代理人も声明を発表。
「詐欺師がセレブリティとファンの強いつながりを利用するのは非常に不愉快」とロマンス詐欺を批判し、「SNSを利用していない俳優からオンラインメッセージが来ても返信しないように」と注意喚起した。
