マスクを「つけたくない」のではなく「つけられない」。4コマ漫画で伝えられたこと。

    知ってるだけで見方が変わる。「わけがありマスクプロジェクト」を紹介します。

    やむを得ない事情でマスクをつけられない人がいます。

    Twitterに投稿された4コマ漫画があるので、紹介させてください。

    作者は、日常で感じた違和感のある出来事を中心に4コマ漫画として発信している、ネコロスさんです。

    今回は、株式会社しまうまによる「わけがありますくプロジェクト」が作ったマークが題材となっています。

    感覚過敏、呼吸器の病気、癌治療の副作用や後遺症、自閉症、知的障害、アレルギー、精神障害、皮膚が弱い、小耳症、聴覚障害…といった、信条ではなく自分では選択できない理由でマスクをつけられないことを知らせるためのプロジェクトです。

    「特定の疾患を持つ=マスクがつけられない」というわけではありませんが、一部にマスクを回避せざるを得ない人がいるのです。

    それを伝えるプロジェクトの紹介ムービーでは、2匹の動物が登場します。

    「病気でマスクがつけられないことで周りの視線が気になり、事情を知ってもらおうとマークをつける」犬のキャラクターと、「マスクをつけていない人を見て不安に思っていたけれど、事情を知り、心理的な安心感が生まれた」猫のキャラクターが、プロジェクトのマークを通してお互いの事情を理解します。

    ネコロスさんは、このプロジェクトを知ったことによる変化をこう振り返ります。

    「マスク無着用によって起きたトラブルの印象は強く、マスクをつけていない人は『身勝手』という印象を少なからず持っていました。

    一方で、理由があってつけられない人達が存在することにまでは考えが及んでおらず、大変申し訳ない気持ちになりました。

    つけたくない人と、それを責める人の間で、きっと苦しまれていたと思います」

    わけがありますくプロジェクトの担当者は、BuzzFeedの取材に、マスクがつけられないことで「偏見に満ちた目で見られたり、怖い目に遭ったり、危険に晒されたりするようになった方々がいます」と話します。

    事情を理解してもらえず、交通機関を利用できない、解雇される、デイケアのプログラムへの参加を断られるといった状況の人もいるといいます。

    「その方々には何の過ちもありません。(マスクをつけられないのは)たまたま不運だったのです。そのような境遇に陥った人を不幸にしないために皆様の理解が必要です。

    マークの犬の名前はシロウ(知ろう)です。まず知ることから始めてください。皆が困っているときだからこそ、それぞれの知恵を集めて乗り切っていきましょう」

    なお、マークを利用するにあたってトラブルも起きており、以下のことに気をつけてほしいと呼びかけます。

    「わけがありますくプロジェクトのロゴは病気、障害など自分では選択できない理由でマスクの着用ができない方がそのことを周りに知らせるために着けています。

    それ以外の方はご利用にはなれません。

    また、このロゴの著作権は当プロジェクトが管理しております。著作権フリーではありません。販売および改変は禁止しています。

    無料でご利用できるのは、対象者で、かつ、利用規約に同意し遵守される方だけです。

    また、このロゴは『つけていればどこでも入ることができる』というものではありません。お互いに相手を尊重し、行動してください」