新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、外出を控えるなど、会いたい人に会うことが難しい状況が続いています。
「会いたい人に会うことができない」という気持ちは、多くの人に共通したものではないでしょうか。
こうした状況の中、多くの人を元気づけるような“短歌”を載せた画像が、ネット上で好評を得ています。
Facebookに投稿されると、それを知った人たちがTwitterでも紹介し、「感動した」などとコメントが寄せられています。
それが、こちらの画像です。
しばらくは 離れて暮らす コとロとナ
つぎ逢ふ時は 君という字に
「コ」「ロ」「ナ」という文字を組み合わせると、“君”になるという発想が、この短歌を生みました。
文字や絵はやわらかな水彩画風のタッチで描かれています。「疾病が流行した際は、私の写絵を人々に見せよ」という言葉を残したという伝説が残る、話題の「アマビエ」もいますね。
この短歌は、いったいどのようにして詠まれたのでしょうか?BuzzFeed Newsは、話を聞きました。
「真っ先に大切な人に会いに行きたい」想いを込めた歌
短歌は、イラストレーターのタナカサダユキさんが詠みました。ふとした瞬間に「コロナ」の3文字を組み合わせたら、「君」という漢字になる、と気がついたといいます。
「コロナのせいで会いたくても会いに行けない人たちが全国にたくさんいる。そんな人たちの気持ちの多くは、早くこの災禍が終息してほしいというところで共通しているはず」
「コロナが終結したら真っ先に大切な人に会いに行きたい、その切なる想いを『君』という言葉に託せると着想したのです」
たくさんの縁で広がっていった短歌
そうして完成した短歌。イラスト抜きに短歌のみをFacebookに投稿しました。すると、絵かき友達から「ぜひイラストにしてほしい」とリクエストがあり、早速スケッチブックに描きました。
その後、Facebookに短歌入りのイラストを投稿すると、「発想もイラストも素敵すぎ」「心に灯が灯りました」などと好評を得ました。
Twitterでも「考えた人すごい!」「素敵です」とその画像がツイートされ、広がりました。
反響に受け、タナカサダユキさんはこう話しています。
「不安と退屈に沈み込む自粛の生活を余儀なくされる多くの人の心を 一瞬でも和らげることができたのなら、あの戯れ絵を描いたことは、自分にとってもなんて素敵なセレンディピティ(思いがけない出会いや発見)だったのだろうと思わずにはおれません」