終電が止まった深夜。ホームで始まったデュエットに、「素敵」の声が湧いた

    終電がストップしてしまった駅のホームには、暗い空気が流れています。ある2人組がサックスの演奏を始めると、そこはじっくりと音楽を堪能できる場所に変化しました。

    終電がストップしてしまった深夜の駅のホーム。そこで突如、サックスのデュエット演奏が始まりました。

    その様子を投稿したツイートが「心が明るくなる」「とても素敵」と大きな話題を呼んでいます。

    ホームで演奏とは、何やら見慣れぬ光景…。一体誰が?

    午前2時 人身事故で止まった小田急終電 ホームでうなだれる乗客のみなさん サックス奏者の為すべきことは唯一つ

    奥野祐樹 / Sax / Via Twitter: @daisax226

    演奏したのはプロのサクソフォン奏者の、奥野祐樹さんと、太田大地さんです。

    2人は主に、サクソフォン四重奏Adam(@Adam_sax_japan)というグループで活動しています。

    9月14日は、グループの演奏会のリハーサル日でした。終了後、奥野さんと太田さんは食事をし、終電で帰路につこうとしていました。

    乗る予定だったのは、小田急線で00:38新宿発の電車です。しかし、人身事故のため発車が遅れていました。

    1時間ほど経過しても、運転は再開されません。「ホームにみなさん座り込んで、かなり暗い雰囲気に見えました」

    「終電までやることもなく、なんとなく楽器を出して写真を撮っていたりしました。すると周囲の方々から何か演奏してとの声をいくつか頂きまして、試しに音出ししてみた次第です」

    深夜1:30~2:00頃、重い雰囲気が立ち込める新宿駅のホーム。周りからの声がけもあり、2人の演奏が始まりました。

    即興で、息ぴったり…!👏

    終電ストップした新宿午前2時!!!温かく見守ってくれた、駅ホームのみなさんありがとうございました!!!そして何より駅員のみなさん、本当にお疲れ様でした😭😭😭 楽器持って立ったらそれはもうどこだってステージってわけハイ最高

    奥野祐樹 / Sax / Via Twitter: @daisax226

    演奏は予想以上の盛り上がりがあったといいます。途中、駅員さんからの注意が入ることはありませんでした。

    演奏をやり遂げ、電車も無事に動くようになると、駅員さんからは「THANK YOUカード」を渡されました。

    「ホッとしたというか、感謝して頂いて助かったなあというのが正直な気持ちです。臨機応変にご対応頂き、ありがたく思っております」

    奥野さんが演奏について投稿したツイートは3万リツイート、17.5万いいねがされています(9月16日時点)。また、聴いていた方からの動画投稿や、視聴者から多くのコメントがあり、反響は広がっていきました。

    「状況が状況なので演奏することについて賛否あるかと思いますが、自分たちとしては、少しでも明るい気持ちになった方がいらっしゃるならば、やってよかったと感じております」