大学教授から学生へプレゼントされたものが素敵だと、Twitterで話題になっています。
それがこのマグカップ。

印刷されているものは…学生が書いた論文!
この写真を投稿したのは、東北大学大学院・薬学研究科の中林孝和教授です。
論文が印刷されたカップは、学生が筆頭著者の論文が受理された時に、送ることにしたのだといいます。
この試みに、Twitterでは「粋です…」「研究のモチベーションが上がりそう」といった声が寄せられています。
では、「筆頭著者の論文が受理される」とは、どういう意味を持つのでしょうか。中林さんはこう話します。
「私たちの研究は、専門の先生の審査がある学術雑誌に掲載されることで初めて研究成果として認められます。学術雑誌に掲載されるには、不断の努力が必要です。場合によっては大変な道のりです。
論文の筆頭著者は、その論文の中心であることを示しています。学生さんが筆頭著者の論文とは、学生さんが自分の研究テーマに自ら全力で取り組んだ結果となります」
プレゼントの裏にあるのは、こんな「努力に報いてあげたい」という気持ちでした。
学生の努力に、「おめでとう」の気持ちを伝えたい
これまでは学生に「おめでとう」と声をかけていましたが、言葉だけでは物足りなさを感じていました。
「筆頭著者の論文は一生ものです。研究室で頑張ったことを示す一生の財産です。しかし、それは博士の道に進むか、またはある程度年齢を重ねないと、なかなかわからないものです。多分、私のおめでとう、は伝わってないだろうなぁ、と思っていました」
どうすれば祝福の気持ちが伝わるのか。
1つの手段として、マグカップを販売する「ScienceGrit(@ScienceGrit)」を試してみようと思いつきました。
完成したものを2人の学生にプレゼントしたところ、好評だったといいます。プレゼントは、しばらくの間続けられる予定です。
「ただ、これは私の自己満足、学生さんの努力に応えたいな、という気持ちだけですので、語弊のある表現かもしれませんが、喜んでくれなくても、とりあえず受け取って」ほしいといいます。
「研究は努力をしたから成果がでるわけではありません。だからこそ、努力ができるだけ実るような教育や指導を行い、そして努力が報われた時には、おめでとうの気持ちを伝えていければと思います」