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Updated on 2020年7月15日. Posted on 2020年7月10日

「結婚は?彼氏いないの?」無意識の言葉は、彼女たちへの刃だった。2人の女性が語ること

「ライフパートナー」という関係で、小さなことにも大きな幸せを感じ合う、豊かな同棲生活を送っている2人がいます。

まりまりさんは、同じく学生であるパートナーと同棲しながら、生活の一部をイラストに記録している。

パートナーのりんりんさんとは、付き合ってからまもなく1年半を迎える。

「ご飯を一緒に食べたり、困った時に相談したり、ちょっとしたプレゼントをあげたりする相手がいることで、幸福感が増しました」

2人は、ゆったりとした生活の中で、小さなことにも大きな幸せを感じ合う。

一方で、彼女たちはセクシュアルマイノリティの当事者としての複雑な考えも抱いていた。

ジェンダー、セクシュアリティ、関係性も全てグラデーション

まりまりさん提供

左:りんりんさん 右:まりまりさん

りんりんさんのジェンダーは女性で、セクシュアリティはレズビアン。

まりまりさんのジェンダーは、性別という枠組みにとらわれたくない“ジェンダー・ノンコンフォーミング”。

セクシュアリティは、好きになることに相手のジェンダーとセクシュアリティを条件としない“パンセクシュアル”だ。

2人の関係性をそれぞれに尋ねると、「ライフパートナー」だと答える。定義もそれぞれで違った。

まりまりさんによれば、それは”「この先も一緒の生活について考えられる」と感じる人”であり、りんりんさんによれば”自分の弱さをさらけだすことができ、受け止めてくれる人”だという。

(性自認が男性にも女性にもあてはまらないXジェンダーに対して、ジェンダー・ノンコンフォーミングは、男性や女性といった規定にとらわれたくないというニュアンスが強い)

「2人の生活が楽しすぎる」。そして「ロールモデルになりたい」から、漫画に記録し始めた

2人は、ゆったりとした同棲生活を送っている。どうでもいいことから真面目なことまで何でも話し、信頼を築きあっているという。

まりまりさんは、そんな生活の様子を得意なイラストで記録し、Twitterに載せている。

まりまり(ほとけ) / Via Twitter: @hotokeyankii

イラストとして残す理由は、2つある。1つ目は「生活していて、楽しく愉快なことが多すぎるから」だ。

2人の生活には、お互いをわかりあっていると感じることができる安心感があると話す。

幸せを感じる瞬間は、互いにじゃれ合っている時だ。

「ふとした拍子に『この人のこういうところ好きだな』って思えること。あと、彼女の感情がたかぶって、よしよし、すりすりされる時ですね」と、りんりんさんは笑いながら答える。

まりまりさんも、りんりんさんをよしよしと撫でた時にへにゃっと笑う瞬間が好きで、幸せを感じるという。

そして、2つ目の理由は「同性カップルのロールモデルの1つとして見てもらえたらな、と思ったから」だという。

現実に襲いかかる不安

Runstudio / Getty Images

まりまりさんには、同性カップルのロールモデルが身近にいなかった。

周りにいるのは、男女のカップルや夫婦ばかりだ。自分の将来の姿をイメージする時、重ね合わせられるようなカップルはいなかった。

そのため、将来のことが想像できず、不安な気持ちになったことが何度もあった。

どうしよう。そう悩んでいた時、強く励ましてくれたのが、同性カップルを描いた漫画や、当事者たちによるブログだった。

それらは幸せなイメージを与えてくれた。ロールモデルに実際にはなかなか出会えなくても、漫画やブログに大きな力をもらった。

「相手は異性愛者」という無意識の思い込み

まりまり(ほとけ) / Via Twitter: @hotokeyankii

こちらの漫画には、Facebook上で、りんりんさんについて文章を書くシーンが登場する。まりまりさんはFacebookを一般公開し、思い出を記している。

お互いの関係性をフルオープンにしている2人は、カミングアウトについて、どんな考えを持っているのだろう?

まりまりさんは、色々な人にカミングアウトをしている。しかし、怖いと感じることも未だにあるという。距離を置かれてしまうのではないかと想像してしまうからだ。

「ですが、自分のカミングアウトによって少しでもアライや心強く思う人を増やせたらいいなと思っています。特に、身近な人にカミングアウトができずに隠している人たち(クローゼット)の相談役になれたらいいですね」

「カミングアウトしなくていい」と言うのは、本当はとても複雑だ

まりまりさん提供

話好きなりんりんさんは、自分の生活に欠かせない存在となっている彼女について、誰にでも話している。

「自分の身を守るためのカミングアウト、って感じです」

どういうことか。

2人は、今の日本社会でカミングアウトをせずにいると、どうなりがちなのかを経験している。

カミングアウトしなければ、「自分たちがシスヘテロだと、話し相手から当然のように思われてしまう」ことが多かったというのだ。

シスヘテロとは、シスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と、性自認が同じ人)とヘテロセクシュアル(異性愛者)を組み合わせた言葉だ。

理想は「普通に息をしていける」社会

まりまりさん提供

2人の大切なぬいぐるみ

例えば「結婚しないの?彼氏いないの?」という質問がある。

これは相手が自分たちのことをシスヘテロだと思い込んでいるので、出てきてしまう言葉かもしれない、と2人は言う。

こうした質問を受けるたびに、2人は嫌な気持ちになったり、ストレスを感じたりすることがある。

りんりんさんの“自分の身を守るためのカミングアウト”というのは、こうした言葉を投げかけられるのを避けたいとの思いからだ。

ただ、様々な事情があり、カミングアウトができない人もいる。そうした人たちは、傷つくことや抱えているモヤモヤを我慢しなくてはならない。

まりまりさんが理想とするのは、どんなジェンダーやセクシュアリティであっても、カミングアウトしてもしなくても「普通に息をしていける社会」だ。

異性が好きなことだけが“当たり前”ではなく、人それぞれに“らしさ“がある。こうした考え方が広まり、傷つく人がいなくなるように。彼女たちは願っている。

まりまりさんとりんりんさん、2人にとっての「幸せ」は何ですか?

BuzzFeed


バズフィード・ジャパン ニュースインターン

Contact Riho Takatsuto at riho.takatsuto@buzzfeed.com.

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