3つの人格と共生する、ある漫画家の体験談が注目を集めています。
ざく ざくろさん(@timtimtooo)が、Twitterに自身の経験を描き、投稿したところ、約5千回を超える「いいね」が集まりました。
リプライ欄には「この感覚は自分だけではないのだと、正直ホッとしました」「私も2人、心の中にいます!」「これは…すごく身に覚えがある……」など、共感のコメントが寄せられています。
ストーリーは作者の「外での自分と家での自分は違いますか?」という問いかけから始まりますーー。



ADHD(注意欠陥・多動性障害)とアスペルガー症候群と診断を受けている作者は「外での自分と家での自分って違いますか」と読者に投げかけます。
そして、次のコマですぐに「私は違います」と記します。
理由は、素の自分でいたら、世間を渡っていけないから。
普段のざく ざくろさんはぼんやりしていて、まるで「乳牛のよう」らしいのです。
そこで本人の代わりに働いてくれる3つの人格を持ち合わせているのだそう。
1つ目の人格は長老です。初対面の人と会う時や敬語を話すシーンで登場します。
2つ目の人格は犬。心が疲れ切っている時に出てくるようです。「ヴヴー」としか言わないそう。
3つ目の人格はバド沢ざく子。30歳の時に出来上がり、外で働く時に大活躍していたようです。
ちなみに「こんな人になりたいな」の集大成がバド沢さんということですが、無理をしているのか、家に帰った時にドッと疲れが押し寄せてくるんだとか。
最後のコマでは、最近はめっぽう「ざく ざくろ」という素の自分で生活しているといい、「生きにくさを自分で作った人物に成りきって乗り切ったという感じかなぁ」と締めています。
BuzzFeedは滋賀県在住の漫画家、ざく ざくろさんに話を聞きました。
「初恋、ざらり」 (1/5) #コルクラボマンガ専科 #漫画がよめるハッシュタグ
初めて人格を作った時、ざく ざくろさんは高校生だったといいます。
「高校生の時、別の高校を受け直したので、1人だけ年上だったのですが、それが嫌でした。だから、あっけらかんとした、小さいことは気にしない人格を作りたかったんです。この時、人格に名前はありませんでした」
良くも悪くも「これは私じゃない」
薬で閉じ込めてるんですが「朱い人」という人格もいます🤮 よく暴れる人でもう四年くらいお札貼ってある牢屋に入ってもらってます(???) 結婚するまでは辛いことがあっても人格を変えることで「これは私じゃないし」て思ったりしてました。これが良くなかったと思われます。
その後は、嫌なことがあったタイミングで、人格をだんだんと増やしていったのだそう。
「『あなた代わりにやってちょうだい』という感じでバトンタッチします。反対に『犬』の人格は、全ての責任から逃れたいときに出ました」
人格を切り替えることで、辛いことがあっても「これは私じゃない」と思えました。
今もこれはメリットだと考えますが、「どうせ自分の人生じゃないし」と何もかもどうでもよくなってしまうこともあり、「良くなかった」と振り返ります。
人格が複数、存在している人へ
「TPOに合わせて態度が変わるということは、みなさんあると思うのですが、(人格を複数飼いならすことで)『これは私じゃないから大丈夫』などと、思い始めるとすでにメンタルが病んでいるサインだと思います」
「素の自分をどんどん見失ってしまうため、早めに精神科に行ったほうがいいと思います」
そんなざく ざくろさん、軽度の知的障害を持つ主人公について描いた漫画をTwitterで公開しています。
タイトルは『初恋、ざらり』。電子書籍でも販売中とのことです。