2019年10月、京成線立石駅で視覚障害者の女性がホームから転落し、死亡しました。

「駅の導線を確かなものに」

危険な手段を選ばざるを得ない

見えない人もいるのに…

ホームドア設置の現状は?

どうして設置は進まない?国土交通省の答え

ホームからの転落事故をどうすれば予防できるのか。内方線付き点字ブロックやホームドアの現状を取材しました。
(写真はイメージ)
東京新聞によると立石駅にホームドアの設置はされておらず、ホーム内側を表す内方線ブロックと突起状のブロックの高さに差があったことが明らかになっています。
国土交通省によると、視覚障害者のホーム転落事故は2018年度で70件程度発生しています。
視覚障害者が駅で感じている恐怖を、BuzzFeed Newsは日本視覚障害者団体連合の担当者に取材しました。
「普段、駅で一番恐れていることはホームからの転倒です。町中と同じ点字ブロックのみの駅は少なからずあり、内方線付き警告ブロック(上の写真)やホームドアの設置がされていないところがあります。言ってしまえば、命綱なしで歩いているようなものなのです」
白杖を使いながら足の裏でも点字を読み取って歩行している当事者は多いのだとも語ります。
「内方線付きブロックが設置されているところでも、ホームの内側を知らず知らずのうちに歩いていることや、ホームのどこを歩いているのかわからなくなることも多々あります。普通の点字ブロックであればなおさらです」
電車が通過する際は、内方線付き警告ブロックに頼って、その内側に入るという当事者。しかし安全性に配慮されていない駅では、町中に設置してあるような一般的な点字ブロックを頼って立ち止まるしかないのです。
「多くの場所に設置されている突起状のブロックではなく、警告ブロックの上を歩いていても、ホームに落ちる可能性が高く危険です。だから駅の導線を確かなものにしてほしいです。欲を言えば、全駅にホームドアを設置してほしいですが…...」
電車が通過する際や電車の到着時に「黄色い線の内側に下がってお待ちください」というアナウンスがあります。視覚障害者の目線からすると少し違和感を感じると話します。
「弱視の人なら多少色は見えますが、実際に全盲の人は黄色と言われてもわからずです。色盲の人の中には『見えない』と思う人もいます。中には『ブロックの内側に』と言ってくれる路線もあります。安全性の面から、鉄道全線でそのように放送してほしいです」
視覚障害者の転落や列車との接触を予防する安全対策の一つが、ホームドアの設置です。
国土交通省鉄道局の担当者からこのような回答を得ることができました。
「平均して年間に3000件前後のホーム転落事故が起きています。いま現在、1日10万人以上が利用する駅にを優先的に設置していて、設置が完了している駅は783駅です。国は2020年度までに800駅に設置することを目標としています」
しかし、実際には1つの番線に設置されているだけで1駅という数え方になっている側面もあるそうです。
「利用者が10万人以上の駅である279駅に1219番線ですが、設置の完了をしているのは123駅で353番線でした。今後きめ細かく整備促進していく必要性を感じています」
1つの番線にホームドア設置するには数億円から数十億円単位で費用がかかるのだと話します。
「ホームドア自体に重さがあるため、ホームを改修工事しないととつけられない駅もあります。最近は軽量タイプのスマートホームドアも開発されていることから、これから少しずつ設置駅は増えるのではないかと思います」
しかし、毎日多くの人が駅を利用するため、夜間のみの作業になるため全駅に設置するには時間がかかるとのことです。「どの駅を優先すべきか検討中」ということです。
Reona Hisamatsu reona.hisamatsu@buzzfeed.com に連絡する.
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