「だれかではなく、あなたのそばに」。今年4月に刷新された生理用ナプキンの動画が話題です。
大王製紙の商品である、生理用品のエリス(@elis_elleair)がTwitterに新たなメッセージを添えたプロモーション動画を投稿。2千回を超える「いいね」が集まりました。
リプライ欄には「このCM、とても素敵ですね」「大王製紙さん、いろんな取り組みされてて推せる」「テレビでも流して全てのお茶の間に届いて」と反響が寄せられています。
「わたしの生理」
「だれかではなく、あなたのそばに。」 エリスは新しいブランドメッセージとともに、「わたしにあう」がみつかるような生理用品をお届けしていきます。 #エリス #エリエール #生理用品 #meetmyelis
1分間の動画では、インフルエンサーや子育て中の保護者、学生など6組の出演者が登場し、一人ひとり異なる「生理との向き合い方」について語っています。
中には「(生理のことを)『女の子の日』とは言いたくないかな」「生理用品は買いにくいので、自分は彼女に買っているフリとかしちゃいますね」と語る人も。
動画を紹介するツイートで「『わたしにあう』がみつかるような、生理用品をお届けしていきます」と綴ったエリス。どうしてこのような動画を制作したのでしょうか。
「女の子の日」という言葉を使わずに。

動画では、生理のCMや広告でありがちな「女の子の日」という言葉や「女性」という単語を使わずにメッセージを伝えています。ブランド側の意図を尋ねてみました。
「生理の考え方や感じ方が人それぞれ違うように、性別を表す『女性』という言葉に対しての感じ方、考え方も、人それぞれ違うと考えています」
「エリスは多様性を受け入れ、様々な価値観やライフスタイルに応えるブランドとして、言葉だけに捉われないメッセージを届けたいと考えました」
動画にはXジェンダーのカップルも。

「女の子の日とは言いたくない」「生理用品を買いにくい」と語っていたふたりは、Xジェンダーのカップルです。
Xジェンダーとは、自認する性別が男女どちらにも分類されない人や、どちらとも言い切れない人。あるいはいずれにも分類されたくない人を指します。
この2人を起用した背景について、担当者は「様々な考え方やライフスタイルの方に出演いただくことで、エリスの新たなブランドメッセージを表現したいと考えました」と説明します。
時代の流れに合わせて。

プレスリリースによると、エリスは1982年に誕生。「いつも女性のそばで寄り添い、前を向く女性を応援するため」に発売されました。
誕生から40年にわたり、移ろいゆく時代の流れに合わせて、女性たちの様々な苦悩に向き合ってきたといいます。
これまで、2015年から打ち出されてきたブランドメッセージは「前を向く、女性のそばに。」でした。
しかし、多くの女性や生理のある人に、より自分らしい毎日を過ごしてほしい願いを込めて、この春から「だれかではなく、あなたのそばに」へと、メッセージを刷新。
エリスの常識にとらわれず、ひとりひとりの価値観やライフスタイルに寄り添っていく姿勢を反映させたとのことです。
担当者は「生理に対して、ひとりひとりが抱くさまざまな想いや悩みに寄り添い、『だれかではなく、あなたのそばに』あるブランドとして、思いを届けられたらと思っています」と語りました。
「“性”と“生”の多様性」を祝福する日本最大のLGBTQイベント「東京レインボープライド」の開催に合わせて、BuzzFeed Japanでは4月22〜26日にかけて、性的マイノリティに関する情報やインタビューを「LGBTQ特集」としてお届けします。
特集の記事や動画はこちらから。