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LGBTQの当事者は「想定外の存在」ではない。足立区議の差別的発言を受け、投稿された1枚の写真。

「#私たちはここにいる」というハッシュタグを添えて投稿された1枚の写真があります。投稿者のみたらし加奈さんにツイートした理由を聞きました。

9月に行われた東京都足立区の区議会で、自民党の白石正輝区議がLGBTQに対して、差別的な発言をし、注目を集めています。

その内容とは「L(レズビアン)だってG(ゲイ)だって法律で守られているという話になれば足立区は滅んでしまう」「普通の結婚をして普通に子どもを産んで育てることがいかに人間にとって大切か、子どもに教えないといけない」というものです。

10月6日の毎日新聞によると、鹿浜昭議長と区議会自民党はそれぞれ白石氏に厳重注意をしたといいます。

しかし、「当事者が不快と思っても別に良い」と白石氏は発言し、発言の撤回や謝罪をする意思はないようです。

そんな中、「#私たちはここにいる」と添えられた投稿が、あるカップルを皮切りに拡散され、投稿の輪が広がっています。

BuzzFeed Newsはきっかけとなった投稿をした、臨床心理士のみたらし加奈さんを取材しました。

話題になっている写真はこちら。パートナー(左)と投稿者の加奈さん(右)が写っています。

みたらし加奈 / 新刊 『マインドトーク』発売中さんのTwitterより / Via Twitter: @mitarashikana

投稿にはハッシュタグの他に《渋谷区も滅んでいないので安心して欲しい、足立区は滅びないよ》と綴られています。

投稿した理由をこのように話します。

「白石議員のニュースを受け、当事者/非当事者関わらずさまざまな方が発信をされていました。それらの投稿を見たのちに『自分なりの方法で、傷ついてしまった方をエンパワーメントできないか…』と考え、投稿をした次第です」

前述のツイートやハッシュタグに込めた思いを「それ以上でもそれ以下でもない、ストレートな『事実』」だと前置きし、明かしてくれました。

「LGBTQの当事者は『想定外の存在』として認識されるものではなく、事実、この日本に暮らしています。同じように税金だって納めています。生産性があろうがなかろうがそんなものは他者が決めることではなく、すべての人に人権があるのです」

「今回、声が上がったように、子どもを育てている同性カップルだってたくさんいます。だからこそ『ここにいる』というフレーズが、私の中では1番ピンときました

白石区議の発言を知ったときは、ニュースを見て「あぁまたか…と落胆した」と語ります。

「ただ生きているだけでも、こうして槍玉に挙げられるーー。そんな当事者としての現状に胸を痛めつつ、足立区に住まわれている当事者の方々について想い、憤りも覚えました」

「例え、差別意識があったとしても、それを心の中で思うのは個人の自由。しかしながら公の場で議員の立場として、あのような発言をするのはあまりに不適切ですし、ご自身の活動されている地域に『どういった属性の人々が暮らしているのか』を知らなさすぎるのではないかと感じました」

今後、LGBTQを取り巻く社会や環境はどのように変化を遂げて欲しいのか尋ねてみると。

「ある特性を持っているからといって、その人の本来持つべき権利が阻害されてしまったり、誰かが『想定されていない』ことが大前提になってしまったりしないような世の中であって欲しいなと感じています」

「確かに少子化は対策を取らなければいけないことなのかもしれません。しかしながら、LGBTQ当事者であっても子どもを育てられている方はいらっしゃいますし、それが出来にくい世の中であれば、それに応じて法律や社会が変わっていけばいいことです。すべての人に生まれながらにして人権があって、そして私たちは『生き方』を選べる権利を持っています。自戒の意味も込めて、それを忘れないようにしたいな…と」

投稿後には「あなたはあなたのまま生きていていい」とツイートしています。

このニュースを見てショックを受けた皆さん、私たちは味方だし、わたしやあなたの存在を誰かに否定される筋合いはないし、あなたはあなたのまま生きていていい。あなたの人生や思想や存在は、誰からも侵害されてはならない大切なもの。もちろんそこにはあなたのセクシュアリティも含まれている。

みたらし加奈 / 新刊 『マインドトーク』発売中さんのTwitterより / Via Twitter: @mitarashikana

《このニュースを見てショックを受けた皆さん、私たちは味方だし、わたしやあなたの存在を誰かに否定される筋合いはないし、あなたはあなたのまま生きていていい。あなたの人生や思想や存在は、誰からも侵害されてはならない大切なもの。もちろんそこにはあなたのセクシュアリティも含まれている》

多くの方からポジティブな意見、そして批判の声が寄せられたと明かします。

「世の中には多種多様な意見が溢れていますし、思想を持つこと自体は個々人の自由だと感じています」

「ただやはり差別的であったり、誰かを傷付けようと意図されているアウトプットには、私はこれからも『NO』と声を上げ続けていきたいなと思っています。そしてその『NO』は、その方の人格や存在を否定するものではありません」

最後に、ニュースによって悲しい気持ちになった方へ。このようにメッセージを送ります。

#私たちはここにいる というハッシュタグの中には、温かいメッセージが溢れています。今回の一件に心が疲れてしまった方や傷ついてしまった方は、どうかそのハッシュタグを辿ってみてください」

〈みたらし加奈〉

1993年、東京都生まれ。臨床心理士。

SNSを通して、精神疾患の認知を広める活動をしている。

大学院卒業後は、総合病院の精神科にて勤務し、現在は、フリーランスの活動をメインに行っている。

女性のパートナーと共に「わがしChannel」というYoutubeチャンネルを運営。6月30日には初のエッセイ『マインドトーク-あなたと私の心の話』を出版した。

Contact Reona Hisamatsu at reona.hisamatsu@buzzfeed.com.

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