ネットフリックス、インドで低価格のモバイル限定プランを始動

    4月~6月の米国内契約者数が13万人減と発表したばかり。新興市場開拓の狙いは。

    ネットフリックスは17日、モバイル端末のみで視聴できる低価格プランをインドで新たに導入すると発表した。新しい料金プランは今後3ケ月以内に提供を開始する。株主に向けた書面で発表した。

    ネットフリックスは新プランについて「インド国内でより多くの新規ユーザーを呼び込むのに効果的であり、有料TVのARPU(1ユーザーあたりの平均売上高)が低い(5米ドル以下)インド市場でのさらなる事業拡大に向け、有効になるだろう」としている。月額料金は明言していないが、同社は今年3月から既にインドや一部のアジア諸国で、月額4米ドル(約450円)のモバイル限定プランを試験的に実施している。

    ネットフリックスはこの発表と同時に、2011年以来初めてアメリカ国内の契約者数が減少したことを明らかにした。同社によると、4月から6月の第2四半期で米国の契約者は13万人減少。理由として、料金の値上げと、顧客にとって魅力あるオリジナルコンテンツに欠けたことを挙げている。

    インドで低価格のサービスを提供して米国内での契約者数減を補う意図かとの質問には答えなかった。インド市場は価格に敏感なことで知られる。同社の方針に詳しい関係者は、インドにおける低価格プランの導入は米国内のユーザー減を受けた措置ではなく、数ケ月前から進めていた試験的な実施の結果によるものだろうとみる。

    ただ、この2点を同時に発表した事実からは、同社の現状がみてとれると専門家は指摘する。

    「ネットフリックスは新興市場で契約者数を伸ばしていく必要があります。インドはモバイル先行の国で、インターネットに初めて接する端末が携帯電話という人が多いのです。したがって、インドでモバイル限定プランがあれば、確実にユーザー数の増加につながるはずです」。テクノロジー関連の市場調査会社、カウンターポイント・リサーチでアナリストを務めるタルン・パタクはこのように述べる。

    データ料金が比較的安いインドでは、この2年間で動画配信サービス市場が急速に拡大している。

    ネットフリックスは競合他社と比較して料金設定が高いため、インド国内での存在感はまだ小さい。ライバルであるアマゾンPrime Videoやディズニー傘下のHotstarは、いずれも年間約15米ドル(約1600円)のプランを提供している。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan