地球平面説を主張していた男性、自作のロケットで墜落し死亡

    ロケットの打ち上げは番組制作のために行われた。「自分の人生では普通やらないようなことでも、その気になったら何でもできるのだと私は伝えたいのです」と男性は語っていた。

    地球は平らだという「地球平面説」を信じる男性が2月22日、自作ロケットの墜落事故で死亡した。

    「世界最大の命知らず」を自称していた元リムジンドライバーの「マッド」ことマイク・ヒューズは、蒸気の力で打ち上げるロケットに乗って約1500メートル上空まで上がる予定だったのだが、途中でパラシュートが落ちてしまった。

    James Quigg / AP

    2018年の「マッド」ことマイク・ヒューズ。

    フリーランスライターのジャスティン・チャップマンが、事故の瞬間を捉えた動画を投稿した。パラシュートがロケット打ち上げ直後に落ちているのが確認できる。

    その後しばらくしてヒューズの体が空中に投げ出された。見物人たちが息をのむ中、カリフォルニア州バーストー近くの砂漠に落下した。

    Mad Mike Hughes just launched himself in a self-made steam-powered rocket and crash landed. Very likely did not survive. #MadMike #MadMikeHughes

    ジャスティン・チャップマンが投稿した墜落の瞬間

    「搭載していた他の3つのパラシュートが開かないままロケットが急降下を始めてた時、見物していた多くの人が叫び、悲鳴を上げ始めました」とチャップマンはメールでBuzzFeed Newsに明かした。

    「ロケットが地面に落ちた時、その場にいた全ての人が茫然としていました」

    今回のロケット打ち上げは、アメリカの有料チャンネル「サイエンス・チャンネル」が「Homemade Astronauts(お手製宇宙飛行士)」という番組の制作のためだった。

    「ロケットの打ち上げは、ずっとヒューズの夢でした」とサイエンス・チャンネルは話している。

    ヒューズは2002年に、リンカーンタウンカー(リムジン)で約30メートルのジャンプを成功させ、リムジンの最長ランプジャンプのギネス世界記録を達成した。

    大気圏と宇宙空間の境目への到達を目指し、ヒューズはこれまでにロケットの開発を繰り返し行っていた。

    2018年には、ヒューズは約580メートル上空までの打ち上げに成功した。

    ヒューズは「地球平面説」を力強く主張しており、非常に多くの注目を集めていた。一部では、ロケットスタントに関心を向けるためだという声もある。

    自分は地球が平らであると信じており、それを証明するためロケットを打ち上げたいと2018年にAP通信に話している。

    「地球がフリスビーのような形をしているか、ですって?もちろん私はそう考えていますよ」

    「もちろん確信があるわけではないです。だから私は、ロケットで宇宙に行って自分の目で確かめたいんです」

    地球平面説は、あくまでも宣伝のため?

    事故当日、広報担当者が舞台裏を明らかにした。地球平面説は資金集めには役立ったが、ヒューズは実際に地球平面説を信じているわけではなかったとBuzzFeed Newsに話した。

    「私たちは地球平面説を、あくまでロケットのプロジェクトのPRとして使っていただけです」と、ヒューズの広報担当ダレン・シュスターが語った。

    「今回のロケットの打ち上げまでの数十年は、ヒューズは真に命知らずな人物でした。地球平面説を主張することは本当に宣伝になったので、そのまま続けたんです」

    「とはいえ、この地球平面説というのはあくまでジョークで、本当にヒューズが地球平面説を信じていたわけではないと分かっています」

    2019年7月、テレビ番組「フォックス・ビジネス」に出演したヒューズは、自身を「地球平面論者」と呼び、そして太陽と地球が1億4960万kmも離れているはずがないと話した。

    2019年8月、ヒューズはニュースサイト「Space.com」に、トランプ大統領に触発されてロケットの打ち上げを行ったと話した。また地球平面説を証明したいという願望が、自身の計画の動機であるという主張を、再度AP通信にも話していた。

    「私は地球が平らであると信じています」とヒューズは明言した。しかし、「地球が平らだということと、蒸気ロケットの打ち上げとは何の関係もありません」とも付け加えた。

    「これまでに関係したことはありませんし、今後も関係することは無いでしょう。私に怖い物などないのですから!」

    ヒューズはゼネコンのWaldo Stakesと協力して、蒸気で発車するロケットの開発を行っていた。打ち上げには毎回様々な問題が発生した。天候、土地管理局との紛争、そして技術的な課題により、打ち上げは何度もキャンセルされ、またスケジュールが変更された。

    Space.com によると、約1500メートル上空に到達するという前回の試みは、ヒーターの具合が悪かったために中止になったとのことだ。

    「こんなことをやっていたら、命が10個あっても足りませんね」とヒューズは2018年にAPに話している。

    サイエンス・チャンネルが投稿したプロモーションビデオでは、「最高速度は時速約680キロほどになると思います」とヒューズは話している。

    「なんでこういうことをするのかと、多くの人に聞かれます」

    「主な目的としては、自分の人生では普通やらないようなことでも、その気になったら何でもできるのだと私は伝えたいのです」

    「そして私のロケットの打ち上げを見た人が、自分の人生では普通やらないようなことをやってみようと思ったり、また励みになったりしたら嬉しいですね」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。