アメリカ・シカゴで起きたデモ 18歳女性が警察に顔面を殴られ歯を数本折る怪我を負う

    7月17日、アメリカ・シカゴで18歳のデモ参加者が警官に殴られ、歯を数本折る怪我を負った。被害女性は、高校を卒業したばかりだった。

    7月17日の夜、シカゴ市警察の警官が、18歳の女性の顔を殴る様子をカメラが捉えた。

    女性は、殴られた衝撃で歯が数本折れる怪我を負った。

    暴行があったのは、黒人と先住民の若者による抗議デモの最中だった。

    被害者のミラクル・ボイドさん(18)は、シカゴの社会運動家集団グッドキッズ・マッドシティーの一員だ。

    ボイドさんは、市内のグラント・パークでデモ参加に向けた演説を終え、帰宅しようとしていた。

    しかし、どこからか花火が打ちあがる大きな音が聞こえたという。ボイドさんは、Facebookのライブストリームで録画を始め、音のする方へ急いだ。

    「警官らがある白人女性を警棒で殴っている様子が目に入りました」とボイドさんは現場の様子を振り返った。

    「私は、人々に危害を加えている警官の様子を撮影しなくてはと思い、カメラを向けました」

    ボイドさんが撮影した動画には、警官が彼女の手からスマートフォンを叩き落しているところが映っている。

    その後、ボイドさんはある警官に顔を殴られ、歯を数本折る怪我を負った。

    .@chicagosmayor we now have the video of Miracle being sucker punched by CPD! They don’t keep us safe! While they’re attacking a 2020 CPS graduates downtown, children were being shot tonight! A pregnant Womxn was shot & a 14 & 15y/o! You need to #DefundCPD now!

    ボイドさんが警察に殴られる瞬間。動画開始5秒あたり。

    「ものすごく口が痛かった」とボイドさんは殴られたときを振り返る。

    「私は歯が折れたと感じ、気が変になりそうになりました」

    「『立ち去る』と警官に言ってから、歯を折られるまで5分しか経っていなかったと思います」

    彼女の撮影した動画には、彼女を「攻撃者だ」と非難するコメントも見受けられる。

    これに対し、自分が警官に向かって叫んだからではないか、とボイドさん考える。

    しかし、今まで1度も警官を殴ったり、警官に物を投げつけたりしたことはない、とボイドさんは語った。

    彼女は、警官たちに向かって叫んだことは認めるとした上で、自分に暴行を加えた警官は、自分が口論をしていなかった警官だった、と主張した。

    WE ARE SO FUCKING ANGRY!!! OUR MEMBER MIRACLE WAS BEATEN UP BY THE POLICE TONIGHT AND THEY STOLE HER PHONE!!! .@chicagosmayor A RECENT CPS GRADUATE WAS ATTACKED BY CPD! SHE DIDNT DO ANYTHING WRONG! THIS IS HOW YOU TREAT BLACK GIRLS!? Justice for Miracle!!! #DefundCPD

    グッドキッズ・マッドシティーがツイートした暴行後のボイドさんの写真。歯が欠け、口から血を流して泣いている様子が写っている。

    銃による暴力への抗議や、シカゴで黒人と中南米系の人々が多く住む地域の学校に資金提供を求める運動など、ボイドさんはこの3年間、社会的活動に関わってきた。

    ボイドさんは先月高校を卒業したばかりで、ロバート・ピーターズ州上院議員の事務所でインターシップの誘いがあったばかりだった。

    「悲しく、腹が立ち、うんざりしている」とピーターズ州上院議員はツイッターに呟いた。

    殴られた後の彼女の写真は、オンライン上で広く共有され、多くの人々が起きた事に激しい怒りを表明していた。

    ボイドさんの掛かった医療費を支援するクラウドファンディングには、8万ドル(約850万円)を超える募金が集まった。

    「私はこれを自分のことにしたくありません。なぜなら、これは私たち全員が闘っている闘いであり、私は1人でやっているわけではないからです」とボイドさんは語る。

    その支援には感謝しているが、スポットライトが自分に当たることは望んでいない、と彼女は続けた。

    「黒人や中南米系の人々が暮らすコミュニティーの中には、変える必要があるものが多々あります。自分の身の回りの人々を良くするために、出来る限りのことをするつもりです」

    デモ参加者らの中には、クリストファー・コロンブスの記念碑を倒そうとした者もいた。

    目撃者によると、デモ参加者は警官から催涙スプレーをかけられたり、木製の警棒で殴られたりしていたという。

    NBCシカゴによると、このデモで少なくとも12人が逮捕されたという。

    This is Lori Lightfoot’s Chicago @chicagosmayor @LoriLightfoot

    警官がデモ参加者を自転車から突き落とす様子。

    ボイドさんを巻き込んだ事件の取り調べを開始した、とシカゴ市警察(CPF)はBuzzFeed Newsに語った。

    「CPDでは、我々の警察官が関わったあらゆる人々に、敬意を持って対応するように努力しています」

    「我々はいかなる種類の違法行為も容認しません。そして、いかなる違法行為も発見されれば、警官には説明責任があります」

    警官の名前は公表されなかった。石や花火で攻撃を受けた後、18人の警官が怪我をした、とCPDはCNNに語った

    7月18日、シカゴのローリ・ライトフット市長は「7月17日の夜、警察による過度な暴力が数件、デモ参加者から報告されていたことを認識した」と述べた

    ライトフット市長の事務所は、コメント要請に即答はしなかった。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。