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今の運転支援技術ってどこまでできるんですか? 詳しい人に聞いてきた。

日産自動車の「中の人」に、素人でもわかるように説明してもらいました。

テレビやネットでよく聞く、運転支援技術の話。いま何ができるのか、わかるようで、わからない。

だったら専門家に教えてもらおうということで、日産自動車「新型スカイライン」のチーフマーケティングマネージャーをされている丸地隆史さんに話を聞きました。

Sadato Ishizuka / Via sadapoto.com

丸地隆史さん

スカイラインといえば、スポーティな走りが人気の車種ですが、この新型スカイラインで注目されているのが、世界初となる運転支援技術「プロパイロット 2.0」だと言います。

まずは何がすごいのかを聞いてみた。

ーーいきなりですが、世界初の運転支援技術って何がすごいんですか?

丸地さん:ひとことで言うと、カーナビと連動して高速道路での走行を支援する「インテリジェント高速道路ルート走行機能」です。いくつかの機能を組み合わせて実現しています。

丸地さん:具体的には、同一車線内でハンドルやペダルから手足を離した状態で運転を支援するハンズオフ機能があります。

また、前方に制限速度以下で走る車を認識すると、ドライバーに「追い越ししますか?」と提案し、車線変更も支援してくれます。

ーー追い越しをしたいとき、ドライバーはどうするんですか?

丸地さん:ハンドルを持った状態でボタンを押して承認すると、ウィンカーを出し、ハンドルを切って車線を変更し、遅い車を追い越してくれます。元の車線に戻るときにも提案してくれるので、承認すれば元の車線に戻ることができます。

ーー運転の難しい分岐や出口ではどうなるのでしょうか?

丸地さん:ジャンクションでほかの高速道路に乗り換えたり、高速道路の出口に向かうなど、道路の分岐に差し掛かった際にも、カーナビのルートに応じて提案してくれます。

この「追い越し時の車線変更」と「ルート走行中の車線変更と分岐」を支援する機能は、どちらも日本初の技術です。それらと「同一車線内ハンズオフ機能」を組み合わせたのが「インテリジェント高速道路ルート走行機能」でして、世界で初めて日産自動車がこのパッケージを実現しました。

車線変更のときのプロパイロット 2.0の動き。ドライバーが承認すると車線変更してくれる

どうやって制御してるの?

ーー高速道路の走行が快適になりそうですが、どういう仕組みで実現してるんですか?

丸地さん:キーとなる技術がいくつかあります。今回の最大のポイントは日本初の「3D高精度地図データ」を使っていることです。これが1つ目。

2つ目の技術は、道路上の白線や標識、周辺の車両を360度検知する「360度センシング技術」です。車に取り付けた7個のカメラ、 5個のレーダー、 12個のソナーで周囲を検知しています。

3つ目の技術は、道路上のリアルタイムな状況や運転支援の提案をわかりやすく伝える「インテリジェントインターフェイス」です。周囲の交通状況を判断し、システムが車線変更のタイミングを提案します。

3つの先端技術で「プロパイロット 2.0」を実現している

ーー3D高精度地図データは、一般的なカーナビの地図と何が違うんですか?

丸地さん:一般的なカーナビの地図は平面の情報ですが、3D高精度地図データは車線の数や線の色、道路の形状や傾き、カーブの曲率、看板の情報(制限速度の情報)といった、高速道路上のあらゆる情報を盛り込んでいるんです。

3D高精度地図データとGPS、カメラを組み合わせることによって、道路上のどこを走っているのかを誤差が左右5センチ以内という高精度で把握し、高速道路の制限速度内でハンズオフ状態の走行をしても車線の真ん中をピタッと走行するように制御しています。

ーー誤差が5センチ以内! 3D高精度地図データの内容は、どのように確認しているんですか?

丸地さん:日産自動車のエンジニアが、日本のすべての高速道路を走行してチェックしました。このデータをもとに、どこでハンズオフを可能にするか、制限するかを細かく設定しています。新しい高速道路ができたときも、すべて実走して地図データをアップデートしていきます。

対面通行の区間や急カーブなど、安全面を考慮し、一部ハンズオフの使用を制限している場所もある

運転支援モードで居眠りしたら…? システムエラーが起きたら…?

ーープロパイロット 2.0は「運転支援技術」と呼んでいますが、「自動運転」とは違うのでしょうか?

丸地さん:プロパイロット 2.0は、運転を完全に自動車任せにできるという意味の「自動運転」を実現する技術ではありません。あくまでも責任はドライバーにあり、プロパイロット 2.0はドライバーを支援することで、ドライブをより安全に、楽しく快適にするという位置づけです。

なので、ハンズオフの運転中でも常に前方に注意して、危険を察知したらいつでも自分で運転できる状態に復帰できなければなりませんし、ハンズオフに適さない状況ではハンドルに手を添えた状態で運転支援を利用していただくことになります。

プロパイロット 2.0はいつでもドライバーの操作を優先するので、危険を察知してドライバーがハンドルを切ったり、ブレーキを踏んだ場合にはプロパイロット 2.0が解除されたり、運転支援を一時的に中断する待機状態になります。

ハンドルやペダルを操作するとすぐに自分自身での運転に切り替えられる

ーーひとつ心配なのが、ハンズオフの状態ではドライバーがハンドルやペダルの操作をしないので、眠くなってしまいそうです…。

丸地さん:プロパイロット 2.0は「ドライバーモニター」という赤外線カメラを搭載していて、ドライバーの顔の向きや目の開閉状況をモニタリングしています。顔が正面を向いていなかったり、目が閉じている状況が続くと、このドライバーモニターが警報音を発する仕組みです。

もしドライバーが警報に反応しないまま走行が続くと、ハザードランプを点灯して減速して停止します。急な体調不良で運転不能になることも考えられますので、車が停止するとオペレーターに接続し、必要に応じて救援要請をする場合もあります。

ーー万が一システムエラーが起きて、ドライバーが危ない思いをすることはないのでしょうか?

丸地さん:そうしたご心配にも私たちは対応していて、プロパイロット 2.0によって制御されるステアリング、ブレーキ、コンピューター、電源系統など必要な部品は二重で搭載しています。何か部品に不具合があればすぐにバックアップ系統に移すことで、安全に運転支援できる仕組みを実現しています。

運転好きな人にとっては退屈にならない?

ーー運転に自信がない人にはうれしい反面、運転が好きな人にとっては退屈してしまいそうです。

丸地さん: どんなに運転が好きな方でも、渋滞や長距離移動などあらゆる道路状況で運転が楽しいと感じたり、1日中運転していても楽しめる方は少ないのではないでしょうか。

プロパイロット 2.0は、ドライバーの気分や目的、道路状況に応じて“自分で運転する喜びを味わう”と“クルマにサポートしてもらう安心感”という新しい選択の自由を生み出すものなのです。

Sadato Ishizuka / Via sadapoto.com

ーー運転の疲労やストレスが減ることで、車で出かける自由度が広がりそうです。

丸地さん:スカイラインはこれまでのモデルでも常に最先端の技術を搭載し、“技術の日産”を象徴する1台として愛されてきました。最新モデルでは、これまで追求してきた「運転する楽しさ」に加えて、プロパイロット 2.0を加えた「新しいドライブの楽しさ」を創出したいと考えています。

日産自動車は20年以上にわたり運転支援技術を牽引し、数多くの「世界初」の技術を生み出してきました。プロパイロット 2.0はこれまでの開発の上に実現した、世界最高峰の運転支援技術であり、ドライブをより快適で、より楽しいものにできるよう、技術開発の挑戦を続けていきたいと思います。

日産自動車は「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進しており、排出ガスをゼロにする「ゼロ・エミッション」と、交通死亡事故をゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」を両輪として取り組んでいます。

それにより、人々の生活をより豊かにしていきたいと強く思っています。

今回詳しく話を伺った先進運転支援技術、プロパイロット 2.0は「2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー イノベーション部門賞」をはじめ、「RJCテクノロジーオブザイヤー」、「日本自動車殿堂カーテクノロジーオブザイヤー」を合わせ、トリプル受賞を果たした。

Photos by 石塚定人 for BuzzFeed