Updated on 2018年8月15日. Posted on 2018年8月13日

    「掃除力があれば、高くても売れる」日本で掃除機を売りまくった男が語る

    世界で一番シビアな日本の家電市場でどう戦うか、社長に聞いた

    突然ですが、この人知ってますか?

    Natsuko Abe/BuzzFeed

    家電業界では超有名人、ダイソン ジャパンの初代社長で、エレクトロラックスジャパン、ボダムジャパンの社長も歴任したゴードン・トムさんです。

    60歳を過ぎて、お仕事から引退、そのあとはスウエーデンの森の中にある別荘で奥様と悠々自適の生活を送っていました。

    それが今、なぜかまた日本で掃除機を売っています。

    アメリカでダイソンより売れた掃除機

    ゴードンさんは今年、アメリカの家電メーカー、シャークニンジャの日本法人 社長に就任しました。スウェーデンの森に豪邸があるのに、なぜ酷暑の東京に戻ってきたのでしょう。

    「一言で言えば、出会ってしまったからです。シャークニンジャの掃除機だったら日本でシェア1位を取れる、そう確信して、再びのチャレンジを決めました」

    Natsuko Abe/BuzzFeed

    現在、日本にはたくさんの掃除機メーカーがありますし、何よりゴードンさん自身が日本で展開したダイソンが王者として君臨しています。

    「ダイソンが人気なのは、アメリカでも一緒です。

    しかし、シャークニンジャの掃除機は2014年にダイソンを抜いてトップシェアを獲得しました。シャークニンジャの掃除機はそれくらいのパワーを持っています」

    日本の消費者は世界で一番厳しい

    Natsuko Abe/BuzzFeed

    「世界中で製品を販売しているメーカーであっても、日本向けの製品は特別なラインで作ることがあります。

    それくらい日本人の要求は高いものです。

    でも、だからこそ面白いし、私は日本の家電マーケットが大好きなのです。日本で高い評価を得た製品は、世界中どこに行っても通用します」

    Natsuko Abe/BuzzFeed / Via 左が米国市場で展開していたモデル、右が日本向けに改良したモデル。サイズなどが全く違う

    そんな厳しい市場で、もう一度戦うことを決めたのは、モノを作るメーカーとしての、シャークニンジャの姿勢を評価したからだと言います。

    「これまでの経験から、海外でどんなに売れた製品であろうと、日本市場で勝負するためには“日本市場に特化した製品”でなければダメだとわかっていました。

    2017年の1月に米国・ボストンでシャークニンジャのCEOであるMark Rosenzweig氏に会った時もそのことを最初に伝えました。

    彼はその趣旨を理解してくれ、日本チームからのリクエストに可能な限り対応すると約束してくれました」

    たった2ヶ月で製品を作り上げた

    その後、市場調査などを重ね、2017年3月に再びボストンに行き、製品の細かい仕様について山ほどの要望を伝えたました。

    「驚くべきは、そのスピード感です。

    2ヶ月後の5月にはデモ機が完成し、日本のモニター50人に製品を使ってもらいました。

    海外の家電を日本向けに改良するという仕事は、これまで何度もやってきましたが、ここまで素早い対応は初めてでした」

    Natsuko Abe/BuzzFeed / Via 左が日本向け、右が米国市場向けのモデル。ヘッドの大きさも全く違います

    米国で既に発売しているコードレススティッククリーナーを改良したそうですが、リクエストに全て対応したことで、全く違う製品に生まれ変わっています。

    その細かさはボタンの表示にまで及びます。

    「シャークニンジャのスイッチは大きく、どこを押しても反応する、とても操作性の高いものです。

    しかし、スイッチを示すマークが上の方に配置されていました。

    そのマークを下に移動させることで、アメリカ人に比べて小さい、日本人の手でも片手で十分操作できるということをわかってもらえます」

    Natsuko Abe/BuzzFeed

    トップシェアを獲る

    Natsuko Abe/BuzzFeed / Via 屈まなくても家具の下が掃除できるなど独自の機構を採用しています

    日本で発売したコードレスクリーナーは6万円台の価格帯が中心で、アメリカで展開しているシャークニンジャの製品より高い価格設定です。

    「掃除機にとって一番重要なのは、掃除力であって価格ではない。

    日本市場で、ダイソンがトップシェアをとっているということからも、この点は明確です。

    シャークニンジャのクリーナーはダイソンにも負けない掃除力を目指して開発しました。

    価格を決めたのは一番最後です。我々が狙っているのはあくまでトップシェアです」

    ゴードンさんの新たなチャレンジは始まったばかりです。