ネスレと佐川がスタートする新サービス「MACHI ECO便」は、配送業界のウーバーになるか
シニア世代の収入源にもなる、全く新しい配送サービス
配送業界の問題を解決する全く新しいサービス
ネスレ日本は、佐川急便と共同で新たな宅配サービス「MACHI ECO便」をスタートすることを発表しました。

一般ユーザーの自宅をストックポイントとしたこれまでにないサービスで、ネスレ日本の高岡浩三社長は、「配送業界の問題を解決するリソースの1つになる」と大きな期待を寄せます。
一般ユーザーに協力してもらい「ストックポイント」を作る

「MACHI ECO便」は、「ECO HUB(エコハブ)」と呼ばれるストックポイントを各地域に設置、サービス利用者は「ECO HUBに商品を取りに行く」もしくは「ECO HUBから商品を配達してもらう」のいずれかを選択、「商品を取りに行く」場合は、商品代金から割引を受けることができるというものです。
ラストワンマイルの配送荷物をできるだけ1つにまとめることで、配送業者の手間を大きく減らすことができます。
人材不足でもシニア世代はたくさんいる

もっとも大きなポイントは、ストックポイントである「ECO HUB」を一般ユーザーから募り、協力者には手数料を支払うというところです。
シニア世代や店舗経営をする個人事業主など、様々なケースを想定しています。
「人材不足が問題視されていますが、このサービスに関するリクルーティングは簡単です。社会問題解決に貢献したいと考えているシニア世代はたくさんいます」(高岡社長)
“新しい現実”は変えられない
高岡社長は、変化を遂げる日本社会を「新しい現実」と表現。時代のニーズにあった戦略を立てない限り、継続的な成長は不可能だと話しました。
「日本の全世帯で、過半数が収入のない世帯(年金受給者、非労働者)であり、労働者世帯を上回りました。この状況で、財布の紐が緩むはずがない、デフレが解決するはずがない、これが『新しい現実』です。
一方、共働き世帯が激増する中で、家庭外の消費が増えている。これも『新しい現実』です」

「そこで取り組んで来たのが、Eコマースへの注力です。現在ネスレの定期便サービスを利用している人は約90万人、年内には100万人に達する見込みです。
ヤマトクライシスに端を発した配送業界の問題は、その成長を大きく妨げるできことです。この問題がクリアできなければ売り上げや利益に期待できない。そこで、提案するのがMACHI ECO便です」
MACHI ECO便は配送業界のウーバーになり得るか

高岡社長は、今回のサービスを非常に画期的なもので「配送業界におけるウーバー」と表現。
「今回の取り組みは、社会的な問題解決のイノベーションになり得る。現在の物流問題に一石を投じることになるだろう」と話します。
サービスの運営は、新たに設立する「株式会社 MACHI ECO」が行い、ファンケル、P&G、LUPICIAなどの企業との連携も予定しています。2025年末までにサービス利用者100万人を目指すとしています。