「ファットスーツ」を着るなら、太った役者をキャスティングすべき? 議論の的になった女優が語る

    「ファットフォビア(太っていること・人への嫌悪)は確かに存在します。見ないふりをするのは、さらなる弊害をもたらすと思います」「しかし、すべての責任が役者にあるとは思えません」

    『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズや、『オーシャンズ8』出演のサラ・ポールソン。

    Matt Winkelmeyer / Getty Images

    アメリカで実際に起きた事件を描くテレビドラマ『アメリカン・クライム・ストーリー』の新シリーズ「Impeachment: American Crime Story(原題)」で、サラ・ポールソンはリンダ・トリップの役を演じています。

    リンダ・トリップは、第42代米大統領クリントン氏のスキャンダル騒動で、証拠テープを提出するなど重要な役割を果たしたホワイトハウス職員です。

    Georges De Keerle / Getty Images

    実物のリンダ・トリップ

    実際のリンダの容姿に近づけるため、サラは体重を約14キロ増やし、服の下にパッドをつけて撮影に臨んだそうです。

    FX

    しかし、この「ファットスーツ(体のサイズを上げるパッド)」着用が、SNSで物議を醸しました。

    「サラ・ポールソンは好きだけど、ファットスーツは(太っている役者の)個性を奪う。大柄な役者を雇えばいいのに」

    @TheFilmUpdates I like Sarah Paulson but far suits are dehumanizing. Hire fat actors.

    Twitter: @bluestockinsara

    「ファットフォビア(太っていることへの嫌悪)」がまだ根深いハリウッド業界。痩せている役者がファットスーツを着用してしまうと、他の体型の役者の出る幕がなくなってしまうのでは、と声が上がっています。

    これについてサラは「言い訳がましくならずに、ファットスーツの件について話すのは難しい」としながらも、ロサンゼルス・タイムズに次のように語っています。

    FX

    「役者のファットスーツ着用について、これまでたくさんの議論がなされてきました。私は、その議論は正当なものだと思います」

    「ファットフォビアは確かに存在します。見ないふりをするのは、さらなる弊害をもたらすと思います」

    「しかし、すべての責任が役者にあるとは思えません。役者にとってその役を引き受けるのは、一生に一度ともいえる挑戦ですから」

    FX

    「ある役にキャスティングされるときに、肉体的な理由だけで選ばれるとすると、役者が提供できる可能性を減らしてしまう結果になると思います」

    「私は、その役を演じるにふさわしい何かが『私自身の中』にあると信じたい」

    「私はリンダ役を断るべきだったのでしょうか?」

    FX

    「私がいちばん後悔しているのは、『もっとしっかり考えておけばよかった』という点です」

    「(たとえばファットフォビアの問題などについて)座ってじっくり考えたり、反省したり、何か実行したりできる機会があるのは、この仕事の特権だと思うからです」

    「(ファットスーツの議論について)知っているべきだった?もちろんそうです」

    FX

    「でも今は知っています。その上で、今後も(深く考えずに役を引き受けるという)同じ選択をすることはないでしょう」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子