ライターのヨッピーさんに「会社員やりながら“生産する趣味”を持つのが最強」という話を聞いてきた

    「いつでも辞めたるわ!」って言えるようにね。

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    ライターのヨッピーさんが初の書籍『明日クビになっても大丈夫!』を出しました。本の著者というのは宣伝がてらにたくさんインタビューを受けるものなのですが、この記事もその1つ。

    なぜかBuzzFeedオフィスの目の前にある釣り堀で、ヨッピーさんと働き方について語り合ってきました。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    弁慶橋の釣り堀は都会のオアシス。

    会社はすぐに辞めちゃダメ。

    鳴海:本、読みました。「明日クビになっても大丈夫!」というタイトルからは、みんな会社を辞めてどんどん行動を起こそうぜ、みたいな内容を想像しますけど、ちょっと違いますね。「ここまで準備しないと、辞めちゃダメだよ」みたいな、むしろストップかけてる。

    ヨッピー:

    そういう「煽る本」ってたくさんあるんですけど、全部極端だなって僕は思ってて。「起業か?それとも社畜か?」なんて極端すぎるでしょ。もっと賢いというか、ズルいやりかたはあるはず。わ、もうエサがない、まじか。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    鳴海:ここの釣り堀、相当難しいですよ。

    ヨッピー:これちょっと浮きが深い気がするな。僕、サラリーマンはモチベーションの持ち方によって3種類に分けられると思ってて、「イケイケ層」と「ヒケヒケ層」と、あとはフワフワしてる「フワフワ層」の3つ。

    イケイケ層はいわゆる「よし!俺は出世してビッグになるぜ!」「起業するぜ!」みたいな人たち。ヒケヒケ層は仕事そのものに消極的な人。で、圧倒的多数なのがフワフワ層だと思うんですよね。「仕事はそんなに楽しくないけど、辞めるほどでもないな」みたいな感じ。

    図にするとこんな感じです。

    narumi / BuzzFeed

    一応、あとで会議室で図にしてもらった。

    フワフワ層だけ置き去りにされてない?

    鳴海:フワフワ、めっちゃ多いんですね。何も考えずに何となく生きてるという人。

    ヨッピー:そう、何となくなんです。「まぁいっか」ぐらいで淡々と働いてる。僕も元々サラリーマンだったし、フワフワ層だったのでわかるんですが、そういう人が本当は圧倒的に多いはずなんですよね。でもいまある自己啓発系の本ってイケイケ層向けに書かれてる気がするんですよ。

    で、ヒケヒケ層には家入一真さんとかphaさんとかが本出してるじゃないですか。でも、フワフワ層だけが置き去りにされてるんちゃうかなって思って。ここの大きな空白地帯を盛り上げないと日本の社会は盛り上がらないわけですよ。

    だからこういう人たちに生き甲斐だとか、楽しさみたいなものを持ってもらうのがいいなって思う。僕もここだったし、何となくフワフワ生きてる層の人たちに届くといいなって思って書いたんです。

    だってイケイケ層の人たちはやっぱり、言うことが極端なんですよ。「社畜なんか辞めちまえ」、「好きなことで生きよう」って。

    でも会社ってそんな簡単に辞められないじゃないですか。辞めたからって成功する保証もないし、失敗したところで誰も責任取ってくれないじゃないですか、煽るだけ煽るくせに別に責任取ってくれるわけでもないし…。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    イケイケでもヒケヒケでもなく、ふわっとした気持ちで始めたって良いじゃないですか。そもそもサラリーマン辞めなくたっていいと思うんです、僕。

    鳴海:そうすると最初は副業でも全然いい。

    ヨッピー:

    そう。なんとなくフワフワしてるだけだったら流石にちょっとつまらないから、サラリーマンはサラリーマンで続けておいて、もう1つ何か自分の好きなものを見つけたほうがいいんじゃない?ってのを言いたかった。

    僕の周りにもたくさん元サラリーマンのクリエイターがいるんですよ。たとえば、鴻池剛くん。

    鳴海:あの犬の漫画を描かれている。

    ヨッピー:猫です。超大人気ですよ。シリーズ合計100万部超えてるのかな。そんなレベルのやつですら、最初はサラリーマンやりながらTwitterで漫画描いてたんですよね。

    鴻池 剛 / Via amzn.to

    すみません。猫でした。

    あとアフロマンスっていうやつがいるんですよ。「泡パ」とかいうイベントやってるんですけど、あいつも元は博報堂のサラリーマンで、会社員をやりながら副業でイベントをやってて、それが軌道に乗っていまでは本業。それならリスクないじゃないですか。

    鳴海:プライベートがかなり忙しくなっちゃうぐらい。

    楽しいことなら会社員と並行してできる

    ヨッピー:そう、時間的なリスクはあるけど、時間なんて楽しければ帳消しにできるんですよね。時間と楽しさはバーターなんで、楽しけりゃいいんですよ。僕も実際サラリーマンやりながらオモコロで書いてたときは時間的なリスクってのは、ものすごくありましたよ。

    土日まで潰して何やってんやろみたいに思いました。でも楽しかったからいいやって帳消しなんですよね。それを続けてるうちにお金になり始めたというのがあって。

    鳴海:そもそも楽しいと感じなかったら時間を割けないですからね。

    ヨッピー:そうなんですよ。だからフワフワ層には焦ってわけわからんことに手を出さないでほしい。煽られて、自分が楽しくもないことに会社辞めて突っ込むのはリスキーですよやっぱり。

    「会社辞めて自由になります」「ブログで生きていきます」みたいなこと言う人たちって、めちゃくちゃ不自由な記事を書いてるわけですよ。「今月はいくら儲かりました」とか「サロンやります」とかね。それで集客し続けないと生きていけない。お前、それ全然自由じゃないやんって思う。

    それでネットでもボロカスに叩かれたりするし、自由にやってるように見えないじゃないですか。まあ自由ってのは人によって違うから本人が良いならいいんですけどね。うわー、まじで全然釣れへん。

    鳴海:釣れないですね。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    ヨッピー:これ、餌の大きさが違うのかな。

    鳴海:ここの魚は口がちっちゃいんで、あまり大きな餌付けるとつんつんやるだけで。

    ヨッピー:でも1つだけ、僕も脅すようであれなんですけど、このフワフワ層に届けたいことがあって、それはやっぱり、「フワフワ層も今後は危ないよ」ってのは言っておきたいんですよね。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    とはいえフワフワ層、ヤバい説。

    ヨッピー:これは嫌がらせで言うわけじゃないですけど、もう終身雇用はないじゃないですか、残念ながら。フワフワしたまま40歳を超えていきなり首切られる可能性が出てきちゃう。社会も変わってきてるし、外資系の企業もどんどん入ってくると、そんな中でフワフワしたままだとしんどいかもしれんよってのはある。

    でもこれが自分の副業みたいなものを持ってるだけで全然違うんですよね。たとえばバズフィードのライターに応募してきた人が、「自分、ライター向いてると思います。ただ未経験でブログとかも全然やってません」だと、絶対雇わないじゃないですか。

    これが仮に本業がお花屋さんやとしても、「私、実はブログをずっとやってて、お花ブログで月30万PVくらいはあります」って言われたら、少なくとも「ちょっとお話聞かせて?」ってなるでしょ。

    鳴海:それはなる。

    ヨッピー:だから副業、あるいは趣味があることによって、仮にお花屋が潰れたって「お花屋のメディアやってました」って言ったらメディア業界どこか行ける可能性があると思う。

    この副業をいろいろやるってことは1つのリスクヘッジになるよって。むしろこういうのやってなきゃまずいんじゃないの。そういうのを言いたいですね。

    鳴海:手始めに自分の本業や趣味にプラスして、「◯◯ × 情報発信」みたいなことを考えてみると良さそうですね。

    ヨッピー:そう、本当に。一番大事なのは発信ですよ。1つの趣味を発展させる方向性として正しいと思う。みんな趣味はあるじゃないですか。海外旅行に行くのが好きっていう人いるじゃないですか。

    こういう人が海外旅行に行くだけでお金になればいいなって思いますけど、それは土台無理な話じゃないですか。でもこれに1つ、「発信」ってのをくっつけるだけでいいんですよね。別にインスタグラムでもいいしブログでもいいし、何でもいいんですけど。

    海外旅行は安易すぎるっちゃ安易すぎるんですけど、でもそれをちゃんと発信して、「どこそこに行ってきたレポートを書きました」ってインスタグラムとかTwitterに載せてると、いつの間にか副業に生まれ変わる可能性があるわけです。

    どうせやるなら、「生産する趣味」がいい

    ヨッピー:これを僕は、「消費する趣味」と「生産する趣味」と呼んでいます。みんな消費に偏重してるんですよ、いま。これを生産につくり変えればいいだけです。発信をくっつけることで生産型に変わるんですね。

    はあちゅうさんが言ってたんですけど、あの人、学生の頃にスポンサーを集めて世界一周してたんですよね。でも、偉いのが、世界一周しましたって人は世の中にたくさんいるんですけど、そこでスポンサーを募って集めて、それをブログに発信して最後に本にまで落とし込んでるところ。

    そこがすごいのであって、世界一周がすごいわけじゃないんですよ。だから発信をないがしろにしてはいけないと。

    鳴海:食べもの好きだったら、グルメブログやればいいし。ゲーム好きだったらゲーム実況やればいいし。いまは何でもできますから。

    ヨッピー:そうそう。別にブログやSNS以外でも、勉強会やるとかサークル作るとかでも良いんですよ。人が集まるものであれば。いまの趣味って全部お金に変わるんですよ。でも変えようと思ってる人はそんなにいない。

    ただまあ、別に仮に変わらなくたっていいんですよ。海外旅行に行って、こうブログ記事を書いたとして、月に1万PVしかいかない、そんなお金にならないと。それはそれで別にいいんですよ。

    だってそれを書くことによって、新しい知り合いは増えるでしょ。読者から情報も入ってくるじゃないですか、それで新しいコミュニティに新しい知り合いができて発展していったりするわけじゃないですか。そうすると今度はその人たちに見られることを意識して書くから、だんだん書き方もブラッシュアップされて、上手くなっていく。

    鳴海:一度生産する趣味を覚えちゃうと、もうそっちしかできないですよね、あまりに楽しくて。

    ヨッピー:それは本当にそう。そっちのほうが明らかに楽しいんですよ。確かにすこしの面倒臭さはあるんですけど、ちょっともったいないですよね。

    元商社マン?だったヨッピーさん

    鳴海:ヨッピーさんってフリーランスのライターになる前は商社に勤めるサラリーマンだったんですよね。ライターとして成功して、講演とかしゃべる仕事も上手い。本当は会社員としても相当優秀だったんじゃないんですか。

    ヨッピー:いや全然仕事できなかったですよ! 本当にできなかった。でもライターの仕事をしてる上で、サラリーマンの経験が活きてる部分はありますね。予算の交渉するときにその人がいくら決裁権限持ってるのか聞くんですよね。いくらまでだったらいけんの? と。

    鳴海:はっきり聞いちゃうんだ。

    ヨッピー:そう、いくら以上だと部長の決裁がいるとかわかってくると、そこは面倒くさいから、このぐらいで何か考えましょうかと。あとたまにあるんですけど、口うるさい上司とか現れるじゃないですか。書いた原稿にできるだけ修正かけられたくないときはダミーのひどい文言をあらかじめ入れておく。

    「アホ」とか「バカ」とか書いておいたら、口うるさい上司はそれを見て「これを消せ」って言ってくるわけですよ。こっちは最初から別にそんなのいらないんですけど、上司がそこに気を取られてほかの部分が通りやすくなるとかね。

    鳴海:なるほど、おとりを仕掛けておくんですね。

    ヨッピー:そういうのはやっぱサラリーマン時代の知恵ではあるなと思ってて、だからいま、サラリーマンの人たちが……。お、釣れた? あー、だめだ。

    鳴海:

    だから意外と難しいんですよ。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    会社員が月収3万円アップするのは難しいけど

    ヨッピー:いまサラリーマンやってる人たちも、やろうと思えば、たとえばライターの仕事はできるんちゃうかなって。何となくハードル高そうな感じをみなさん持ってそうですけど。

    鳴海:でもやってみない人、多いですよね、そもそも。

    ヨッピー:サラリーマン辞めてからそれはすごい思ったんですよね。お金稼ぐのって別にそんな難しいことじゃないなって。サラリーマンとして月の収入30万円を33万円に、10%上げるのってめっちゃ大変じゃないですか、上司に媚びを売りへつらい、飲み会にも出て積極的に残業してってやって、それを3年やってやっと上がるのが3万円っていう数字じゃないですか。

    でもフリーランスで10%収入上げるってたいして難しくないんですよ。仕事量増やすとか口先三寸でゴネてみるとか。そんな感覚に会社を辞めてからやっと気づいたところがあるんで、もっとみんなそういうのを知っておけば、逃げ道にもなるはず。

    鳴海:本当にそうですね。副業で月3万円でも5万円でもあると、「別に毎年昇級しなくていいや」って思いますよね。そうすると毎日がもっと気楽になる。

    ヨッピー:僕、それが理想的やと思うんですよね。サラリーマンはしてるけど、副業として何か自分の趣味を実益に活かして、ちょっと毎月小遣いを稼いでるみたいな暮らし方が一番いいんじゃないかなと。会社員ブロガーみたいな人が現代の勝ち組だと思ってます。

    会社ってそこそこ自由じゃないですか。辞める意味なくない?って思うんです。会社員やりながらできることだったら、そんなの土日でやったらいいし、平日と土日の時間使ってみて、何かいけそうって思ったら辞めればっていう話です。

    鳴海:いまって本当にネットにいろいろなツールとかあるから、誰でも自分の可能性をすきま時間で試せますよね。いきなりすべてを捨てなくても。

    ヨッピー:本当に。だからライターやりたいから会社辞めますとかって言われると、「なんで会社辞める必要があるの?」って。ライターなんて会社いながらやればいいやんって思うし。

    鳴海:まあライターなら、なんなら今日の午後からなれますし。

    ヨッピー:本当そうですよ。誰だってなれるもんじゃないですか。お、おお、まじか。

    鳴海:うーん、引くところまでいくんだけど。

    Hikaru Yoza / BuzzFeed

    ヨッピー:この釣り堀の魚めっちゃむずい!

    鳴海:最初に言ったじゃないですか。

    もしや御恩がないのに奉公だけ強要されてない?

    ヨッピー:まじでもう終身雇用なんて終わるじゃないですか。会社が社員の面倒を見てくれない時代になってるのに、社員だけが忠誠心を持てって、おかしな話ですよ。「御恩と奉公」ってセットなのに、御恩がないのに奉公だけ強要するって明らかに変。だったら、僕らももっとずるく生き抜いていかないと。

    鳴海:終身雇用を与えられないんだったら、副業も自由じゃないと。

    ヨッピー:政府も副業を後押しする方向になってますからね。そこは絶対どんどん進んでいくと思うんですよ。

    鳴海:自分が心の底から楽しめる趣味があって、それに情報発信を掛け合わせることによって新しい仲間ができて、あわよくばいくらかのお金が入る。これって心の余裕そのものですね。サラリーマンの自殺者が減るかも。

    ヨッピー:そう、その結果、いつでも辞めたるわ!みたいになればいいんですよ。会社員がそういう気持ちを持つことは、社会全体を変えるパワーになるんじゃないかと思うんです。

    労働環境が改善しないのって労働者が動かないからなんですね。あるエンジニアの人がこんな話をしていました。エンジニアがどこも足りてないのに、なぜエンジニアの給料が上がらないのか。それは、エンジニアが動かないからなんですって。

    安い給料でも「まあいいっか」って働いてる連中がたくさんいるから、いつまでたってもみんなの給料が上がらない。でも待遇改善を求めてみんなが「いつでも辞めたるわ」って動き始めたら、当然待遇はもっとよくなる。

    ただ言いなりになるんじゃなくて、そういう気概を持つ人たちが出てくると、会社ってもっと変わらざるを得ないんじゃないかなと思う。サラリーマンが副業をばんばんやるようになって、社内にいろいろな専門家が生まれたら、それはそれで会社にとってプラスやと思うんですよね。

    鳴海:面白い専門知識を持ってたりとか、変な趣味持ってたりすると意外と仕事の役に立ちますからね。って、全然釣れないんでそろそろ帰りますか。

    ヨッピー:ほぼ釣りしてたけど、ちゃんとまとまるんですか、これ。

    鳴海:大丈夫です、魚の写真は合成しておきますから。本っていつ発売でしたっけ。

    ヨッピー:9月21日発売

    です!

    narumi / BuzzFeed

    本当はこんな魚が釣れます。

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