優しくないダイエット本『痩せない豚は幻想を捨てろ』が売れまくっている理由

    著者のテキーラ村上さんに取材しました。

    いま1冊のダイエット本が話題になっている。

    通称・テキーラ村上なる人物による『痩せない豚は幻想を捨てろ』である。Amazonランキングでは堂々のベストセラー1位。

    都内にある大手書店でも売れまくっており、とにかく勢いがあると聞いた。数あるダイエット本のなかでなぜ人気なのか。この本について深堀りしていきたい。

    「楽に痩せることはない」ここがスタート

    実は筆者もこの著者のTwitterを以前からフォローし、ブログも読み、そこに書いてあるダイエット法を実践してみた。

    結果的には5ヶ月で10キロ以上痩せて、筋肉量も増えた。健康的な生活習慣がついたと思う。

    そして、そこに至るまでの間に気がづいた。テキーラ村上氏がSNSやブログ、書籍を通じて繰り返し言ってることは、実はたった1つ、「楽して痩せる方法などない」。これだけである。

    「痩せない豚は幻想を捨てろ」になにか新しい、斬新なダイエットメソッドが書いてあるんじゃないかと期待した皆様へ

    痩せたい人はなぜか楽な方法にすがりたがる。怪しげなサプリ、◯◯だけダイエット……。いくつも生まれては消えている。

    この『痩せない豚は幻想を捨てろ』という本のタイトルにある「幻想」とは、そういった現実世界にはおよそ存在しない“楽して痩せる方法”のことである。

    「楽して痩せる方法などない、だから覚悟しろ。死ぬ気でついてこい」

    これがテキーラ村上氏のメッセージだ。これを受け入れないと先に進めない。いつまでも楽に痩せる方法がどこかにあるんじゃないかと回り道して、騙されて、行動に移せない。

    そういった幻想を断ち切って、現実を見ることが大事なのだ。

    何を当たり前のことを…と思うかもしれないが、ダイエットは気持ちの面が大きい。テキーラ村上氏はこう語る。

    「個人的にはマインドが8割占めると思います。事実、『テキ村式ダイエットで痩せた』という人に対しては当たり前のことしか伝えてませんので」

    「要は『他人に依存するな』ということです。痩せない人はなんでも人任せにします。言われたから、やる。言われたから、飲む。それで効果がなかったら、その人のせい。問題なのは自分だろ、と。 この負のスパイラルに気が付くと、激的に痩せます」

    「本読んだら本当に痩せますか?」ってDMがめちゃ来るんだけど。知らん。読んだ後でどうするかはお前次第。立ち読みか、Kindleサンプルでも1章の最初まで読めるだろ。買うか自分で決めろ。なんでもかんでも選択を他人に委ねるな。

    Twitterで火がついて、ブログ経由で出版へ

    テキーラ村上さんはもともと筋トレ自体は何年も続けていたが、ダイエットや健康とはまったく異なる業種の会社を経営していた。

    あるときダイエットについてTwitterに投稿したものが広く拡散されたことをきっかけに、テキーラ村上としての活動が始まった。発言内容をダイエットに絞るようになって、いまではフォロワー20万人を超える人気アカウントになった。

    最近はテキーラ村上としての活動が本業になりつつあり、2冊目の書籍の企画、さらにはオリジナルのプロテインやサプリメントの監修も手掛けている。

    テキーラ村上さんはなぜ支持されるのか。本人はこう語る。

    「なんなんでしょうね。俺もよくわかってません。人が言いたくても言えないことを言っちゃうから、見ててスッキリするんですかね」

    筆者の周りにもテキーラ村上ファンは多い。その理由を聞いてみたら、同じような答えが返ってきた。

    「やたらと口が悪いのが面白いし、逆に火がつく」

    「僕らのようなブログや本の読者を罵倒してくるところが好き」

    「怒ってくれるところ。すごく正直な人だと思う」

    本気のスイッチを入れてほしい人は、読んでみればいいと思う。

    痩せない豚は幻想を捨てろ』という本に書かれているダイエットの手法の話についてはここでは触れない。

    ただ誰かに背中を押してほしい、やる気に火をつけてほしい、今度こそがんばりたいという人は読んでみればいいと思う。

    スイッチが入ったら、その後に何をすればいいかはちゃんと本の中に書いてある。年末年始に備えて手元に置いてみてはどうだろう。