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HPVワクチン、7割が「何のために打つのかわからない」 意識調査でわかったこと

ワクチンのしくみや副反応があることは知っていて、風疹ワクチンへの理解も進んでいる。けれど、HPVワクチンは何のためにうつのかもわからないーー。そんな国民の意識が日本医療政策機構の調査でわかりました。

風疹ワクチンへの理解は進んでいるけれど、HPVワクチンの役割を知っている人はいまだに少ないーー。

そんな国民の意識が、民間のシンクタンク「日本医療政策機構」のインターネット調査で明らかになりました。

国は、風疹の流行の中心となっている40歳から57歳の男性に対して、免疫があるか調べる抗体検査や予防接種を無料で提供する追加対策を始めたばかり。

職場の健康診断の時に一緒に受けられるなら接種したいという人も約27%にのぼり、実効的な予防接種対策が求められています。

20歳以上2000人から回答 ワクチンの仕組みは理解

この調査は、医療に対する国民の認識や意見を把握し、政策提言につなげようと同機構が2006年から続けています。

今年は7月に、全国の20歳以上の男女2434人にインターネットで調査票を送り、2000人から有効回答を得ました。

その中からワクチンに対する意識について見てみましょう。

ワクチンは、体外から体の中に入ってくる病原体を攻撃する「免疫」という仕組みを利用したものであることは、約7割の人が知っています。

そして、約7割が、すべてのワクチンにおいて、期待した反応とは違う、望ましくない副反応が起きることがあることを知っていました。

さらに7割が、予防接種によって多くの人が免疫をつけることで、もしその集団の中に感染者が出ても感染拡大を食い止められることを知っています。

次は風疹です。妊娠初期に風疹にかかると、目や耳や心臓に障害が残る「先天性風疹症候群」の子どもが生まれてくる可能性が高くなることを約7割が知っていました。

なぜ風疹は、また流行しているのでしょう。国の予防接種政策でワクチンを男子だけうてなかった世代は、大人になっても免疫が十分ついていないからです。そのせいで現在、風疹が流行していることを知る人は約62%にのぼりました。

このワクチンがうてなかった40〜57歳の男性に、今年度から検査や予防接種が無料になるクーポン券を送る対策が始まりました。届けば接種したいという人は約32%、職場の健康診断の時に一緒に接種できるなら受けたいという人は約27%いました。

国は、働き盛りで忙しいこの世代が検査や予防接種を受けやすくするために、職場の健康診断に組み入れるよう企業に協力を呼びかけています

一方、HPVワクチンが、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスへの感染を防ぎ、その結果、がんになる一歩手前の前がん病変「異形成」を防ぐ効果があることを知らない人は約7割に上りました。

HPVワクチンは公費でうてる定期接種ですが、接種後に体調不良を訴える声が相次ぎ、国が積極的に勧めるのを6年以上ストップしています。

男女共にワクチンを接種させるオーストラリアのような国では子宮頸がん撲滅も視野に入る中、接種率が1%未満となっている日本では今後も子宮頸がんを減らせないことが予想されています。