立教大学カジノ問題 文学部と社会学部の教授会が連名で総長に申し入れ テレ朝は記事全削除

    立教大学でマカオ大学と共催で3日間、開かれたカジノの人材養成講座。内外から批判の声が高まっていましたが、文学部教授会と社会学部教授会が郭洋春総長に真意を質す申し入れを行いました。またテレビ朝日が関連記事を全部削除していました

    立教大学がマカオ大学との共催で3日間(7月5日〜7日)、カジノの人材養成講座が開かれたことに学内外から批判の声が強まっている。

    BuzzFeed Japan Medicalが報じた後、東京新聞やテレビ朝日も批判的にイベントを報じ、今度は教授会からも声があがった。

    同大学の文学部教授会、社会学部教授会は11日、大学がカジノを推進しているかのように見える挨拶を郭洋春総長がしたことについて、真意を質す申し入れを連名で行なった。

    教授会が連名で総長にこうした申し入れをすることは極めて異例という。

    また、この総長の挨拶も含めて、この講座に批判の声が高まっていることを報じたテレビ朝日の記事4本が全て削除されていたこともわかった。

    「日本のIR産業発展へ高度人材を育成するプログラムに関われたことをうれしく思う」

    三日間行われたプログラムは、「グローバルリーダーシップ育成プログラム 国際統合型リゾート経営管理学 第7回:「日本統合型リゾート~健全社会のIRを目指して」。

    日本にカジノを作るための法律「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」が成立したのを受け、マカオ大学の教授やIR(カジノを含む統合型リゾート)の経営者らを招いて、日本での人材育成を図る講座が連日、立教大池袋キャンパスやホテルメトロポリタン池袋で開かれた。

    テレビ朝日の報道によると、5日の開会式で郭洋春総長は、「日本のIR産業発展へ、高度人材を育成するこのようなプログラムに関われたことを心より嬉しく思っております」と挨拶した。

    内部関係者によると、二つの教授会は申し入れで、「総長の挨拶で立教大学がカジノ推進政策を積極的に後押ししているかのように全国に報じられことは遺憾である」という趣旨の指摘をした。

    立教大学の建学の精神は「キリスト教に基づく真の人間教育を行う場」であるとし、カジノの人材育成に関わることはその教育理念と大きくかけ離れ、立教学院の価値を著しく低下させる、と批判したという。

    そのうえで改めて「このようなプログラムに関われたことを心より嬉しく思う」という挨拶の真意をただした。

    テレビ朝日から全記事が削除 立教大学が「趣旨を説明」直後

    一方、このイベントや総長の挨拶を取材して報じたテレビ朝日の記事4本全てが削除されていることがわかった。

    テレビ朝日では通常、ホームページ上に掲載されたニュース記事は数日で削除されることはないという。また、削除は立教大学広報課がテレビ朝日に「イベントの趣旨を説明」した直後だったという。

    テレビ朝日が最初にこのイベントについて報じたのは、BuzzFeed Japan Medicalが、豊島区が立教大学のカジノ関連シンポジウムの後援を取り消したことを報じた翌週、7月4日のこと。

    豊島区が後援を取り消したことを伝え、翌日5日から始まったイベントを会場で取材し、郭洋春総長の開会式での挨拶や、カジノ推進の内容に批判の声が高まっていることを昼のニュースで伝えた。

    同日夕方のニュースでは、このイベントに当初から「立教はカジノに魂を売るな」と批判を繰り返してきた稲葉剛同大准教授や学生たちの批判的なコメントも入れて報じた。

    ニュース放映後にニュース動画と記事がテレビ朝日のホームページにそれぞれ掲載されていた。ところが、翌日6日の夜にニュース動画(記事も)が3本ともテレビ朝日のホームページから削除された。

    7日の夜には、「立教大学は『カジノを礼賛したり、関連企業の宣伝に資するものではないと判断した』と主張しています」と立教大学の言い分を追加した形で、ニュースが掲載された。

    これも、翌日8日に削除された。

    立教大「テレビ朝日の判断」 テレビ朝日「お答えしない」

    この理由や経緯について、BuzzFeed Japan Medicalはテレビ朝日広報部に質問状を送ったが、「ニュースの取り扱いの経緯等については従前よりお答えしておりません」と回答はなかった。

    一方、立教大学広報課は、「シンポジウムの内容についてご説明はしました。こちらとしては、テレビ朝日さんの判断で削除されたのかと思います」と説明している。

    テレビ朝日の関係者によると、「記事の削除は異例だ。何らかの圧力か忖度があったのではないか。放送の独立性がこうしたことで損なわれることを危惧している」と話した。

    立教大学の内部関係者の一人は、「記事に事実誤認などがあれば申し入れもあり得るが、総長自らがカジノ人材養成を歓迎しているコメントをしているのに、大学側がこの内容の報道に異を唱えるのは明らかにおかしい。テレビ朝日も、外部からのクレームに対して削除という対応をしたのならば、報道機関として視聴者に説明があって然るべきだ」と話している。

    UPDATE

    表現を一部修正しました。