若い女性も多いスキルス胃がん 患者会が動画で啓発

アナウンサーの逸見政孝さんや黒木奈々さんの命も奪ったがん。早期発見できれば治療の選択肢が広がります。

早期発見の大切さ伝えたい

早期発見しづらく、治療が難しい「スキルス胃がん」。

アナウンサーの逸見政孝さんや黒木奈々さんらの命も奪ったこの病気について知ってもらい、早期発見につなげようと、患者・家族会のNPO法人「希望の会」は当事者が体験を発信する動画シリーズ「希望の会からのメッセージ」をYouTubeで公開し始めた。

胃がんの約1割がスキルスがんと言われ、通常の胃がんのように粘膜の上に盛り上がるように増殖せず、胃壁の内側に潜り込んで進行するのが特徴。胃カメラでは見つかりにくく、進行してから発見される人が多い。

進行すると胃壁が硬くなるため「硬いがん」とも呼ばれている。遺伝する可能性も高く、若い女性の発症も多い。希望の会でも女性会員のうち3割は20〜30代だ。

患者を診たことがない医師に当たると見過ごされてしまいがちだが、早く発見されれば手術ができ、がんが画像上見当たらない寛解に至る可能性もある。

スキルス胃がんを意識し、特に家族に胃がんが多い人はその旨を医療者に伝えて詳しい検査を受けてもらいたいと、医療者や一般に向けた発信を思いついた。

亡くなった人、遺された人、今闘っている人がまず発信

5月13日にまず3本の動画が発信された。第4弾以降も製作中で、順次公開される。

動画第1弾は前理事長で、昨年8月にスキルス胃がんで亡くなった轟哲也さん(享年54歳)からのメッセージ

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哲也さんは父や祖母ら家族3人が胃がんで亡くなっており、20歳の時から毎年検診を受けていた。ところが、胃の不調を感じ始めていた51歳の時にピロリ菌による胃炎と誤診され、1年後にスキルス胃がんと診断された時は、既に腹膜にがん細胞が散らばり、手術ができない状態まで進行していた。

哲也さんは生前撮られたビデオの中で、「悔しいし怒りの気持ちもあるけれど、早期発見が実現できるように患者として声をあげていきたい」と訴えている。

第2弾は哲也さんの妻で現理事長の浩美さん

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第3弾は再発したがんを治療中の上山美奈子さんと夫の雅之さん。

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上山さんは病床から、「最初の検査で見逃される人、住んでいる地域や病院によって受けたい治療が受けられない人がいます。誰もが納得できる治療を受けられるようになってほしい」と訴えている。

今後、治療して元気で過ごす人も登場予定

現理事長の浩美さんは、「私たちの姿を見て切実にこの病気を感じてもらいたい。早期発見できれば胃の全摘手術に間に合い、生き延びる可能性もある。守れる命は守ってほしい」と呼びかる。

第4弾以降は、比較的早く発見して、手術や抗がん剤治療を経て寛解に到り、今も元気で過ごす人たちに出演してもらう予定だ。

【訂正】

上山さんの名前を訂正しました。



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