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被災地のアトピー性皮膚炎の人たちへ 肌に優しい生活物資を支援

大阪市の日本アトピー協会が北海道胆振東部地震で被災したアトピー性皮膚炎などの人たちに、保湿剤や肌着などを支援している

北海道胆振東部地震で被災したアトピー性皮膚炎の人を対象に、大阪市のNPO法人「日本アトピー協会」が、肌に優しい支援物資を提供すると呼びかけている。

送るものは、保湿剤や肌への刺激が少ない石鹸類、肌着、タオルなどで、申し込みフォームに住所や名前を書き込んで同協会に送信すれば、避難所であっても送付する。

代表理事の倉谷康孝さん(56)は、「環境の変化やストレスで、皮膚の状態が悪化していることも考えられます。肌に合う日用品がなかなか手に入らない方は、気軽に申し込んでほしい」と呼びかけている。

東日本大震災から支援物資の送付をスタート

日本アトピー協会は、阪神淡路大震災をきっかけに1995年、患者支援のために設立。通信誌「あとぴぃなう」で科学的根拠に基づいた情報発信や、患者や家族への相談業務、交流会などを中心に活動してきた。

倉谷さんによると、災害時、アトピー性皮膚炎を持つ被災者は、ほこりなど避難所の衛生環境やストレスの影響を受け、皮膚の状態が悪化する人が多い。

「通院できなくて薬が切れたり、風呂も入れずに汗が流せなかったりして、肌のケアも十分できなくなります。災害の時には肌に優しい日用品を支援する必要があると考えました」

東日本大震災から、アレルギー患者が使いやすい日用品を詰め合わせた「レスキューパック」の個人送付を始め、これまで百数十人に送ってきた。もちろん無料だ。西日本豪雨でも受け付け、今回の北海道の地震でも行うことにした。

「肌に刺激の少ない浴用石鹸、洗濯石鹸や保湿剤、肌につけて拭き取って清潔を保つ水スプレーや、吸収性が高く肌触りがいい肌着やタオルなど、普段の活動でアトピーの患者に勧めてきた日用品を揃えました」と倉谷さん。

リクエストにも柔軟に対応するといい、避難所であっても個人宛てに届ける。