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11月にも積極的勧奨再開の局長通知 「遅すぎたのでは?」という問いへの回答は?

積極的勧奨の再開が11月12日、厚生労働省の副反応検討部会で了承されたHPVワクチン。キャッチアップ接種も含めてどんな手続きが必要になるのでしょう。「遅すぎたのでは?」という問いも厚労省にぶつけました。

積極的勧奨の再開が厚生労働省の副反応検討部会で了承されたHPVワクチン。

今後、どのような手続きを経て積極的勧奨が再開されるのか。推奨が差し控えられていた8年以上の間、無料接種のチャンスを逃した人の救済策「キャッチアップ接種」は、どう検討されるのか。

Naoko Iwanaga / BuzzFeed

記者の質問に答える健康局参与の吉川裕貴さん(真ん中)

11月12日の部会終了後の記者会見で、厚労省健康局参与の吉川裕貴さんが答えた。

積極的勧奨再開の方が先行? 11月中にも局長通知

まず副反応検討部会で了承された積極的勧奨の再開については、「厚労省として行政的な対応を総合的に判断する建てつけで考えている。これについてはなるべく早期に判断して示すように準備を進めている。なるべく早くと考えている」と答えている。

積極的勧奨の差し控えは2013年6月14日の健康局長通知で自治体に伝えられた。それを終了して、積極的勧奨を再開するのも健康局長通知になる見込みだ。

キャッチアップについては予防接種・ワクチン分科会という別の審議会で議論する。

「定期接種の対象者を一時的にであれ拡大するかどうかという話になってくるので、そちらの審議会でご議論いただく」

この審議会に12日の副反応検討部会での結論を報告した上で、11月15日から議論が始まる。

積極的勧奨の再開は、キャッチアップ接種と同時になるのだろうか?

「キャッチアップ接種の話と積極的勧奨の再開の話は直接リンクするものではないと考えています」

積極的な勧奨については健康局長通知で差し控えている。一方、キャッチアップ接種は、予防接種法の政令で対象者を決める。

「キャッチアップは時限的になると思うが、対象者の拡大をどうするかという話になる。修正すべきは通知ではなく政令。全く違った手続きになるので、開始の時期はリンクしないのではないかと考えている」

積極的勧奨再開の方が先になりそうだ。11月中にも通知が発出されることも考えられる。

「タイミングとして積極的勧奨の再開が先行することも十分考えられます。今日は11月の12日。結論をいただいて、我々としても1ヶ月とか2ヶ月とか待つのは適切ではないと思いますので、なるべく早く、そんなに遅くならないようにしたい」

「15日のワクチン分科会の中でもご意見をいただく。そこでのご意見も踏まえて、少し我々でも検討した上でとなります」

そもそも「再開」で何が変わる?

健康局長が通知を出せば、その瞬間に「積極的勧奨の再開」となるのだろうか?

「積極的勧奨を再開してくださいという通知を出したとしても、それを具体的にやるのは市町村。あるいは市町村から依頼を受けた医療機関になる。通知を出したイコール積極的勧奨が始まったというよりは、通知を出すことによって積極的勧奨ができる環境になるという考え方になる」

「市町村の準備作業も必要になる」

しかし、そもそも昨年10月に厚労省が自治体に出した通知で、対象者の個別通知は始まっている。今年度までに4分の3の自治体が対象者に送った実績もある。

対象者への個別のお知らせは事実上、既に行われているのに近い状況で、自治体の準備にどこまで配慮する必要があるのだろうか。

「積極的な勧奨が再開するとして何が変わるのかといえば、個別に接種をお勧めするようなメッセージを送ったり、個別にワクチンの予診票を送ったりすることができるようになるということです」

「そうすると、個別にリーフレットを送っている自治体は予算を使っていて、積極的な勧奨ができるとなった時に、今年度の予算は使っていて、改めて予診票を送るには予算が必要だったり印刷をしたりしなければならない。当然そこに準備期間は生じると思います」

「なので昨年10月に個別通知が始まったからといって市町村の準備がいらないということにはならないのではないかと思う」

局長通知は、「いつから再開」という形で、再開時期を書くことも検討しているという。

「それも含めてお知らせをしないと混乱が生じるのではないかと思っていますし、自治体が順次始めていくのか、一斉に始めるのか、いつの時期なのかも含めて示す方が、より混乱が少なくなるのではないかと思っています」

「遅すぎたのでは?」8年以上もかかった責任は?

差し控えとなった2013年6月14日から再開が了承されるまで、8年5ヶ月の時間がかかった。その間に接種のチャンスを逃し、ワクチンをうてばほぼ防げる子宮頸がんの脅威に晒される女性たちが積み重なってきている。

「遅すぎたのではないか?」という問いには、厚労省事務局はどう考えるのだろうか。

「そういった声があることはよく承知しておりますし、我々としてもできるならばなるべく早く再開したいという思いでした。私が担当になる前の者も歴代おりましたが、その思いは変わらないのではないかと思います」

「これまで8年半弱、審議会でも何度も慎重に議論してきていただいて、その都度、様々な論点があったと思います。エビデンスに基づいて安全性がどうであるか、有効性がどうであるか。安全性は祖父江班の研究が出たのも非常にインパクトが大きかったと思いますし、海外での研究も参考になるものがありました」

「そういったエビデンスが8年前、あるいはそれに近いタイミングでは十分なかったところもあるのではないか。安全性に加えて有効性も、ワクチンは体にとっては異物なので、100%安全でないことは承知している」

「そのリスクとベネフィットを評価する形になるが、ベネフィットについても少しずつエビデンスが出てきている。ようやく最終目標であるがんの予防というエビデンスも出てきた。それが2020年2021年に出てきたところも非常に大きい」

また8年前には副反応の状況もよくわからなかったという。

「副反応の頻度も、どういうものが副反応かもわからなかった。国民に対して適切な情報提供ができるまでの間は、差し控えた方がいいのではないかという話でしたので、『情報提供』はキーワードだったと思います」

「これまでも情報提供はしてきたが、以前に作ったリーフレットについて自治体に聞いてみると、『作ってはもらったけど送付していない』という話が出てきた。ただ情報を出すのではなくて、しっかり届いていることが重要なのではないか。そこまでしっかりできた上でないと差し控えは終了できないのではないか」

「そんな話があった中で、昨年10月に通知が出て、4分の3強に情報が伝わった。それが確認できたので、10月1日に8年間を経て、積極的勧奨に関するダイレクトな議論ができた。それまでもいろいろな課題について議論して整理し、対応を行ってきたところは強調したいところです」

報道に望むこと

2013年6月に差し控えた当時、マスメディアは接種後に訴えられた痛みや手足の震え、脱力感などを、薬害のように連日センセーショナルに報じた。

結果的に接種していない同じ年頃の女子にも同じ症状が現れることが大規模な調査で明らかになったが、このワクチンに対する世間の不安を煽る大きな原因となった。

再開となると報道も増え、接種も増え、接種後に症状を訴える人も増えると見られるが、報道には何を望むのだろうか?

「なるべく我々、こうした機会(レクチャー)を開きたい。先日もメディアの方向けにも勉強会を開かせていただいた。できればこれからも継続的に我々が行っていることについて正確に伝えていただくようにしていきたい」

「そのためには我々が話しかけにくい存在であるよりは、なるべく率直に意見交換できるようにしたい。メディアの方々にお願いすることは、『これから一緒に引き続きよろしくお願いします』という形になるのではないかと思います」

Contact Naoko Iwanaga at naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

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