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「HPVワクチン?もちろんうってないよ」という声を変えていくために ハーバードの研究者が見つけた日本の弱点

HPVワクチンの接種率が日本で激減したのはなぜなのか、どうやったら信頼が回復するのか論文にまとめたハーバードの研究者、國時景子さん。研究のきっかけは、日本のいとこに聞いた衝撃的な言葉でした。

いよいよ積極的勧奨を再開する議論が始まったHPVワクチン(※)。

日本では毎年1万人が新たにかかり、3000人が亡くなる重大な病気なのに、それを防ぐ大事な切り札のワクチンがほとんどうたれない状態が8年も続いている。

どうしてこんなに問題が長引き、このワクチンへの信頼を回復するために何が必要なのか。ハーバード大公衆衛生大学院の研究グループの論文では、日本社会の様々な弱点が炙り出されている。

BuzzFeed Japan Medicalは主任研究者のマサチューセッツ総合病院、ハーバードメディカルスクール リサーチフェロー、國時景子さんに話を聞いた。

Naoko Iwanaga / BuzzFeed

日本でなぜHPVワクチンの接種率が激減し、どうしたら信頼を回復できるのかをまとめた論文を発表した國時景子さん

「HPVワクチン?もちろんうってないよ」

ーーなぜ日本のHPVワクチンの接種率の低下を研究テーマにしたのでしょうか?

ハーバード大学国際保健学教授のマイケル・ライシュ先生が、日本人学生を集めて話をする機会があり、「日本のHPVワクチンの問題はどうなっているの?」と問われたのがきっかけです。

「そういえばどうなっているのだろう?」と気になり始めました。そして、軽い気持ちでいとこに「HPVワクチンうってるよね?」と聞いたところ、「もちろんうってないよ」と言われたのです。驚きました。

ーーご自身はHPVワクチンをうっていたのですよね。

2009年か2010年か、定期接種が始まっていないとても早い時期にうちました。日本にいて大学の医学部に入った頃です。自費です。

ーー自費なら3回で5万円ぐらいですから高いですよね。

高いです。でも親が「すごく良いワクチンが出たみたいだから、うった方がいいんじゃない?」と言って出してくれました。

ーーその時のHPVワクチンに対するイメージはどんな感じでしたか?

性行為を始める前にうたなければいけないとは知っていて、「そんなに急いでうたなくても」とは思っていました。「とりあえずがんが防げるならいいんじゃないか」ぐらいの軽い気持ちです。

ーー医学部の同級生でうっている人はいましたか?

たぶん同級生はうっている子は多かったと思います。何人かとはHPVワクチンの話をしました。

ーー2013年に起きたHPVワクチンの副反応疑いの騒動は覚えていますか?

「もう私はうっちゃったし」とあまり気に留めていなかったです。

ーーあまりHPVワクチンのことを意識していなかったのに、アメリカでライシュ先生に指摘されて初めて問題に気づいたのですね。

外から見ると、こんなに大変なことになっていたのだなと気づいたわけです。実際にこの研究プロジェクトが始動してから、各国からきている同級生に日本の問題を話してみると、皆、日本でそんなひどいことが起こっているなんて、と驚いていました。

留学する前は老年内科で働き、認知症に関心がありました。治らない病気になると、心理的にも社会的にも経済的にも負担が大きくなります。

それなら病気にかからないようにしたいと予防医療に関心を持ち始めました。ワクチンもそうですが、病気を予防するにはどうしたらいいのか研究したくて、2019年にハーバードの公衆衛生大学院に進んだのです。

「積極的勧奨」の一時中止が全ての問題に響いている

ーー社会構造上の主要な問題として、まず「積極的勧奨を一時中止して推進に失敗したこと」を置いています。これを一番の原因だと考えているのですか?

それぞれの項目を検討すると、結局、厚労省が積極的勧奨の一時停止を決定したことが全ての問題に響いています。そこが動かないと他の駒もなかなか動かしづらいのです。

ーーHPVワクチンの問題を取材していると、多くの医療者からメディアの報道の問題を指摘されます。この論文ではメディアだけでなく政府・厚労省、地方自治体、学会、接種医、など様々な関係者の責任に触れているのが印象的でした。

確かにきっかけを作ったのはメディアの報道だったと思います。ただ、メディアの役割として何かおかしいことが起きた時に報じることは必要です。

でもその時に、「危ない」だけではなく、このワクチンにはメリットもあること、この問題はきちんと検証すべきだということも伝え、片方だけの意見を聞いてはいけないという視点を持って報道してもらえたら良かった。

厚労省が一度ブレーキをかけたことも我々は許容範囲だと思っています。

ちょっと危ないかもしれないから、何ヶ月か休んで検証しよう、とか、3ヶ月後にもう一度続けるかどうか決めましょうとしておけばよかったのです。

こういうデータが出たら再開する、もしくはこういうデータが出たら危ないから再開は無理、などの基準を設けていなかったから、臨時でかけたブレーキをだらだらと外せなかった。それが、この状態が8年以上も続いた原因ではないでしょうか。

ーー副反応検討部会で積極的勧奨を差し止める議論をした時に、委員の一人は半年か1年後、また検討しようと提案しています。ところがそれは実行に移されませんでした。

それが実効性を持つ形で委員の共通認識として持たれていたかが大事です。それがなかったのが長引いた原因でしょう。

副反応疑いを検証するデータベースが整備されてこなかった日本

ーーさらに、日本ではそれまで予防接種で問題が起きた時に検証するための報告制度が整備されていませんでした。HPVワクチンが定期接種になった2013年4月から副反応疑いの報告が集められるようになりましたが、必要な統計がなかったことが検証を遅らせた面もあるのではないでしょうか。

当然、そうだと思います。予防接種ではこういう副反応疑いが必ず起きます。あらかじめ検証するためのデータがあったら良かったのでしょう。

そんな統計があったら、名古屋スタディ(※)のような研究を改めて組まなくても、もっと早い段階でエビデンス(科学的根拠)を出せたかもしれません。

※名古屋市3万人の女子のデータを解析し、HPVワクチンを接種した人としていない人で起こる症状に差がないことを示した研究。HPVワクチンの安全性を証明する国内の重要な科学的根拠となっている。

ただ、日本の場合はもっと低レベルでした。名古屋スタディさえ副反応検討部会で評価されていない現状を考えると、それ以前の問題だと思います。

ーー厚労省の研究班「祖父江班」の全国疫学調査が唯一、副反応検討部会で検討された調査だと論文で取り上げていましたが、「接種前後を比較できないし、副反応騒ぎが起きる前のバイアスのかかっていない情報がないから難しかった」と祖父江先生は言っていました。

デンマークでは、国の患者登録制度のデータベースを使って、ワクチン接種前後の比較をしています。これによって、自律神経の機能障害がHPVワクチン接種直後の1 年間に特別多いわけではないことがわかり、ワクチンとの因果関係を否定できたのです。

研究グループ資料

日本でも早い段階で同じことができていれば、質の高い検証ができていたと思います。

海外との報道の違い

ーー論文ではメディアのネガティブな報道が副反応検討部会の議論にも影響を与えたと強く批判しています。

海外では、コロナワクチンをうった後に家族が亡くなった遺族が、「これはワクチンのせいかは分からないから、みなさんうつのを止めないでください」と訴える報道もありました。

アメリカの報道を見ると副反応や有害事象(※)に対する理解があると思いますし、国民にも自分で考えて判断する文化が育っていると思います。

※有害事象はワクチンとの因果関係は問わず接種後に起きたあらゆる望ましくない出来事で、そのうちワクチンとの因果関係を否定できない症状を副反応という。

ーーアメリカでもワクチンに反対する動きはありますね。

もちろんあります。

ーー新聞、テレビ、ネットメディアなどがそのような意見の影響を受けることはありますか?

テレビのFOXニュース(右派系のメディア)とCNN(リベラル系のメディア)の2大メディアで、視聴者のコロナウイルスへの対応やワクチンに対する態度を比較した研究が論文になっていました。FOXの方が適切な対策を行わず、反ワクチンに偏っているという結果でした。

多様性を尊重する国なので、違うメディアが違うことを発信していますが、狂信的な支持者以外は、複数のメディアの論調を比較することができます。

日本のHPVワクチンの場合は、全メディアが一斉に有害事象を「副反応」と決め付けて報じました。それしか情報がない状態に置かれていたのも、アメリカとは違うところだったのではないでしょうか。

ーーアメリカの医学報道を見て日本と違うところを感じますか?

CNNでは毎日、CDC(疾病管理予防センター)などに所属するその分野専門の信頼できる医師が出てきます。そういう人が日替わりでウェブで出演しコメントしています。CNNお抱えの医療の専門家も出るし、公衆衛生の専門家も出てきます。

ワクチンは「当然うちましょう」となっているアメリカ

ーーワクチン提供には問題がなかったと評価していますが、最近、製薬会社のMSDが「これ以上積極的勧奨の再開を引き延ばしてワクチンを廃棄するならば、争奪戦となっている世界から非難を浴びて調達できなくなる」と警告しました。日本でも提供が滞ることはあり得ますよね。

国産のワクチンではないので、そういう可能性はあり得ます。

ただ、製薬会社も警告通りは止めないと思います。今回ばかりはそう言いたくなるような対応をこれまで厚労省はとってきた、ということなのでしょう。

アメリカは「ワクチンは当然うつ」という空気があるので、安定して供給されています。

例えばハーバード大学に入学する時にも、必ずうたなくてはならないおたふく風邪ワクチンなどの下に、強く推奨するワクチンとしてHPVワクチンがリストに上がっています。男友達でも接種した人や、これから接種しようとしている人がいました。

ーー一般の人もそんな意識でしょうか?

そうだと思います。アメリカはワクチンがすごくうちやすいのです。インフルエンザもコロナも近所の薬局で薬剤師さんがうってくれます。

国のわかりにくい姿勢 自治体、医師、メディアに影響

ーー積極的勧奨が差し控えられて、自治体が対象者に個別にお知らせを送らなくなったことが、少女たちに情報入手を困難にさせたと指摘しています。でも自治体は自分たちの判断で送れて、国から予算措置もなされています。

自治体もやるべきことを怠っていたと思います。

ただ、一部ではなく、全国の自治体が「控えなければならない」という方向に走ったのは、国が定期接種でありながら積極的勧奨を一時中止するという分かりにくいメッセージを発していたからです。

自治体にお知らせを送っていいのか迷わせました。反対する市民団体から抗議が来る恐れも影響したでしょう。

この自治体の態度は間違っていますが、国の責任も大きいと思います。

ーーただ、昨年10月、厚労省が自治体に個別にお知らせを送るよう通知を出すと、今年度中に76.6%の自治体が送付すると回答しました。自治体に個別のお知らせを送ることも提言していますが、さらに押し進めるという意味ですね。

100%にすべきです。

ーー勇気を出してHPVワクチンについて自治体や保健所に問い合わせたのに、窓口で「国は積極的にお勧めしていないのを知っていますか?本当にうつのですか?」という止めるような声かけをする自治体も多いようです。

私のいとこも小児科の先生に「うった方がいいでしょうか?」と聞いたら、「まだ厚労省がよく分からない態度だから、うたない方がいい」と言われたそうです。医療関係者がこの認識なのですから、自治体の人がきちんと理解して説明するのは難しいと思います。

「厚労省が微妙な態度だから後回しでいい」「厚労省も積極的に勧めていないからとりあえずやめておこう」と深く考えることを放棄してしまうのだと思います。

ぶれなかったアイルランド、デンマーク、ぶれた日本

ーーアイルランドでもデンマークでもネガティブな報道キャンペーンがあり接種率が激減しましたが、国は態度を変えず、国をあげてのキャンペーンで接種率を回復しました。日本との違いは何でしょう?

責任を取りたくないのでしょうかね。副反応検討部会が認めたので、その上の分科会などは積極的に手を出したくなかったのかもしれません。

ーー厚労省で担当していた医系技官(医師免許を持った役人)に、厚労省はいつ積極的勧奨を再開するのか聞くインタビューをした時、「メディアが世論を変えてしまった責任まで行政にあるのか」と言われました。日本の予防接種の不幸な歴史もあっての発言だと思いますが、この姿勢についてどう思いますか?

日本のワクチン史の研究をしていたライシュ先生も、「厚労省はワクチンの副反応が薬害とされてきた問題を大きな負の記憶として背負っている」と指摘していました。

それでも、「メディアが世論を変えた責任を行政が取る必要はない」というのは言い過ぎです。報道は関係なく、厚労省は国民のために正しい判断をすべきです。

また一方で、行政の考え方として、「メディアの報道で国民が『怖いからうちたくない』と思っているならば、民意も尊重しなくてはいけない」と聞いたことがあります。メディアの過熱した報道が民意として厚労省に受け止められてしまったのかもしれません。

ーー今回の研究では検討されていませんが、日本人は同調圧力に弱く、「みんながうたないなら私も様子見をする」との判断があると思います。国民性による影響はどう考えますか?

それもあると思います。アメリカは人と違うことをすると「個性だね」と受け止められます。文化も民族も様々で、「隣は隣、うちはうち」という感覚が強い。そうした文化背景も検討したかったのですが、科学的に論文に書くことが難しいところがありました。

ーー国や製薬会社に対する訴訟や、ワクチンに反対している人たちの影響なども検討されていません。

特定の団体を取り上げることや、科学的、客観的にデータで検討できない要素を取り上げることのマイナスも考え、あえてとりあげませんでした。

接種する医療者の問題

ーー接種医の問題も論文で指摘しています。接種後に体調不良を訴えた患者に、「ワクチンのせいではない」「気のせいだ」とまともに相手をしなかったことが、患者を追い詰めてワクチンに反対する気持ちを育てた問題もあります。

クリニックの先生も様々ですので、ワクチン以外の問題でもひどいことを言われて傷ついたという話はありますね。

病気で受診すれば、マイナスからのスタートで、なんとかゼロに戻す治療をしますが、ワクチンでは健康な子どもたちが、接種によってマイナスの状態になったという訴えで受診します。患者には被害意識があるのです。

そういうことから、医師と患者のコミュニケーションがうまくいかず、問題になりやすい状況はあると思います。

ーー論文では産婦人科医でさえ、2019年までに自分の娘に接種させたのが36.7%にとどまったというデータを示しています。医師でさえ、科学的なデータより世論に流されてしまったのでしょうか。

これにはいくつか原因があると思います。まず開業医の場合、何かあった場合に「あそこでワクチンをうってこんな酷いことになった」と噂されると、経営に響く。有害事象が起きてしまったときの対応も不安材料だったと思います。

また医師は忙しいので、最新の論文を定期的にチェックできている人は少ない。さらに、うつ機会自体が減ったので、HPVワクチンの優先順位自体が医師の中でも下がっています。

ーー接種医の教育も提言しています。具体的にはどうやれるでしょう。

小児科、内科がもっと積極的に関わるべきだと考えています。専門医の資格を維持するための学会の教育講演で扱うとか、強制的に触れる機会を作ってもらいたい。書面で資料を送っても忙しい医師はおそらく読めません。

ワクチンで防ぐ子宮頸がんの実態を知って議論を

ーー提言では、副反応検討部会に子宮頸がん患者を診ている産婦人科医や、疫学者を入れて科学的な知見と診療での実感を網羅的に検討するよう伝えています。副反応検討部会は他のワクチンも検討するので、産婦人科医は入れにくいかもしれません。

ワクチンの問題はわかっていても、ワクチンで防ぐ病気のことは専門でない委員ばかりです。全ての医療はメリット・デメリットを比べて選択されます。予防医療は特にそうです。

このワクチンでどういう病気を防ぐのかという議論に必要な情報が委員に届いていない。片方のことを知らないまま議論が進められてはいけません。

参考人として招いてもいいし、大きな問題なので別の検討会を作るなりしてもいいかもしれません。

ーー行動経済学では目の前のリスクと、遠い将来のリスクだと、目の前のリスクの方がとても大きく見えてしまうと言われています。うった後の症状を訴える人はたくさん出てくるのに、子宮頸がんで闘病している人、亡くなった人、遺された人の声はなかなか届きませんね。日本では子宮頸がんにかかった人を「性的に活発」と見る偏見もあってなかなか声を上げられません。

結局は「何%がんを防げます」というよりも、患者さんが体験を話す方がやはり胸に響きます。

でも日本では患者が声を上げづらいこともありますし、地方では年配の政治家が、「なぜそんなみだらな方向に進むワクチンを一生懸命うたなければならないのだ」と言われるそうです。

ーー勉強不足ですね。

でもそういう人が一定数いるようで、信頼回復の邪魔にもなっているし、大きな声で話しづらいテーマになっています。

政治の動きはワクチン政策に重要?

ーー日本でそれでも積極的勧奨を再開する議論が始まるのは、与党が議員連盟を作って動き始めたことも大きいと思います。政治家の動きも必要ですか?

ここまで問題がこじれたので、政治家に動いてもらうことが必要になったのだと思います。ここまで行政が動かなかったので、政治家が変える必要があったのでしょう。

再開に向けて私たちがやるべきこと

ーー再開してもすぐに接種率が戻るわけではないでしょう。どうすべきだと思いますか?

日本人は同調圧力があるのである程度は戻ると思いますし、積極的勧奨を再開すれば大きなメディアも取り上げるでしょう。「私もうったよ」という声が増えれば進むのではないかと期待しているのですが、色々な関係者が認知度を上げるために動かなければいけません。

このタイミングでムーブメントを起こさないと、次のきっかけを作るのは難しい。再開が決まった時にどう仕掛けられるかが大事です。

ーー8年間でうてなかった人にもチャンスを与えるべきですね。

まずは積極的勧奨の再開が大事ですが、この8年間の対象者はきちんとした情報も、うつ機会も平等に与えられていなかったのは明らかです。補うことを検討すべきです。

研究グループ提供

国の政策で接種率が下がりきっている世代がいるのは怖いことです。私も何年か生まれるのが遅れていたら、一生うたなかったかもしれません。この医療技術がない国に生まれたレベルぐらい格差ができています。当然、是正すべきです。

ーー改めて副反応検討部会での議論に期待することを教えてください。

さすがに再開してくれるとは信じています。

その時には、できるだけポジティブなメッセージを国民に対して発信し、うち逃した人に対して謝罪してもらいたい。国民の健康を守る省庁がその機会を適切に与えられなかったことについて、きちんと説明する責任があります。

そのように国が責任を認めてしっかり説明すれば、うち逃した人もうとうと思ってもらえるのではないでしょうか。

ーー対象者の皆さんには何を伝えたいですか?

この騒ぎが起きたことで、接種をためらう気持ちや不安な気持ちがあるのは当然のことです。高校1年生の女子は今年度までなので急いだほうがいいですが、きちんと家族や信頼できる大人と相談して、接種を考えてみてほしい。

これをきっかけにワクチンだけでなく、自分の健康を守る情報をどうやって得るか、考えてもらえると嬉しいです。

ーー日本で性教育が不足していることも触れています。自分の体に対する知識や、体を守る術、性交渉にまつわるリスクなどが知らされない中で、HPVワクチンだけはうっておけというのも乱暴ですね。

そう思います。産婦人科の先生は相談だけでも来てほしいと言っているので気軽にかかってほしい。これをきっかけに、産婦人科のかかりつけの先生ができたらいいなと思います。

自分の体について考えることや自分の体を守ることは恥ずかしいことではありません。周りの人の押しつけに惑わされず、自分のために行動してほしいと思います。

【國時 景子(くにとき・けいこ)】マサチューセッツ総合病院、ハーバードメディカルスクール リサーチフェロー

2015年、東北大学医学部卒。岩手県立中央病院で初期臨床研修を行った後、東北大学病院老年科で主に認知症の診療と予防に関する研究に従事。

2020年ハーバード公衆衛生大学院にて公衆衛生学修士号取得、日本のHPVワクチン問題の研究グループとしてGareth M. Green賞受賞。同年よりマサチューセッツ総合病院 / ハーバードメディカルスクールのリサーチフェロー。

Contact Naoko Iwanaga at naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

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