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HPVワクチン、最も範囲を広くする9学年を対象とするキャッチアップ接種で了承 厚労省審議会

厚労省の審議会はHPVワクチンの無料接種のチャンスを逃した女性に再チャンスを与えるキャッチアップ接種について、9学年を対象として最も幅広く救済する案を了承しました。2022年から3年間実施されます。

子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチン。

厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会が12月23日に開かれ、HPVワクチンについて無料接種のチャンスを逃した女性に再チャンスを与えるキャッチアップ接種について、H9(1997)年度生まれ~H17(2005)年度生まれの9学年を対象とする案を了承した。

キャッチアップ接種の期間は2022年4月から3年間となることも了承された。

対象となる学年の女性全員にお知らせを送ることも了承され、予診票も一緒に送るよう求める意見が相次いだ。

ワクチン供給は間に合う? 予診票も送るべきだ

前回の議論では、事務局から提示された3案のうち9学年を対象とするよう求める委員がほとんどだったため、今回、厚労省もこの9学年を対象とする案を提示した。

期間については、短過ぎてもしっかり検討することができず、逆に長期間にすると接種を先送りして効果が薄くなる可能性が指摘されていた。HPVワクチンは性的な接触を始める前にうつのが効果的で、年齢が上がるにつれて効果は下がるからだ。

これについて事務局は2022年4月から3年間という案を提示した。

対象学年の範囲や期間については、多くの委員が概ね了承した。

ただ、接種の需要が一気に高まることで、ワクチンの供給が間に合うのか複数の委員から懸念が表明された。HPVワクチンは世界中で需要が高まっており、接種率が激減していた日本が急に方針転換したからといって、潤沢に手に入るわけではないからだ。

これに対して厚労省は、「需要の前提となる接種率の予測が困難なので、需要を正確に考えるのは難しい」とした上で、積極的勧奨の再開を指示した11月26日の健康局長通知で、定期接種の対象である5学年中、標準的な接種年齢である13歳とラストチャンスである16歳の2学年のみに毎年、個別にお知らせを送る案を例示していることを説明。

「毎年2学年ずつ個別の勧奨をし、キャッチアップ接種を3年かけて実施した場合、 必要なワクチンが概ね安定的に供給できると考えている」

「ただ、定期接種の対象者全学年に対して一度に個別勧奨を行ったり、キャッチアップ接種を短期間で実施して希望者が急激に増加した場合はワクチンの需要が一時的に供給を上回る可能性がある」とし、自治体にバランスを見ながら接種を進めていくよう促す態度を示した。

また対象者の女性に対する周知の仕方については、一律に接種に必要な書類「予診票」を送るのではなく、対象者であることや安全性や有効性を判断するためのリーフレットなどの資料を送って説明する案が提示された。

これについて、委員からは、「予診票はマストで全員に送るべきだ」「予診票は重要な情報源」「接種場所に行ったら予診票も置いてあるようにしてほしい」などの意見が相次ぎ、接種へのハードルを上げないように求める声がほとんどだった。

分科会は総意として、予診票も対象者全員に送ることを検討するよう厚労省に求めた。

また、都道府県や市町村、医療機関に対しても、対象者が安心して接種できるように、接種後に不安な症状があった場合の医療機関の体制や対応する医師の研修、相談窓口などを整えるよう、厚労省が通知を出して徹底させることなどが示された。

積極的勧奨が8年半ストップ 無料接種のチャンスも知らずにいた女子に再チャンスを

HPVワクチンは2013年4月に小学6年から高校1年の女子を対象に、公費でうてる定期接種となったが、接種後に体調不良を訴える声が相次ぎ、同年6月に厚労省は対象者に積極的に勧奨するのを一時中止するよう自治体に通知を出していた。

その結果、接種率は約80%から1%未満に激減。安全性や有効性を示す知見が積み重なり、厚労省は今年11月26日に通知を廃止し、自治体は定期接種の対象者に個別にお知らせや予診票を送ることができるようになった。

もう一つの論点が、積極的勧奨を差し控えていた8年半もの間に自分が対象者であることも知らず、無料接種のチャンスを逃した女性に再チャンスを与える「キャッチアップ接種」だった。

署名活動で要望した大学生ら「もう一度無料で打つチャンスが始まることが決まり大変うれしい」

産婦人科医の高橋幸子さんや感染症コンサルタントの堀成美さんが、接種のチャンスを逃した大学生たちとともにキャッチアップ接種を求めて活動し、2021年3月に厚労相に3万筆を超える署名を届けた「HPVワクチン for Me」はこの日の決定を受けて、以下のコメントを出した。

HPVワクチンのお知らせが届かなかった人たちに、もう一度無料で打つチャンスが始まることが決まり大変うれしいです。 HPVワクチンforMeでは再びこの情報が届かなくて、悲しい思いをする人がいなくなるくらい、対象年齢の人たちに情報を届ける活動を頑張って行きます!

また、男性を対象とした定期接種化、9価HPVワクチンの定期接種化に向けて声を上げる人達と協力して、引き続き当事者の声を届けてゆきたいと思います。 今後ともどうぞよろしくお願いします。