全国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、コロナ患者の診療に留まらず、一般の医療も圧迫され始めています。
政府に専門家が助言する新型コロナウイルス感染症対策分科会も対策強化を呼びかけており、危機感を強めなくてはならない段階に来ています。

私たちは現状をどう捉え、どう行動すべきなのでしょうか。
分科会構成員で、内閣官房参与、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議のアドバイザーにも就任した川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦さんに再びお話を伺いました。
※インタビューは11月25日午後にZoomで行い、その時点の情報に基づいています。
治療は以前より落ち着いてできるようになったが...母数が増加
ーー全国で感染者が増え、特に都市部での増加が著しくなっています。1人が二次感染を生み出す数である実効再生産数も関西では2になっています。危険な状態になっていると考えられますか?
そもそもの病気の治療についてまず考えると、はっきりしたマーカーのようなものはないのですが、ポイントを抑えれば、ある程度先が見える病気であることが一線の医師たちにはわかってきています。
医師が患者さんを診る上で、先が見えない手探り状態というのが一番不安なんです。たとえ経過が悪くても先の動きが見えていたら医師は落ち着ける。
それが少し見えてきているので、以前ほどハラハラドキドキせずに患者さんを診ることができるようになってきたというのは、診療現場で患者さんを診てきた医師の意見です。
また、致死率も下がってきているし、重症化する人はこういう要因があるということも大分わかってきています。
そういう意味では、落ち着いて重症者を診られる環境さえあれば、僕はそんなに慌てなくてもよい病気になっていると思っています。どのような検査値が重症化を表すか、という研究も進んできています。
ただし、患者の母数が増えてくれば、やはり重症化率はインフルエンザよりも高いので、注意して向き合う必要がある。インフルエンザのように感染が広がる手前で少しでも重症化を抑えることができるならば、より安心な医療に結びつく。そのためには何といっても医療体制がしっかりしていることが大切です。
一般の医療も回らなくなってくる
もう一つ、これも医療の観点からの考え方ですが、「医療の逼迫」というのは、コロナの患者さんを診ることができなくなることだけではなくて、コロナの患者さんを診るために、専門外のドクターまで駆り出されるということも入ります。
例えば、病床の確保はできたものの、呼吸器や感染症を専門にしている医師の数は限りがあるため、普段全く違う病気を診ている泌尿器科とか整形外科の医師にお願いをしないと医療現場が回らなくなっているという報告がありました。
医師であれば通常の肺炎は診ることができるでしょうけれど、特殊な状況や治療法に慣れているわけでは当然ない。専門外に手を出さなければいけなくなっている状況がある。
また、医療には看護が大切ですが、看護師も感染症や呼吸器の病気に慣れていない人にも応援を頼まなければいけない。特に、ICU(集中治療室)は特殊なところですから、専門の看護師でなければだめだと思うのですが、その数は限られています。
また応援に出した別の診療科、例えば泌尿器科や整形外科部門は手薄になり、そこの診療は縮小せざるを得ない、ということになります

そういうことが広がれば、医療全体としては「逼迫・崩壊している」と考えていいと思うのです。質の良い医療ができなくなってくるわけですから。
救急車を待たせなくてはいけない状況も出てきています。
また、病棟はコロナ患者を診るために空けられますけれど、そのために今いる患者さんに「すみません。早めに退院してください」とか、「予定の手術は数週間延ばします」など言わなければならない状況になってきています。
特にがんの患者さんの場合、医学的に今日明日中に治療を、というほど急ぐわけではないにしても、抗がん剤の使用を先延ばしにしたり、手術が延期になったら不安でしょう。早く治療をしてほしいと思うでしょう。
そういう全体の医療体制が崩れてくると、普段であれば治せる病気が治せない、タイミングが遅れるという、困る状態になります。
そのための対策として、感染者の全体の数ができるだけ広がらないようにする。若者は軽く済むからいいと考えていても、もしかしたらその若者は大けがをするかもしれない、とつぜん病気が現れるかもしれない。
その時に救急が受け入れられず、治療が遅れる可能性もあります。そういう受け入れ態勢を守ることが今は大切な時だと思うのですね。
ーー重症者の数は過去最高になっているようですが。
重症度をどう捉えるかという別の問題もありますが、重症度は3〜4月や7〜8月の山に比べて高まっているというわけではありません。
割合の問題ですね。裾野が増えているからてっぺんの人たち、つまり重症者、死亡者の数も増えるということです。割合は下がっている傾向にあります。
日本とは大きい背景の違いがありますが、欧米の様子を見ていると、ああいう風にはしたくない。なってほしくはない。放っておくとああいう状態になってしまうことを心配しています。
それならば、何かここで手を打たなければならない、ということです。
日本は今後欧米のような感染爆発となるか?
ーーもう欧米のような状態になる瀬戸際まで来ていると考えた方がいいのでしょうか?
そうですね。今、欧米状態ではないと思いますが、厚労省のアドバイザリーボードや分科会のメンバーたちは、「流行のフェイズは明らかに変わっている。潮目が変化してきている」という認識でいます。
経済の問題も当然ながら考えなければいけないわけですけれども、経済系の専門家たちも、「このまま放っておいたら結局は経済がパンクしてしまう」という考えは持っています。一方的に「経済を守れ」と言っているわけではない。
ーーこれ以上対策を打たないと、かなりまずい状況になるという危機意識は分野を問わず共有しているということですね。
そうですね。そこは共通の認識だと思います。
ただ、どのあたりまで対策を打つかという点で、経済系の専門家は、僕ら医療分野とは違う観点で色々な議論をしています。僕らの方はやはり医学的な視点を軸にしてコメントをしなければならないと思います。
「この病気にかかると致命的で危ない。目の前の患者がどうなるかわからない」というハラハラドキドキの状況ではなくなっていますが、大丈夫と太鼓判を押して診られる病気でもありません。
そこは注意しつつ、悪くならないように、悪くなる兆候を早く見つけて治療に結びつける。そういう環境を整えることが肝心なのだと思います
ーーこの病気は流行と収束を繰り返していくということは、初期の段階からわかっていたことではありますが、7、8、9月と低めの流行がダラダラ続いているうちに大きな波が来たという感じですね。早かったなという気がします。
「ハンマー&ダンス」という言葉をよく耳にするようになりましたが、流行が増えてくるとハンマーを振るい、落ち着いてくると軽めの対策でダンスを踊る、といったイメージです。対策のブレーキを踏んだり、緩和のアクセルを踏んだりという踏み分けが必要です。
柔軟性を持って運用するとはいえ、行政は1回制度を動かすとなかなか方向を変えづらい。急ブレーキをかけると逆に大きく振れたりもしますから、そこはブレーキ加減やハンドル感覚の難しいところです。
でもそういうのを乗り越えても、今は「このまま何もやらないのは感染者が急増して危ない」という認識です。
今は火の粉があちこちに飛んで火がついている状態
ーー今回の流行で重要だと思う特徴は何ですか?
これまで、ぶすぶすと燃え上がっているところを抑え込めば、火の粉が燃え上がらないで済むという考え方で対応してきました。感染者の濃厚接触者を特定して、早めに隔離対処するクラスター対策ですね。
でも今は、その火種が大きく燃え上がらないとしても、火の粉があちこちに飛んで少しずつ燃えているような状況です。飛び火ですね。それを消し止めるにはものすごく手間がかかるわけです。

人員も必要で、今のところはギリギリ間に合っていますけれども、実は火を消す人はあっちに走って、こっちに走って、ゼーゼー言っているような状態です。
そうなると、これまでのように丁寧には対応できなくなってきますし、全ての場所の火消しではなく、特に火が強いところをまず狙ってやらなくちゃいけないだろうということになります。
火消しであるクラスター対策が重要だということはみんなわかっていますが、クラスター対策に集中し過ぎて、重症者の入院が滞ってはいけない。
そこで保健所がやっている「積極的疫学調査」はすべてを対象にするのではなく、感染の拡大を抑えるために、より重要なところを優先してやるステージであると分科会は提案しているわけです。
新型インフルエンザ対策の計画をたてた時も、保健所がパンク状態だったら、いつまでも全てを丁寧に対応していると、やることだけに精力が取られてしまって大事なことを見失う可能性があるということは言ってあるんです。
しかし、実行はなかなか難しい。
そういう状況は考えなくてはいけないけれど、自治体は決まったことをやらないと不履行になります。しかし無理してやっても、できることは限られているのだから、割り切ってやれるようにしないと保健所や医療機関はダウンしてしまいます。
ーークラスター対策が追いつかなくなっている状況と考えていいですか?
全国一律でそういう状態であるわけではないです。北海道でも札幌市や旭川市はそうではないかと思うのですが、他の市ではまだそこまでいっていないので、きちんと火の粉を摘める段階ではないかと思います。
北海道は幸いにして7〜8月はあまり大きい流行はなく、今回遅れての発生となった感があります。
東京はすでに夏に手痛い思いをしているから、いろんな対策を取り、医療関係者や行政の担当者もある程度は抑えどころはわかっている、といったところもあります。そんな経験はしない方がいいわけなのですが、北海道はそれなしに今回の流行を迎えたともいえます。
そんな経験はしない方がいいわけなのですが、でもそれを経ないで大きな流行が来たら大変です。
逆に山陰地方は今までほとんど患者さんが出ていませんね。そこでは新型コロナに関しては未経験なので、感染者が発生すると「心配感」から少し強い対策を取りがちです。
たとえば感染者が発生すれば、症状の軽重に関わらず念のために原則入院となる、というようなこともあるようです。
しかし、そこに重症者が増え始めると病棟は少ないので重症者+軽症者でパンク状態になってしまう。こんなところも、全国一律ではなく、自治体単位で考えていかなくてはいけないところではないでしょうか。
「感染対策と経済の両立」 Go To事業自体が悪いわけではない
ーー政府は経済政策を進めたいとして、Go To事業を走らせています。私も含め、みんな鬱屈を晴らすかのように楽しく利用しましたが、今回、感染者が増えている自治体は一時中止の方針を打ち出しています。「感染対策と経済の両立」はずっと課題になり続けていますね。
僕はGo Toトラベルについて、悪者扱いする必要はないと思う。基本的には良い政策であると思っています。
僕自身は使っていないのですが、学会である都市のホテルに行った時に、ホテルにはGo Toトラベルで来たであろう親子連れが結構たくさん、楽しそうに遊んでいました。

やはり人はどこかで楽しむ時間があった方がいいし、配分が公平にいかないにしても、ホテル側にしてみれば少しだけでも潤ったと思います。功罪の「功」は大いに認めていいと思うのですね。
ただ、それがちょっと行き過ぎているなと思うのは、同じ時、同じ場所、同じ時間帯にみんなが殺到することです。
「紅葉がきれいだね」と見に行くのはいいとして、みんなが「紅葉を見るのは○○!」という調子で特定のところに殺到してしまう。
4月のお花見の時と同じです。お花見をするなら別に名所に行かなくてもきれいな桜が見られるんです。またそういうところを探したら新しい発見ができると思います。
そんな柔軟性を持てば、一斉に同じところ行って大混雑、ということはなくなるのではないかと思うのですが、でも人の心理は「みんなの行っている名所を見たい」「見逃したくない」なのですね。
それから、駅に行ったり、新聞の広告を見たりすると「Go Toキャンペーン! いま行けば楽しいことが盛りだくさん!あれこれあれこれ...」という広告がじゃんじゃん出ている。あれは僕はもう少し静かにやってもらいたい、と思います。
せっかくの事業なのですから、もう少し上手に利用しないと結局、使えなくなってしまいます。
僕は経済的な妙手は持っていませんが、これは細く長く続けたらいい事業ではないかと思っています。
ーーそのあたりの使い方や、感染を広げない行動でうまく息抜きするというやり方がなかなか浸透しませんね。
そうやって日本は繁栄してきたので、みんなでわーっと行って、楽しんでという意識が抜けきれないと思うのですね。それでも「細く長く」楽しむことも楽しめるようにしないといけないと思います。
ブレーキとアクセルを丁寧に踏み分ける時期
ーーどうやったらうまく息抜きできるようになるでしょうね。
例えば分科会が提言した「有給休暇を上手に合わせてお正月休みを長くとれるようにする」ようなことですね。これは「分散型の休暇」で、働き方改革の時にすでに提言されています。一斉に休みを取るのではなく、少し前後にずらしましょうということです。
僕たちが本当に目指すべき豊かな社会はそういうものだと思うのですよね。余裕を作り出す。サボるわけではなく、きちんと仕事をして、休む時は休む。それが目指すところですが、今それをやろうとすると、ブレーキを踏んだりアクセルを踏んだりを丁寧にすることが必要になります。
ーー今回、流行地に行くことを止め、流行地から他の場所への移動は規制されていませんね。中途半端です(※その後、11月27日に政府は札幌市、大阪市からの出発も自粛を要請)。
僕ら専門家の意見としては、例えば島根県の人が北海道に行けば、北海道でうつる可能性はあるし、北海道から東京に来たとしたら、東京でうつす可能性もある。東京でうつって北海道に帰る可能性だってある。
だからやはり一方向だけでなくて、双方向(出と入り)に制限をかけないといけないのでは、と思います。
でもそれはあくまでGo Toトラベルの話であって、人の動きを厳しく制限する段階ではないと思うんです。
Go To事業が感染を拡大させたという証拠はないですけれども、感染症を止める効率的な方法は人の動きを止めることだ、というのは感染症対策のゆるぎない事実です。しかしそこに、人々の気持ち、経済活動、損得などがからみ、複雑になります。
Go Toトラベルを止め、4月の緊急事態宣言の時のように人の動きも止め、新幹線の乗車をゼロ、というのを目指しているわけではなくて、そこは一定の動きはあっていい。
買い物だって普通に行って構わない。そのための流通も必要だし、医療機関には絶対に行ってもらわないと困る。健康診断とか検診とか、慢性病のチェックとか、治療中のものに関してはちゃんと通院しなくてはなりません。
また、今の流行状況からいえば、少なくとも学校(小中高)の一斉休校はしなくていい。それは教育の重要性と病気のリスクとのバランスをとった考えで、その状況も全国様々です。
やるべきことはやりながら、我慢すべきところは我慢する。我々に今必要なのは、「いい塩梅」ということではないでしょうか。
病院を破裂させるな 患者の全体数を抑えることが肝心
ーーそのメリハリをつけるのが難しいのですよね。「Go Toで移動や飲食が促されているなら、もう以前のような日常生活を送っていいんだ!」と気持ちも緩んでしまいます。
テレビで見たのですが、街の人の話として「なんとなく心配だけど、国がいいと言っているんだから遊んでもいいか」という感じですよね。「ダメって言うならやめるんだけど...」というのが多数派ですよね。
ーーコロナとの付き合いも長くなりそうですから、そのあたりをどう伝えていくかが課題です。ぐっと増えたとたん、厳しいことを言って脅す、という繰り返しもどうかと思います。
ぐっと増えている時は全体数を抑えないと、結局は自分の身に降りかかってくる可能性があるんだから気をつけましょうよ、ちょっとでも減らしましょうよということです。せめて急上昇になるのは抑えたい。

風船に空気をどんどん吹き込めば破裂するのは目に見えていますが、適当に空気の出口を作っておけば、うまく循環して、ある程度膨らんだままの状態が保てます。
入院患者さんも、軽い人は風船の外で様子を見て、風船の中でよくなった人は早めに出てもらうようにする。そして風船の中では重症な人をきちんと治療する。
そんなスタイルが保てるとよいのですが、そのためにはやはり多くの人が感染して狭い入口に押し掛けるようなことが少なくなるようにしなくてはいけない。今はそんな時期だと思っています。
ーーでも入退院の流れは流行初期と比べるとだいぶん良くなりましたね。
東京都の話を聞いても、割と軽い患者さんはホテルの療養に回るということはできているようですね。ただ、ホテルもいっぱいになってきています。
また、感染者がこれまで少なかった地方は、ホテルとあまり交渉ができていなかったり難航したりしているようです。
ーーどちらかというと今はホテルはGo Toトラベルのお客さんを受け入れたいでしょうしね。
ホテルはそのほうがいいでしょうね。風評が立つんじゃないかという心配もあるでしょう。当然、経営者としては一般のお客さんが来てくれた方がありがたい。でもそこを理解してもらってなんとか確保しないといけないとは思いますね。
ハンマーは必要か? 緊急事態宣言という劇薬を使わないように
ーー今後について伺います。個人の努力だけに委ねていい段階ではないと、西浦博先生もおっしゃっています。先生は現状をどう見ていますか? 手洗いして三密避けろ、では無理な段階ですか?
そこは西浦さんと同じです。
個人の対策も諦めるべきではないし、それは今後もずっときちんとやるべきことです。三密回避や手洗い、マスクなど、今までの日本のやり方には期待したいし、全員ができるのは無理としても、マジョリティがどっちを向くかということでは、希望を失っていない。一人ひとりの力は強いと思っているんです。
ーー先生は個人の努力に期待しているんですね。
いや、それにも期待するということです。「個人の努力だけに頼ってはいけない」とは思っています。
病院で例えると、良心的な医者と献身的なナースと、とても物分かりのいい院長だけでは決まらない話です。そこはやはりルールや組織、行政、国の関与、財政的支援などが必要だと思います。
ーー逆に言えば、個人の努力では間に合わない段階に来ているということですか?
そういうフェーズに来ていると思います。
ーーハンマー(強い行動制限などの政策)を打つべきだという意味でよろしいですか?
うーん。そのハンマーを、どでかいハンマーでドカーンとやるのか、もう少し小さいものでコンコンコンコンやるのか。それほど大きなハンマーを使わなくてもなんとかしたいところです。
ーー緊急事態宣言をもう一度出す可能性はありますか?
それはあります。可能性はゼロではない。使わないに越したことはなくても想定は必要です。でもそれは手持ちの中にあるあまり使いたくない力です。緊急事態宣言は劇薬中の劇薬ですから。
ただし、使った以上は、副作用を少なくする努力をしながら効果的にやらないと意味がなくなるんです。
ーーなるべく使いたくないと専門家集団としては思っている。
そこまで行かないためには、我慢のレベルを上げないとダメだと考えています。おそらくその我慢のレベルは、西浦さんはもっと高いレベルを想定しているし、僕はもう少しゆるいのかもしれない。
ただゆるゆる過ぎると何をやっているかわからないことになります。ある程度のレベルのことが必要です。逆に西浦さんも、「経済を殺すわけには行かない」ということも言っていますね。
(続く)
【岡部信彦(おかべ・のぶひこ)】川崎市健康安全研究所所長
1971年、東京慈恵会医科大学卒業。同大小児科助手などを経て、1978〜80年、米国テネシー州バンダービルト大学小児科感染症研究室研究員。帰国後、国立小児病院感染科、神奈川県衛生看護専門学校付属病院小児科部長として勤務後、1991〜95年にWHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局伝染性疾患予防対策課長を務める。1995年、慈恵医大小児科助教授、97年に国立感染症研究所感染症情報センター室長、2000年、同研究所感染症情報センター長を経て、2012年、現職(当時は川崎市衛生研究所長)。
WHOでは、予防接種の安全性に関する国際諮問委員会(GACVS)委員、西太平洋地域事務局ポリオ根絶認定委員会議長などを務める。日本ワクチン学会名誉会員、日本ウイルス学会理事、アジア小児感染症学会会長など。