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新型コロナ陽性者に対応した医者に参加自粛…? 日本集中治療医学会に批判殺到→修正

日本集中治療医学会の学術集会で、新型コロナウイルス陽性者や肺炎発症者を診た医療者の参加自粛を求める文言が、医師らの批判を受け、修正されました。大会長は、今回、国の要請に応じて感染者を受け入れた藤田医科大学の教授でした。

3月に名古屋市での開催を予定している「日本集中治療医学会」の学術集会が、新型コロナウイルス (COVID-19)による肺炎発症者や陽性者の対応をした医療者の参加自粛を求めていたことが2月25日、わかった。

専門家が適切な感染防護策を取って診療していれば、自ら感染し、他者にうつすこともないとされている。そのため、診療した医療者だけ感染のリスクを高く見ることに、感染症専門医らから批判の声が上がっている。

同学会は25日、「個人防護具の破綻など曝露の可能性のある医療従事者の来場は自粛」に要請内容を修正した。

日本集中治療医学会

当初「日本集中治療医学会」のウェブサイトに書かれていた「COVID-19に関する重要なお知らせとお願い」。「学術集会の2週間以内に、実際に、新型肺炎症例、陽性者の対応を行った先生は学会への参加は自粛いただくようにお願いします」と書かれている

学術集会会長は、国の要請を受けてダイヤモンド・プリンセス号の未発症感染者を、「国の危機に大学病院として貢献する使命がある」として受け入れていた藤田医科大学の教授だ。

自らの大学で対応している医療者も含め、国の危機に力を尽くす医療者を医学的に意味のない理由で排除しているとも取れる自粛要請に、藤田医科大学病院病院長の湯澤由紀夫氏はこう話す。

「ホームページでのコメントは不適切な表現であり遺憾と考えています」

当初の要件では藤田医科大の医師も参加不可能に

日本集中治療医学会は、3月6日から8日まで、名古屋市の名古屋国際会議場などで、第47回学術集会を開く予定だ。

学術集会のウェブサイトトップページには当初、「COVID-19に関する重要なお知らせとお願い」が掲載され、当初「学術集会の2週間以内に、実際に、新型肺炎症例、陽性者の対応を行った先生は学会への参加は自粛いただくようにお願いします」と書かれていた。

これに対し、藤田医科大学の医療従事者からも「感染者に対応したら学会に出られないということか」と疑問視する声が上がった。

時事通信

ダイヤモンド・プリンセス号から発症していない感染者を数多く受け入れている藤田医科大学岡崎医療センター

自らの大学で対応している医療者も含め、国の危機に力を尽くす医療者を医学的に意味のない理由で排除しているとも取れる自粛要請に、藤田医科大学病院病院長の湯澤由紀夫氏はBuzzFeed Medicalの取材にこう話す。

「現在、岡崎医療センターでの感染予防対策は継続して厳重に行っており、職員が感染した可能性のあるインシデント(事態)は現時点で発生していません」とした上で、「ホームページでのコメントは不適切な表現であり遺憾と考えています」と批判した。

ただし厚労省が、イベントなどの開催について、「感染の広がり会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する」としていることから、「現状から考えて、日本集中治療学会理事会が学術集会を予定通り開催するかにつき慎重に検討されることを希望します」とも話した。

学術集会会長で藤田医科大学麻酔・侵襲制御医学講座主任教授の西田修氏は以下のようにコメントを寄せた。

HPでの記載は、集中治療学会関連の感染症専門医の助言を受けて、下記のように本日朝に既に変更させて頂いております。(HPでの掲載変更は先週末には依頼しておりましたが、連休のため本日朝となっております)。

「新型コロナウイルス感染症の診療に関わり、個人防護具の破綻など曝露の可能性のある医療従事者の来場は自粛いただくようにお願いいたします」

もとより、新型コロナの診療に関わられている方に関して、一律に自粛を求めるものではありませんでしたが、ご指摘のように誤解を招く恐れもありましたので、訂正させて頂いております。また、参加を拒否するものでは無く、直接会場来て、ご講演、ご発表が困難な方には、当初より、録画での講演、インターネットを用いた発表、代理での発表など様々な対応をしております。

なお、学会を開催するかどうかは流動的であり、本日の厚労省の発表も踏まえて理事会で慎重に検討中です。

感染症専門医は「診療に当たっている医療従事者を差別することは厳に慎むべき」と批判

この参加自粛要請には、関係者以外の医療者からも批判の声が上がった。

国立国際医療研究センターで新型コロナウイルスによる患者を診ている忽那賢志氏は、学会の名は伏せたまま、2月22日に「『新型コロナ患者を診たら学会参加を自粛せよ』は適切か」とする記事を公表した。

その中で、忽那氏は、「特に根拠なくCOVID-19の診療に当たっている医療従事者を差別することは厳に慎むべきであり、このような対応が続き新型コロナウイルス感染症を診療する医療従事者への風当たりが強くなれば、COVID-19を診る医療従事者は国内から減っていくことが危惧される」と学会の姿勢を強く批判した。

中国の病院やダイヤモンド・プリンセス号船内では医療従事者の感染も確認されているが、十分な感染防護策が取られなかった状況での感染とみられる。

忽那氏は記事の中で、陽性者を診ている国内の医療機関では、標準的な感染予防策の他に、目の粘膜を保護するゴーグルなど厳重な防護策が取られており、感染のリスクはないとしている。

追記

第47回日本集中治療医学会学術集会は2月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に中止することを決定しました。

Contact Naoko Iwanaga at naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

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