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清原和博さん、高知東生さん、塚本堅一さんの本を矯正施設へ 寄付の呼びかけスタート

仲間とつながることが回復の鍵を握る薬物問題。刑務所などの矯正施設にいる人たちに、回復の道を歩んでいる先輩たちの本を届けるためのクラウドファンディングが始まりました。

「孤立の病」とも言われる薬物依存症は、人とつながることが回復の鍵を握る。

一般社団法人ARTS / Via youtube.com

薬物問題から回復の道を歩み始めている3人の本を矯正施設に送る企画のクラウドファンディングが始まった

自助グループにつながって回復の道を歩み始めている清原和博さん、高知東生さん、元NHKアナウンサーの塚本堅一さんが自身の体験を書いた著書を、刑務所などの矯正施設にいる人たちに届けようと、クラウドファンディングが始まった。

3人も動画で支援を呼びかけている。

クラウドファンディング「清原和博さん、高知東生さん、元NHKアナ塚本堅一さんの著書を矯正施設に届けたい!」はこちら

「花の2016年組」の勇気を薬物問題で苦しむ仲間へ

この3人は薬物問題の支援に取り組む人たちから「花の2016年組」と呼ばれている。

いずれも2016年に薬物問題で逮捕された後、自助グループや回復プログラムにつながって自分の過去を見つめ直し、自分の体験を公表して同じように苦しむ仲間たちを助ける活動を始めているからだ。

それぞれが自分の体験を、清原和博さんは『薬物依存症』、高知東生さんは『生き直す 私は1人ではない』、塚本堅一さんは『僕が違法薬物で逮捕され NHK をクビになった話 』という著書にまとめている。

クラウドファンディングでは、この3冊をセットにして、刑務所・拘置所約80か所、少年院約50か所、少年鑑別所約50か所、保護観察所約50か所、地方更生保護委員会8か所の計約250施設に寄贈することを目指す。既に法務省矯正局の承諾を得て、協力を取り付けている。

1か所に3セットずつ送る書籍代や手数料として330万円を目標としている。

回復のために必要な情報が届くように

覚せい剤のような依存性の高い薬物では再使用を繰り返すことが多いが、回復のために必要な情報は届いていないのが現状だ。

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部共同研究「覚せい剤事犯者の理解とサポート 2018」によると、覚せい剤で逮捕された人のうち、回復支援を受けている人は少数派で、その存在を知らなかったという人も一定割合いる。

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部共同研究「覚せい剤事犯者の理解とサポート 2018」 / Via ncnp.go.jp

また、出所後にどんなことがあれば回復支援機関を利用するか尋ねたところ、「どんな状況でも支援は受けない」と答えた人はわずかだった。

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部共同研究「覚せい剤事犯者の理解とサポート 2018」 / Via ncnp.go.jp

「自分の力ではやめられないと感じれば」が最も多く、「体験者から詳しい話を聞ければ」という人も2割前後いる。

こうした人たちに、華やかな世界にいた人でさえ仲間の助けを借りながら生き直していることが伝われば、出所後に適切な支援に繋がれる可能性が高まるのではないかと本の寄贈を企画した。

3人からもメッセージ「人とのつながりが大事です」

3人も協力を呼びかける動画メッセージを公開した。

YouTubeでこの動画を見る

youtube.com

3人が支援を呼びかける動画

「同じように苦しんでいる仲間が、この本を読んで少しでも自分と一緒に、戦ってもらえるような気持ちになってもらいたいと思っています」(清原さん)

「再犯防止のためには人との繋がりが大切です。
是非この本を読んで頂きたいので、皆さんご協力お願いします」(高知さん)

「誰にでもやり直すチャンスはあります。
ご協力お願いします」(塚本さん)

クラウドファンディングを企画した一般社団法人「ARTS(Addiction Recovery Total Support)」代表理事の田中紀子さんは、こう協力を呼びかけている。

これだけ正直に、薬物を使ったきっかけから回復プロセスを語って下さったお三方の告白は大変貴重です。
これまで日本には「ダメ。ゼッタイ。」教育しかなかったことから薬物問題で失敗すると再起の方法が分からず、結果として再犯率が高止まりしています。
お三方の回復プロセスが問題を抱えた人だけでなく、支援者および社会全体に広まることを望んでいます。
このプロジェクトが成功するよう、応援のほど宜しくお願い致します。

薬物依存症の患者を診ている国立精神・神経医療センター精神保健研究所薬物依存研究部部長の松本俊彦さんも以下の応援メッセージを寄せている。

「薬物依存症からの回復に必要なのは、説教や叱責、あるいは辱めなどではなく、希望です。そして、先行く仲間の正直な告白ほど、これから回復を目指そうとする人たちに希望を与えてくれるものはありません。ぜひみんなで力を合わせて、日本中の刑務所に希望を届けましょう!」

クラウドファンディング「清原和博さん、高知東生さん、元NHKアナ塚本堅一さんの著書を矯正施設に届けたい!」はこちら

Contact Naoko Iwanaga at naoko.iwanaga@buzzfeed.com.

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