Netflix映画『ドント・ルック・アップ』、観ましたか?

大学院生と天文学博士が、半年後に地球に衝突する彗星を発見するところから始まるブラック・コメディ映画です。
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地球壊滅レベルの彗星衝突を予測した2人ですが、その危険性を訴えても、誰も耳を貸しません。NASA長官も、アメリカ大統領も…

そしてメディアも。朝のトークショーに出演した時には、2人の訴えは一蹴され、嘲笑されます。

映画は、今の世界がいかに混乱したものかを皮肉的に表現しているといえます。

話は変わって、現在のイギリス。

過去最高となる40.3度を観測し、イギリスの人々はこれまでにない暑い夏を経験しています。

イギリスだけでなく、ヨーロッパ各地が熱波の被害に。スペインとポルトガルでは、1日に1000人以上が「暑さ」が原因で亡くなりました。

この状況で、英CBNニュース番組のお天気コーナーでのあるやりとりが『ドント・ルック・アップ』にそっくりだと話題になっています。
ベン・フィリップスさんが、映画のワンシーンと番組の様子を並べた動画を投稿。ツイートは65万以上の「いいね」を集めるなど、拡散されています。
A clip from Don’t Look Up, and then a real TV interview that just happened
彗星衝突の話をしてもふざける司会者たちに対し、ジェニファー・ローレンス演じる大学院生のケイトが声を荒げます。

これに対し、 ケイト・ブランシェット演じる司会者の1人は「この番組は、悪いニュースも楽しく取り上げるの」。

ではイギリスの番組を見てみましょう。話は、ヨーロッパを襲っている熱波について。中継先の気象予報士、ジョン・ハモンドに司会者が「そんなに暑くないですよね?」と話しかけます。

「今は過ごしやすいですが、呑気にしてはいられません。来週は気温が上昇します。来週早々、数千人ではなくとも数百人の死者が出ると私は思います」

「私が今見ている数値は、驚異的です」

「天気がいいのはみんな好きですが、『天気がいい』では済まなくなります。致命的な気温になりかねません」

「もうジョン。ただこの天気を楽しんでいたいだけなの」と司会者が遮ります。

「気象予報士が運命論や死の前兆を伝える存在になるなんて、何があったかは知らないけど」

「どのチャンネルをつけても、特にBBCは、いつも天気や大量の死亡者について話しています。これまでだって暑い時期はありましたよね?」

「熱波はますます激しくなっています。別の熱波もまたやってきます」

……ふむ。

これは映画で見たやつだ。

日常生活が終末映画に近づいているというのも、一理あるのかもしれませんね。

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子