イチローの、ヒット以上に心暖まるエピソード
イチローのストーリーには、ヒット以上の価値がある。
ほぼ間違いなく野球史上トップクラスの打者であるイチローは、44歳という若さで事実上の引退となった。

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イチローが日本から米国に来たのは27歳のとき。あっという間にメジャーリーグを席巻し、1年目にゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞、新人王、MVPを取ったのだ。
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MLBでのキャリアをマリナーズ、ヤンキース、マリーンズで積み、3000本以上のヒット、10回のゴールドグラブ賞獲得、10回のオールスター出場などの実績を持ち、野球殿堂入りが期待されている。

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ただし、イチローはその業績をはるかに上回る感動を与えてくれた。そこで、彼が多くの人から愛される理由となった、あまり知られていないちょっといい話を紹介しよう。

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1. 例えば1995年、バスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダンに会うため米国を訪れた22歳のイチローは、「トムとジェリー」のタートルネックセーターを着て舞い上がっていた。
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シアトル・マリナーズでプレーすることになる5年前、日本の野球界で売り出し中のスターが、マイケル・ジョーダンと対面し、ほほ笑ましいほど興奮していた。
2. スポーツキャスターのボブ・コスタスにインタビューされたイチローは、米国で使われているお気に入りの言い回しを問われ、ある下品なジョークが大好きだと答えた。
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「8月のカンザスシティは、ウールの靴下に糞ったれな“つがい”のネズミを入れたときよりもお熱い」
3. 大リーグ在籍中にスペイン語を学んだイチローは、対戦相手の選手と馬鹿話ができる。

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イチローは、スペイン語による馬鹿話の重大な秘密を「スペイン語を話す選手たちに親近感があるから」と説明した。
「僕や彼らは、慣れない国で暮らすよそ者……あと、日本語には悪態をつく言い回しがあまりないので、日本語だと表現できないことを西欧の言葉なら言える、という点が好きだ」(イチロー)
4. 2015年、マイアミ・マリーンズに在籍していた41歳のイチローは、1イニングだけリリーフ投手として登板したことがある。
The only swing & miss of Ichiro's career
2安打、1自責点を献上してしまったが、フレディ・ガルビスから空振りを奪った。
5. 米国に来たばかりのころ、米メディアの記者から飼い犬の名前を尋ねられたイチローは、「犬から許可をもらっていない」と切り返した。


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この可愛らしい柴犬の名前は「一弓(イッキュウ)」。
6. イチローが初めて買った音楽レコードは、ヒップホップMC、スヌープ・ドッグの作品。マイアミビーチにあるイチロー宅には、彼の実物大ポスターが貼ってある。


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「歌詞の意味は分からなかったのだけど、彼の音楽が好きだった」
7. イチローは、日本と米国で打った通算ヒット数を記録し続けてくれたファンに、直筆の手紙を出した。

8. 米国にかつて存在した、アフリカ系アメリカ人による野球リーグ「ニグロリーグ」のレジェンドであるバック・オニールと親しく交流していたイチロー。オニールの訃報を受け、イチローはその功績をたたえるためニグロリーグ野球博物館に寄付をした。

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スポーツ系CATV局ESPNのライト・トンプソン記者によると、イチローはカンザスシティへ向かう途中、アポなしで博物館を訪問したという。
そしてイチローは、バック・オニールの葬儀に花も手向けた。さらに、記録を破った選手たちの墓参りをしたり、野球殿堂博物館のあるニューヨーク州クーパーズタウンを頻繁に訪れたりすることも知られている。
9. 言葉の壁があるにもかかわらず、イチローはオールスター戦の際、クラブハウスで試合前に極めて下品な内容のスピーチをすることが恒例となっていた。

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10. イチローがヒーローとして挙げた人物は、誰もがヒーローと認めるケン・グリフィー・ジュニア。


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イチローは、生涯に一度しか見られないレベルの、野球を超越した選手だ。ヤンキース時代のチームメイトで、現在マリーンズCEOのデレク・ジーターは、「彼のような人物は、おそらく二度と現れないだろう」と評価した。

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この記事は英語から翻訳されました。翻訳:佐藤信彦 / 編集:BuzzFeed Japan