2013年、セブン-イレブンが店頭でコーヒーの販売を開始した。その場でコーヒー豆を挽き、ドリップマシーンで注ぐ新鮮なコーヒーは「セブンカフェ」として人気を博した。
それ以来、いわゆる“コンビニコーヒー”が人々の生活に定着し、「缶コーヒーを買わなくなった」という声も聞かれるようになった。
コンビニコーヒーが当たり前に浸透してから、缶コーヒーって買わなくなったよな。コンビニによっちゃシナモン、バニラ、キャラメルとか一緒に置いてあるから甘党万歳ですよ。
確かに、コンビニコーヒーの売り上げは急増している

では、「缶コーヒーは売れなくなっている」のか?
セブンコーヒーで打撃を受けたのはカフェじゃなくて缶コーヒーじゃないかな。
初めてセブンコーヒー買ったけどなるほどな 皆が買う理由が分かった これなら缶コーヒー買うより断然いいな
いいえ、今年の缶コーヒー売上は増えています

缶コーヒーの売上アップはコンビニコーヒーのおかげ?

缶コーヒーとコンビニコーヒーは「共存しあえる」
日本コカ・コーラに「缶コーヒーとコンビニコーヒーは共存しあえるか」と質問してみた。その答えは「すでに共存している」というものだった。
「(缶コーヒーとコンビニコーヒーは)お客様が自分のニーズやシチュエーションに合わせて選ぶものであると考えており、コーヒーという大きなくくりの中で、それぞれの役割があると考えております」
またコンビニコーヒーの火付け役であり、缶コーヒーも売っているセブン-イレブンはこう話す。
「実際は缶コーヒーも伸びています。特にスクリューのボトル缶は、飲み干さなくてもいいので移動する人に人気。ドリップとは利用シーンが違っており、好調に推移しています」
コンビニコーヒーと缶コーヒーでは求めるものが異なるのだ。コンビニコーヒーでは、挽きたてのコーヒーにミルクや砂糖を入れて「自分が調整する味」を。一方の缶コーヒーは、メーカーがベストなバランスだと考える「完成された味わい」を提供している。
個人の嗜好が多様化した現代。その影響がコンビニコーヒーを躍進させ、コーヒー市場に活況をもたらしているのかもしれない。