結婚式の立会人を2時間で見つけなくてはならなかったカップル。ネットで呼びかけると…

    ぜひ立会人になっていただけませんか?

    こちらはカナダのエイナヴ・モルゲンシュテルンさんとタマル・ヤヘルさん。先月、トロント市庁舎で結婚式をあげる準備をすっかり整えていた2人は、思いがけず大きな壁にぶつかりました。立会人をつとめるはずだった友人2人から、参加できなくなるかもしれないと言われたのです。

    式を挙げる予定の市庁舎で、誰かをつかまえて立ち会いをお願いすることもできましたが、彼女たちには別の考えがありました。 Bunzです。BunzはFacebook上のコミュニティーで、ユーザーが物を取引したり助けを求めたりする一連のグループで成り立っています。モルゲンシュテルンさんは、Bunzのトレーディング・ゾーン(Trading Zone)にこちらのメッセージを投稿しました。

    みなさん、私と私のパートナーは10年近く一緒にいます。子供も育てていて、もうすぐ二人目もやってくる予定です。何年か前に、イスラエルで親族と友人だけで式は挙げているものの、イスラエルでは同性婚は認められていません。今はカナダに住んでいるので、この国で正式にカップルとして認められたいと思っています。

    トロント市庁舎で11時に式をする予定です。10-20分ほど時間があるようでしたら、ぜひ立会人になっていただけませんでしょうか?

    お返しに、あなたに祝福と愛を送りたいと思います。

    メッセージは大きな反響を呼びました。「数分の間に何百件もの『いいね』をもらい、コメントもたくさん寄せられました」とモルゲンシュテルンさんは、BuzzFeed Canadaに語りました。

    カメラマンのサージド・ムータラさんがBunzのメッセージを目にしたのは起きてすぐでした。結婚式の約1時間前のことです。

    子育て中の専業主婦モニカ・ケリーさんが投稿を見たのは、グレープ・ジェリーを作っている時でした。「『行かない理由はある?』と思ったんです」と彼女は言いました。

    ダンスカレッジでアート・アドミニストレーターを務めるリーリャ・スルタノバさんが投稿を見たのは、ちょうど出勤しようとしていた時でした。「上司にメッセージを送って、市庁舎で行われる結婚式があってそれに参加したいので、少し遅れて出勤しても構わないか、と聞きました」と彼女は語りました。

    俳優のケン・ファーガソンさんはその日は調子をくずしていたそうですが、投稿を見てカップルを助けられるとわかった彼は、「すぐさま元気を取り戻した」そうです。

    初対面同士の4人の立会人が集まり、モルゲンシュテルンさんとヤヘルさんが結ばれるのを見守りました。

    モルゲンシュテルンさんによると、同性カップルである彼女とヤヘルさんは、物事を従来とは違ったやり方でやるのが好きだそうです。例えば、イスラエルで挙げた結婚式では、非宗教的な式にユダヤ文化を一部取り入れたそうです。

    「同性愛者として、手に入れて当然というものは何もないからこそ、何を選択し何をしたいかを決められるという特権が私たちにはあるのだと感じています」と、モルゲンシュテルンさんは言います。「そのために珍しい経験をする機会に恵まれているのです。今回の出来事もそうです」