back to top

イギリスの女性受刑者は、刑務所でブランドバッグを作っている

この仕組みは、犯罪者の社会復帰にとっては素晴らしいことだが、その透明性を巡る問題もある。

イギリス最大の民間刑務所に収容されている女性受刑者らは、ファッションデザイナーのアイテムを制作している。このプロジェクトに参加しているデザイナーの中には、このことを秘密にしてきた人もいる。

支援者たちは、受刑者の社会復帰を促す良い影響を示す事例と捉えている。その一方で、このプロジェクトの不透明さは、アウトソーシング産業が抱える根本的問題に光を当てている。

アウトソーシング会社のSodexoが経営する刑務所「Stitch in Time」が、このプロジェクトの拠点だ。時価総額数百万ポンドのBlue Skyの子会社、Blue Sky Insideが運営している。犯罪者の再就職を支援するために2005年に設立された。

ここの受刑者らがBroraAnya Hindmarch、Sue Bonhamなどのブランドのために働き、ハイダウン刑務所の男性受刑者らがET Gamesのボードゲームを作っていることは、すでに公表されている。

しかし、受刑者らは、名前が公表されていない他のデザイナー向けにもアイテムを作っており、そのデザイナーが誰なのかや、どのようなアイテムなのか、あるいは、それがいくらなのかを公表する法的義務はない。しかしBuzzFeed Newsは、このようなデザイナーはほんの一握りで、受刑者の主な顧客は全て一般に公表されていることを確認した。

Anya Hindmarchは、Blue Sky Insideを利用していることを公表している。昨年、ハンドバッグ用の黒と白のダストバッグを縫う女性たちに、週に9.6ポンドしか支払われていないことを巡って、ネガティブな見出しになって取り上げられた。

Blue Skyは、その立場上、刑務所の賃金を設定していないと話している。つまり、賃金の設定は英犯罪者管理局 (NOMS) が責任を負っており、このプロジェクトで働いている受刑者らは、受刑者の平均週給以上のお金を稼いでいるのだという。

Anya Hindmarchの広報担当者は、BuzzFeed Newsに対してこう語った。「弊社はこのプロジェクトを支援できることを非常に誇りに思っています。Blue Sky Insideが作る弊社のコットン製の保護緩衝材の量はごくわずかです。このような外注は、弊社にとっては通常よりも経費がかかりますが、このプロジェクトは社会復帰を目指す女性にとって本当に大きな変化をもたらすと、弊社は考えております」

「この枠組みの中で働く女性は、新しいスキルを学び、履歴書に記載できる経験を得ることで、出所時にはより確実に雇用を得ることができます。弊社はこれはまさに『女性が女性を支える』ことの実践だと感じており、犯罪者がより良い成果を得るのを奨励するこの取り組みに、他の企業も参加するよう促しております」

Anya Hindmarchは、全ての商品が受刑者によるものだと宣伝しているわけではない。しかし、広報担当者はこう語る。「弊社はいずれのサプライヤーについても宣伝していません。Anya Hindmarchは、Blue Sky Insideとの慈善提携について一般に向けてよく話しており、この慈善活動のパトロンでさえもあります」。

Broraも、そのサプライヤーについて宣伝していないが、スタッフの言葉がBlue Skyのウェブサイト上で引用されている。この会社は、このプロジェクトに8000個のジュエリーバッグを委託している。契約を結んでいる別の会社ET Gamesは、オンライン上でBlue Sky Insideとの提携を宣伝している

受刑者らは現在、他のデザイナー向けにはほんの一握りのプロジェクトでしか働いていないと考えられている。BuzzFeed Newsはそのデザイナーの詳細について尋ねたが、回答は得られなかった。Blue Skyは、民間刑務所事業者と提携する有限責任会社であり、そのため、情報公開請求を行い、これ以上のことを明らかにすることはできない。つまり、法務省は関連情報を持っていないのだ。

広告

Blue Skyの広報担当者は次のように語った。「刑務所の制度の中で作業場を運営するということは、我々のポートフォリオが敢えて小さくなることを意味します。これは、提携会社に商品を提供する一方で、我々が受刑者に仕事と教育の両方を提供しているからです。我々はデザイナーから1回限りの注文を受け付けたり、女性の学習機会を広げるためのチャリティーファッションショーなど、他の取り組みも行っています」。

Blue Sky Insideの年次決算報告書によると、同社は144人の受刑者を雇用しており、支援をすることができたこのうちの32%は、出所後に有給雇用に就いたという。Blue Skyの業務執行取締役のケイト・マーキー氏は、BuzzFeed Newsに対し、この取り組みについてさらに情報を提供してくれた。メールで送られてきた文章の中で、彼女は我々にこう語った。「Blue Sky Insideで働いた女性たちは、国の平均と比べて、出所時に3倍、仕事やボランティア活動の機会を見つけやすくなっています」。

マーキー氏はこう続ける。「これは弊社の取引先パートナーにとって重要な慈善プロジェクトです。提携企業は、人生を変化させようとする女性たちを支援する我々にとって、なくてはならない存在です。仕事と能力の開発を提供してくれるこのような契約がなければ、我々は出所に向けた準備をする彼女たちの支援をすることはできません」。

彼女はこう付け加えた。「現在までに、Blue Skyは取引先パートナーと共に、1150人の元受刑者を雇用し、そのうちの40%以上がその後に職を得ました。法務省は、Blue Skyのアプローチが再犯を最大23%減らせることを突き止めました」。

マーキー氏は、匿名の受刑者の証言もいくつか提供してくれた。ただし我々はこれらの証言を独自に確認できていない。ある受刑者は「新しい技術を学び、自分には不可能だと思っていたことを達成することができ、素晴らしい環境で働くことで、自信を持つことができました」と語っている。

そして、この受刑者はこう付け加えている。「ここの刑務所を出るまでには、希望と新しいスキルを身につけることができているはずです。困難な状況から抜け出せると思いますし、自分は二度と刑務所には戻って来ないと言い聞かせています」。

Blue Sky Insideはウェブサイトに新しいビデオを追加した。ここでは、この仕組みがさらに詳しく取り上げられている。

YouTubeでこの動画を見る

youtube.com


バズフィード・ジャパン グローバル・アダプテーション・エディター

Mamiko Nakanoに連絡する メールアドレス:Mamiko.Nakano@buzzfeed.com.

Alan White is a news editor for BuzzFeed News and is based in London.

Alan Whiteに連絡する メールアドレス:alan.white@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here.

Sponsored