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斬新な映像、挑戦的なテーマ。ちょっとオルタナティブな19の傑作LGBT映画

LGBT映画と意識せずに観ていたかも

LGBT(セクシュアル・マイノリティ)を主人公にした映画の中には、斬新な映像や、挑戦的なテーマに果敢に挑んだ傑作がたくさんあります。

そこで、18日まで開催中で、25周年を迎える国際映画祭「レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」の上映プログラムを担当されている加藤健太さんに、傑作LGBT映画を紹介してもらいました。

隠れた名作的な要素がありつつも、比較的入手しやすそうな作品を中心にピックアップ。LGBT映画と特に意識せずに観ていた作品もあるかもしれません。

制服の処女(1931)

アイ・ヴィー・シー / Via amazon.co.jp

レオンティーネ・ザガン監督作品。ドイツ映画。「1931年に女性監督による女性キャストのみの映画があること自体がすごい。ナチス台頭の時代背景の中、みずみずしい女の子たちが登場し、先生と生徒の恋愛関係が描かれる。監督はこの映画の公開後、国外逃亡することとなった」

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噂の二人(1961)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン / Via amazon.co.jp

ウイリアム・ワイラー監督作品。同性愛者であるという噂を立てられてしまった二人の女性の物語。「主人公は周りから同性愛者であることを指摘される。アイデンティティは、社会や周囲から指摘されることで、形成されていく様子が描かれている」

甘い抱擁(1968)

MGM / Via amzn.com

ロバート・アルドリッチ監督作品。年上の女優と、若い女性の恋人の物語。「お茶の間の人気キャラクターを演じていたが、老いとともに追いやられる女優。それにしたがって若い恋人も離れていく、その悲哀を描いている。『何がジェーンに起ったか?』にも近い感じのストーリー」

真夜中のパーティー(1970)

Paramount

「フレンチ・コネクション」などで知られる、ウィリアム・フリードキン監督作品。「ハリウッドの中でも、正面からゲイを描いた映画としては、最初期の作品。一つのアパートメントに集まったゲイたちの一晩の出来事を描いている。同性愛者として生きるつらさを語り合う様を、緊迫感を持って描写した台本が素晴らしい」

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ベニスに死す(1971)

ワーナー・ホーム・ビデオ / Via amazon.co.jp

ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。理想の少年に出会った、老作曲家の物語。「一人のおじさんが男の子をストーカーしている作品を、よくこれだけ綺麗に描き切ったという感じ。少年役のビョルン・アンドレセンが本当に美しい」

特別な一日(1977)

ヘラルド・エース

第二次世界大戦中のイタリアの街で、マルチェロ・マストロヤンニ演じる男性と、人妻が出会う。「同性愛者役のマストロヤンニは、ファシスト政権下で追われている。舞台はアパートの一室で、二人の人物のやりとりがあるだけだが、この二人だけが分かり合える、戦時中の時代の不条理が語られている」

蜘蛛女のキス(1985)

日本ヘラルド

マヌエル・プイグ原作の小説を映画化した、ヘクトール・バベンコ監督作品。南米の牢に入っている二人の男性の囚人が、過去をファンタジックに語っていく。「夢の世界でしか生きられない主人公が、同じ独房の革命家に自分が見た映画の話を聞かせる。主人公によって語られる幻想的で美しい映画の世界と、現実の厳しさが上手く絡み合った映画」

カラヴァッジオ(1986)

松竹富士クラシック / Via amzn.to

デレク・ジャーマン監督作品。「ルネッサンスの絵画のように美しく撮影された映像と、シェイクスピアのような台詞に魅了される。カラヴァッジオを神聖化することなく、しっかりと人間として斬新な解釈で描いている。男性の裸体はギリシャ彫刻のよう。特に『ロード・オブ・ザ・リング』のショーン・ビーンが美しく撮られている」

リビング・エンド(1992)

スタンス・カンパニー / Via rainbowreeltokyo.com

90年代はじめに出てきたニュー・クイア・シネマの作品の一つ。「HIVの時代にへこたれない、反社会的なゲイを描いているところが印象的。登場人物たちは、自分の欲望に忠実で、人間ぽく、責任感がない。同時代に『フィラデルフィア』など、真面目なゲイの人権の映画が作られたことを思うと、コントラストが面白い」

この作品は17日に、レインボー・リール東京で上映されます

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クライング・ゲーム(1992)

東宝

IRAの闘士ファーガスは、捕えた英国兵士のジョディと友情を育み、ロンドンにいる恋人・ディルに会ってほしいと頼まれる。ジョディが死に、ファーガスは約束を果たしにロンドンへ行ったところ、ディルが男性であることを知る。「ファム・ファタールを男性にすることで、フィルム・ノワールというジャンルを皮肉った野心的な作品」

セルロイド・クローゼット(1995)

アップリンク / Via amzn.to

過去の映画の描写の中で、同性愛がどのようにほのめかされてきたか、ということを伝える著作を映像化したドキュメンタリー作品。「『噂の二人』に出演しているシャーリー・マクレーンらが語る、昔のハリウッド映画における同性愛の描き方が面白い」

スプリング・フィーバー(2009)

アップリンク

ロウ・イエ監督作品。「中国では禁止されている同性愛の映画。男女五人の互いにすれ違う思いが描かれる。奥さんがゲイの男性に向かって、このドロボウネコ!と言うシーンが面白い。そういう意味では男性も女性も違いはない、ということが伝わってくる」

キャロル(2015)

ファントム・フィルム

トッド・ヘインズ監督作品。「メイクや衣装、美術など、すべてが完璧に計算され、美しく撮影された作品。キャロルの表面的な美に注目した色彩の強い画面が、キャロルが決して見せない自身の内面を観客に想像させる。細かい動作までパーフェクトに演じたケイト・ブランシェットと、静かに情感のこもった演技をするルーニー・マーラのケミストリーが堪らない」

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