2016年1月1日の未明、イギリス・マンチェスター市内のお祭り騒ぎの様子をとらえたこの写真。この構図が名画に似ているとしたBBCの記者のツイートは、2万9000回もリツイートされた。

偶然にも、ルネッサンス時代の美と調和の概念に沿った構図をしている。こうした写真は、黄金長方形の法則が当てはまる。黄金長方形とは、ルネッサンスの画家たちが利用した長方形(下記ピンクで表示)で、長辺 (a) 足す短辺 (b) を長辺 (a)で割ったものが、長辺 (a) を短辺 (b)で割った数値に等しい長方形である。
これは黄金比という法則に基づいている。

例えば、こちらのミケランジェロ作の 「アダムの創造」は、神の指を正確な位置に置くために黄金比を利用していることで有名だ。
フィボナッチ・スパイラル
ルネッサンス時代の画家たちは、フィボナッチ数列が描きだす螺旋「フィボナッチ・スパイラル」も利用した。フィボナッチ・スパイラルは、黄金長方形内にある四角形の反対同士の角を円形の孤でつないでいくことで作られる。1202年、数学者レオナルド・フィボナッチが考案した。

上記左は、内側にいくつかの長方形と正方形が1つおさまっている黄金長方形。ここに見られる数字は、黄金正方形を形作るそれぞれの部分を意味している。数字は0、1、1、2、3、5、8、13、21、34…というシーケンスに従っている。前にくる2つの数字を足すと、次の番号を常に発見できる。
上記右は、フィボナッチ・スパイラルを加えた黄金長方形。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「 最後の晩餐」。部屋の中に描かれたものの寸法が、黄金比と一致している点に注目を。長方形によってはキャンバス外で完結するものもある。
そこで、現代の写真の中からイタリア・ルネッサンス絵画の構成を意図せず、鏡写しにしたように見えるものをピックアップし、黄金比を適用してみた...
1.

2.

3.

4. 感動的なフランク・ランパードの写真とイタリアの名画を比較。


(左) チェルシーのフランク・ランパードが、ロンドンのスタンフォード・ブリッジ・スタジアムで行われたチャンピオンズ・リーグの準決勝・セカンドレグのリバプール戦で、ゴールを決めた直後に、ディディエ・ドログバ (左) とリカルド・カルヴァーリョ (右) から祝福を受けた、2008年4月30日撮影 (右) サンドロ・ボッティチェリの「キリストの死の哀悼」で息絶えたキリストの体を抱える聖母マリア。
5.

6.

7.

8.

9.

10.

11.

12.

13.

14.

15.

16.

17.

18.

19.
