もうすぐ絶好のビアガーデンシーズン! 開放感のある場所で、ワイワイ盛り上がる飲み会って、楽しいですよね。
気がついたら幹事に…
――大学時代から幹事キャラとのことですが、社会人でも?
会社の歓送迎会やパーティーって「やらない」っていう選択肢がないじゃないですか。誰かしら動かなきゃって状況のときは手を挙げますね。
以前、同僚の結婚パーティーの幹事を後輩に任せたことがあって。3日前に内容を聞いてみたら、「2時間ひたすら飲み会です」と…。「何か催し物を用意したほうがいいよ」ってアドバイスしつつも、結局は自分で主役のご夫婦を呼んで、「2人にまつわるクイズを作るからネタをくれ」ってお願いしてましたね。
――気づいたら幹事をやっていた、と。
どうしても、何をするのか気になっちゃうんですよね。
あと、よくあるのが「なんかやろうよ」ってふわっとした相談を受けるパターン。「じゃあ、手伝うよ」と言ったら「俺もサポートする」って返されて、結局自分でお店を予約してますね(笑)。
幹事をやるのに理由なんてない
――よくあるトラブルってどんなものでしょうか?
会費がない飲み会だと、割り勘が雑で困ることが多いですね。もらいすぎ・もらい忘れ・もらわなすぎ。「先に帰るから3000円置いてくね」が多すぎたり、逆に「1000円でいいよね?」で全然足りなかったり、払わずに帰られるとか。
会社だと「1人あたり5000円以下がベター」といわれますが、参加者に雇用形態の違う人がいるときには、なかなか言えなくて…。だから、食事のコースを決めて全体の金額がわかったら、部長は7000円とか役職で会費に傾斜をかけます。たまに「これで7000円かぁ…」とか小言を言われるのはつらいですね(苦笑)。
――改めて、幹事って大変だなと思ったのですが、ポコ太郎さんがそれでも幹事をやってくれる理由は?
理由とかじゃなくて、“反射”です。「なんでやらないの?」くらいに思ってますよ。誰かが飲もうと言い出して、いいねって反応だけあると、つい「いつにするの?」って聞いちゃう。もはや、無意識に幹事として振る舞ってしまいますね…。
「待っていられない性格なんです」
幹事には、女子会ならではの難しさも…。
――70人近くが参加する全社の飲み会は、毎回大変そうですが…。
まず、人数と目的を確認して、最初に会場を押さえる。人数は全体の8割で予約します。それを下回ると多めに払うことになるけど、超えた場合には料理はそのままで、フリードリンクだけ人数分追加すればいいので。だいたいそれプラス3万円くらいで予算を見積もっておくと、送別会でプレゼントやお花を買えたりもできる。
お店側も、直前まで「1人増えました」「2人追加で」って振り回されるより、2〜3人なら当日増えるほうが楽みたいですね。そこは数十人規模での貸切のメリットかも。
幹事としては、ドタ参よりもドタキャンのほうが困りますよ! コースで予約しているときは基本的に「請求させてね」と、キャンセルした人に伝えます。だいたいキャンセルした本人から「ごめん、いくら払えばいい?」と聞いてくれますが。
――女子会の場合はどうですか?
5人以内ならコースは予約しません。それ以上だと、何頼むか決めるのに時間がかかるじゃないですか。飲み物だけオーダーすれば、あとは自動的に出て来るほうが楽だし、特に初対面の人がいると、みんな遠慮して「どうする? あれにする?」となりやすい。時間を有効活用したいんですよね。
大変そうと思われたら“負け”
――かなり段取りがしっかりしていますが、なかでも一番大変なことは?
場所決めですね。雰囲気や移動距離っていう条件で絞られつつ、毎回同じ店は嫌だから、ランチでリサーチしたりして。女子会のお店選びもすっごく悩みます!
お酒好きな人なら、バーニャカウダとかちょっとしたおつまみだけでOKだけど、飲めない子もいるからフードが充実しているかもチェックします。あとは、楽しい会だと会計時にはだいたいベロベロに酔ってるから、事前に会費を徴収するとか対策してみたり。
――試行錯誤なんですね。そもそもなんで幹事をやってくれるんですか?
基本的に好きだから、でしょうね。誰かが決めてくれなくてイライラするより、自分で舵取ったほうが気が楽。待ってられない性格なので(笑)。あとは、当日みんなが「ご飯おいしい」「雰囲気がいい」って楽しんでもらえると嬉しいですね。
――ちゃんとユミさんに感謝します!
そういうのを気にせずに楽しんでもらいたいんですよ!「あ、ユミさん大変そう」って参加してくれた人に思われたら“負け”です(笑)。当日バタバタせずに会を終わらせられたら成功かなって。
幹事歴25年の“幹事の達人”!?
最後は、筋金入りの幹事キャラに、話を聞いてみましょう。
――昔から幹事キャラだったんですか?
もともとリーダー気質で、学級委員とかに指名されるタイプ。高校も大学も自分で写真部を立ち上げたり人を集めてたりして。そういうイベントを仕切る機会が元から多かったと言うか、好きなんですよね(笑)
最近、飲み会の“尺”を意識していて。自分が学びを得たい集まりの場合は、2時間で4人とすると、1人あたりの尺は30分なんですよ。自分が言いたいこと、得たい情報に割ける時間はそれしかない。
――飲み会に取れ高を求めている…?
めっちゃ求めますよ! だから「あと2人誘っていい?」って聞かれても断ります(笑)。じっくり話したいときは、自分の30分だけでも短いのにって。
幹事は慣れるとおもしろくなってくる
――幹事って損な役目だと思っていましたが、田さんはなぜやるのでしょうか?
そもそも好きだし、仕事に活かせるスキルも身につくので。人への気遣いって実践しないと身につかないと思うんですけど、飲み会なんてその練習に最高の場。誰をどこに座らせるかみたいな人間関係プラス料理や空間とか、いろんな要素の掛け合わせです。
それをうまくコントロールできるようになると、想定する力がつく。たとえば、大人数だとどのくらい室温が上がるかとか、マイクのベストな音量とか。想定した分、うまく行ったときに「よしっ! 今日はよかった〜」って、達成感が味わえるのも幹事の醍醐味ですね(笑)。
幹事ってそんなにやりたくないものなんですかね? 何が嫌なんだろうって思って。慣れるとおもしろくなってくるし、みんなできたらいいのになとは思いますけどね。
――幹事が苦手な人にも活用しやすいツールはありますか?
SNSのイベントページですね。日程が近くなると勝手にリマインドまでしてくれるので。毎年やるイベントは、1年後に過去のログを振り返って、前回のメンバーで、とか。
ホームパーティーのときは、概要欄に“キャンセルポリシー”も載せたり(笑)。あとは、最寄り駅から家までの行き方と、我が家のルールをまとめてあるので、事前にそれを送ってます。楽しいことだけに集中できるように、いろいろ効率化してるんです。
――さすが、幹事の達人です。ちなみに、一番面倒なのってお会計というイメージなのですが、田さん流のお会計術ってありますか?
私、LINE Payを積極的に使ってるんですよ。酔っ払ってると、誰にいくら払ってもらったかわからなくなっちゃうことのがあるので、当日は自分がカードで会計して、翌日以降に「お会計いくらだったので、1人◯◯円お願いします」って。支払履歴もチェックできるし、それが一番スマートかなと。お会計はシラフでしたいんです。
先に参加費を集めると、当日来られなくなった人にバックする手間があるんですが、LINE Payは顔を合わせなくてもすぐ返金できるから、幹事としては本当に楽ちん。
ユーザーじゃない人がいても「今、1万円札しか持ってないや」とか言われた時に「便利だよ」って教えて登録してもらうことが多いんですけど、毎回「これって何?」みたいな説明から始めなきゃで。せっかくのいいサービスも、ユーザーが増えないと活用しづらいんですよね…。周りが使ってくれるほど、私みたいな幹事キャラは大助かりなので、早くみんなに浸透してくれたらいいなと思ってます!