今グラミーにもっとも近いと言われる日本人アーティストがいるんです。

デビュー前に単身渡米。2016年に全米リリースしたアルバムの収録曲がビルボードチャート、アーバン・アダルト・コンテンポラリー部門で異例の32位を獲得。
ステージに立てば、マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダーらを輩出したソウルの殿堂「アポロシアター」のアマチュアナイトで準優勝。
また、アメリカ最大規模のゴスペルフェスティバルでも4万人の中からファイナリストに選出されるなど…なんかもう単純にすごい。こんな日本人がいたの知らなかった。
そんな彼女、今年発売した楽曲でグラミー賞にエントリーしているそうですが……え?

グラミー賞って応募できるの?自分で?それとも他薦?
もしかして、私にもチャンスあり…!?
密かにグラミー賞を狙うBuzzFeed編集部は有識者に話を聞きました。皆さんも、いざ!という時の参考にしてください。
私もグラミー賞にエントリーできますか?

ーーまずグラミー賞がどういったものか教えてください。
山内:アメリカで優れた作品を創り上げたアーティストやクリエイターの業績を、レコード会社などで組織されたアカデミー(全米録音芸術科学アカデミー)が表彰する音楽賞のことです。
ーーLIFESOUNDに所属するNao Yoshiokaが次回のグラミー賞にエントリーしていると聞きました。あの…曲を作れば私も応募できますか?
山内:いえ、残念ながら。まずはこのアカデミーに投票メンバーとして入会しなければエントリー権を得られません。
もしくはアカデミーに登録されているメディア会社、またはレコードレーベルでなければ投稿できないのです。
アーティスト単一で投稿するには全米流通されているCDまたはレコードで6曲以上クレジットがあること。または12曲以上のクレジットがデジタル流通されている必要があると言われています。
Naoはアメリカのインディーレーベルから全国流通していたので入会資格があったんです。

ーー全米デビュー…さっそくハードル高いですね。でも会員全員がエントリーできたら、応募作品数が膨大そうですね。
山内:グラミー賞は通常80以上の部門があるのですが、応募された楽曲がエントリーした部門にふさわしい楽曲かをチェックする専門機関があり、そこが一気にスクリーニングをかけます。
これが結構厳しいんです。
例えばR&Bっぽい楽曲をR&B部門にエントリーしたとしても、専門機関がR&Bと認めなればその時点で選考から落とされます。

Naoの楽曲は前回のR&B部門にエントリーできたので、アメリカでもR&Bとして認められたと言えます。
アカデミー会員たちの投票で決まる
ーー一定の基準を満たした楽曲が選考に残るということですが、その後はどう決められるのでしょうか。
山内:各部門で少しずつ選定方法は異なるのですが、その後アカデミー会員達の投票があります。
その上で、グラミーの組織の上位メンバー、またはアカデミーによって選出された各地のチャプターのメンバーによる選考会によって、入念に議論して決めるとも言われています。

ーー最終的な作品数はどの程度に絞られるんですか?
山内:部門やその年の応募数によって異なると思います。ただし、エントリーが認められるとグラミーからエントリー全作品のリストが共有されるのですが、前回のベストR&Bアルバム部門が確か100作品程度。
テレビで大体的に発表される、アルバム・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀アルバム)などは約800ほどあったと思います。
Naoが今回エントリーしているカテゴリーはベスト・アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門。去年のエントリー数は65作品くらいだったと思います。
この中から6作品がノミネート、そして最優秀作品が選ばれます。
ーー6/65って夢がある!!
山内:前回のエントリー作品数で考えると競争率はおよそ11倍。
こう考えると、夢を感じますよね。ノミネートされる可能性があると僕は強く感じています。
【まとめ】グラミー獲得までの4ステップ

ところで、なぜグラミーにこだわるの?
ーー日本にも「レコード大賞」や「紅白歌合戦」があるじゃないですか。そこではなく、わざわざ海外のグラミー賞を狙う理由は?
山内:特にこだわっている訳ではないのですが……アメリカのミドルグラウンドってご存知ですか? メジャーとアンダーグラウンドっていう言葉は聞くと思うんですが、その間を指す言葉です。アメリカはこのミドルグラウンドの層がとても豊かなんです。
2018年のグラミー授賞式に参加したのですが、アメリカでは大衆向けではないミドルグラウンドの音楽がグラミーで正当な評価を受けることと、その土壌があることに感動しました。

ーーメジャーな音楽が評価されやすい日本とはまったく違いますね。
山内:Naoの目標は、どの都市に行ってもある程度のファンがいて、自分がやりたい音楽ができて、その収益でよい音楽を作り続けること。そんな持続可能な音楽活動を、より高いレベルでさせてあげたい。
これを叶えるためにグラミーノミネートで認知を広めたいんです。ノミネートまたは受賞アーティストは、その後の活動のために相当な支援を受けられます。なのでグラミーはあくまで通過点として考えています。
今の時代に自分の好きな音楽でどれだけやって行けるか。それが僕にとってもNaoにとってもチャレンジです。
この夏はグラミー賞にエントリーしたアルバムをリリース。そして東名阪ツアーも行われます。

Nao Yoshioka “Undeniable” Release Tour in Japan 2019
[東京公演]
日程:2019年8月19日(月)
会場:Blue Note Tokyo
(〒107-0062 東京都港区南青山6丁目3-16)
時間:
【1st set】OPEN 17:30 / START 18:30
【2nd set】 OPEN 20:20 / START 21:00
ミュージックチャージ:7,000円
予約:Blue Note Tokyo
問い合わせ:Blue Note Tokyo 03-5485-0088
[名古屋公演]
日程:2019年8月21日(水)
会場:NAGOYA Blue Note
(〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3丁目22-20 ダイテックサカエビル)
時間:
【1st set】 OPEN 17:30 / START 18:30
【2nd set】 OPEN 20:30 / START 21:15
ミュージックチャージ:
【名古屋BNメンバーズ】 6,600円
【一般】 6,900円
予約:NAGOYA Blue Note
問い合わせ:NAGOYA Blue Note 052-961-6311
[大阪公演]
日程:2019年8月24日(土)
会場:Billboard Live OSAKA
(〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2丁目2-22)
時間:
【1st set】OPEN 15:30 / START 16:30
【2nd set】OPEN 18:30 / START 19:30
ミュージックチャージ:
【自由席】 7,500円
【Casual】 6,500円 (1ドリンク付)
予約:Billboard Live OSAKA
問い合わせ:Billboard Live OSAKA 06-6342-7722