アイルランドの自宅近くの湿地帯で作業をしていた男性が、約2000年前のバターを発掘した。考古学者によると、このバターは、まだ食べられるらしい。
バターをみつけたジャック・コンウェイは、近くの博物館、キャバン・カウンティー博物館に連絡した。この博物館が、バターについて10日に発表をした。
バターは、中世初期アイルランドでは高級食品と考えられていた。博物館によると、税金や家賃を支払うために使用されたほどだという。
また、古代のアイルランドでは、神秘的な価値もあったという。安全と財産を守るために、精霊や神へのささげ物として、地中深くに埋められたそうだ。
アイルランド国立博物館のアンディ・ハルピンは、アイリッシュ・タイムズに、古代の領主たちが所有しておらず、滅多に人が立ち入らない「中間地帯」で発見されたことが、重要だと話した。
「このバターが見つかった湿地帯は、人があまり立ち入れない、神秘的な場所でした」とハルピンは言う。
湿地には、バターを保存するのに向いている、低温、低酸素、そして高い酸性の環境が揃っているそうだ。
でもまだ、バターナイフを握るのは早い。食べられることはわかったとはいえ、実際に食べることは推奨しないと、キャバン・カウンティー博物館はツイートしている。
この乳白色の乳製品は、バターよりも、砕けやすい質感で、「強いチーズのようなにおいがする」という。
「理論上は、まだ食べられます」とアイルランド国立博物館のハルピン。 「でも、それが賢明だとは言えません」
バターは、調査・分析のため、アイルランド国立博物館に引き渡された。