米大統領選に向けて現地時間9月29日に行われたテレビ討論会で、トランプ大統領のある発言が注目を浴びた。
「プラウド・ボーイズ、下がって待機しておけ」
プラウド・ボーイズとは、「西部の狂信的愛国主義者」を自称する極右団体だ。男性のみで構成され、白人至上主義、反トランスジェンダー、反イスラムを掲げるメンバーも多い。
女性蔑視の観点から性的暴行も支持しており、南部貧困法律センター(SPLC)によってヘイトグループに分類されている。過去にFBIも、プラウド・ボーイズを「白人至上主義と関係のある過激派組織」と認定していた。
動画の15秒あたりから、「プラウド・ボーイズ、下がって待機しておけ。誰かがアンティファ(反ファシスト)と左翼をどうにかしないといけない」と発言している。
人種差別に抗議する「Black Lives Matter」運動がアメリカ全土で展開する中、プラウド・ボーイズのような極右団体のメンバーが武装して、デモ隊や極左団体と衝突する事件が増えている。
極右団体の暴力を推奨しているとも受け取られかねないトランプ大統領の発言は、多くのメディアで報じられ、SNSでも #ProudBoys のハッシュタグが拡散した。
しかし、今ツイッターで #ProudBoys(プラウド・ボーイズ) と検索すると、愛に溢れたゲイカップルの写真が数多く表示される。
ゲイコミュニティーの間で、#ProudBoys の検索結果をゲイ男性の人生と愛を祝福する投稿で埋め尽くそうという動きが強まっているためだ。
Here is me and my husband on our wedding day .... and a pic of our two adopted sons #ProudBoys
「左は、僕と夫の結婚式の写真。右は、養子に迎えた2人の息子です」
When I met this man we weren’t allowed to marry. The law changed & we had our trip to the registry office & our official day of love because society changed -is still changing- thanks to all the brave allies of all genders & loving families & #ProudBoys #LoveMakesTheWorldGoRound
「僕が彼に会った時、まだ(同性どうしの)結婚は許されていなかった。法律が変わって、登記所に(必要書類を)持っていって、公式な愛の記念日を祝うことができた。これも、社会が変わった…変わり続けているから。あらゆるジェンダーのアライの皆さん、愛する家族、そしてプラウド・ボーイズ(誇りある男たち)に感謝します」
プラウド・ボーイズの「プラウド(proud)」は、英語で「誇りある」という意味だ。
上のツイートのように、「本当の誇りとは何か」を主張するため、団体名とは別の意味で「プラウド・ボーイズ(=誇りある男たち)」を使っている投稿が多い。
また、「誇り」という意味の「プライド(pride)」はLGBTQコミュニティーを象徴する言葉だ。これもあり、今回の運動がゲイコミュニティーで活発化している。
@GeorgeTakei So basically, you’re saying the #prideboys should take over #proudboys ? Works for me
「つまり、プラウド・ボーイズの替わりにプライド・ボーイズの方がいいってこと?僕はいいと思う」
The only #ProudBoys that matter 🌈
「大切にするべき『誇りある男たち』って、こういうこと」
Reclaiming #ProudBoys is a great idea. Here’s us after voting ‘Yes’ for marriage equality back in 2015.
「プラウド・ボーイズの名を売るのは素晴らしいアイデアだね。この写真は2015年、同性婚に賛成する投票をした後の僕たち」
Happy anniversary to my husband of 12 years @FCermak We are #ProudBoys aka #LGBTQIA
「12回目の結婚記念日おめでとう。僕たちはプラウド・ボーイズ、別名LGBTQIA」
アメリカ駐留のカナダ軍の公式アカウントも、運動に参加して兵士がキスをしている写真を投稿した。
🇨🇦🏳️🌈 #ProudBoys
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子