インスタグラムが長髪男子のトップレス写真を削除。母親らが抗議

    「インスタグラムさん、僕は男だよ。髪が長いだけなんだ。僕の写真を削除しないで!」

    何もルールを破っていないのに上半身裸の息子の写真を次々と削除されたママたちが、理由を知りたいとInstagramで声を上げた。

    写真を削除された男の子たちの国はさまざまだが、1つ重要な共通点がある。いずれも長髪だったのだ。

    削除された1人、トリ・スプーナーさんの4歳になる息子のパーカーさんは、フロリダ州の海岸近くで暮らしていて、浜辺が大好きだという。

    スプーナーさんはBuzzFeed Newsに対し、「私たちはいつも海岸で過ごしています。パーカーはシャツを着たがりません」と話した。

    息子の誕生を機に作ったInstagramアカウントだったが、成長するにしたがいアカウントを意義深い目的で使い出した。海洋汚染の問題をみんなに知ってもらおうと、パーカーさんの行っているビーチ清掃活動を紹介するようになったのだ。

    そして、今から1年半ほど前、Instagramの親会社であるFacebookからパーカーさんの写真が初めて目をつけられた。その写真はほかの写真同様、水着姿で上半身裸のパーカーさんが写っていた。

    「Facebookによると、あのような性的コンテンツの投稿は利用規約違反だそうです。その時は、単なる警告に過ぎませんでした」(スプーナーさん)

    「警告。アカウントを削除する可能性があります」

    「2回目の警告はFacebookで行われ、私は2日間アクセスできなくなりました」(スプーナーさん)

    その後、アクセス禁止措置はInstagramでも実施され、禁止期間もしだいに長引いた。

    そして2週間後には、とうとう@parkersavestheseaというInstagramアカウントが削除されてしまった。6000人以上のフォロワーと、撮りためた数年分の写真も失われた。

    「Instagramの説明では、警告対象の写真があまりにも多いのでアカウントを削除したそうです」(スプーナーさん)

    InstagramとFacebookはいずれもAIとマシンラーニングを利用して、子どものヌードや児童搾取画像の検出と削除に取り組んでいる。つまり、スプーナーさんの写真を削除対象だと判断していたのは、人間でなくロボットだった可能性がある。

    Instagramのガイドラインでは、性器や、しっかり歩ける年齢になった子どもの裸について、写真投稿を禁じている。さらに、そうした年齢以上の女性については、乳首の見える写真も禁止だ。

    パーカーさんの写真はこうした禁止事項にまったく該当せず、Instagramは対応が間違いだったと、BuzzFeed Newsに説明した。

    「写真の削除は手違いでした。大変申し訳ありません。安全上の理由で、全裸または半裸の子どもの写真は削除する場合があります。子どもを守るため、判断を誤ることもあります」(Instagramの広報担当者)

    「この写真が善意でシェアされたものだとしても、何者かに予期せぬ方法で悪用される可能性があります」(Instagramの広報担当者)

    アカウントを削除されたスプーナーさんは裁判を起こそうとしたが、Instagramからの反応が得られなくなったという。そこで、新たにアカウントを作り、「Instagramさん、僕は男だよ。髪が長いだけなんだ。僕の写真を削除しないで!」と書いたプラカードを持ったパーカーさんの写真を投稿した。

    スプーナーさんと同様のトラブルに見舞われたユーザーがほかにもいると判明し、保護者たちが同じ内容の写真を投稿するようになった。

    「そもそも自分たちのために始めた活動ですが、大勢の人が同じメッセージを発信すると言ってくれていて、この問題が広く知られ出しました」(スプーナーさん)

    メディアがこの件をInstagramに問い合わせたところ、パーカーさんの写真を投稿してた最初のアカウントは復活された。ただし、スプーナーさんはそれで満足せず、Instagramが変化することを望んでいる。

    「長髪の男の子の写真を問題なく投稿できる方法を見つけてほしいと思っています。ガイドライン違反とされた写真は、人間の目で確認して下さい」(スプーナーさん)


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:佐藤信彦 / 編集:BuzzFeed Japan