子宮内膜症の苦しみを「血が滴る絵」で表現。共感の声が集まる
「絵を描き始めてからすぐに、私1人がこの病気と戦っているわけではないことに気づきました」とアーティストは語った。
(この記事には刺激の強い芸術表現が含まれています)
エリー・カマーさんは、豪アデレードで芸術家として活躍している。彼女は、子宮内膜症を患っている。
子宮内膜症とは、もともとは子宮の内側にしかないはずの子宮内膜組織が、子宮以外の場所で発生し、増殖や出血を繰り返す病気だ。
強い月経痛を引き起こし、不妊症の原因にもなりうる。
世界では約2億人、女性の10人に1人が子宮内膜症を患っている。
女性だけではなく、一部のトランスジェンダー男性やノンバイナリーの人たちも、この病気を抱えて生きている。
理由が分からない痛みと8年間も戦った末、エリーさんは4年前に「子宮内膜症」と診断された。
「子宮内膜症を診断されたとき、今までに味わったことのない孤独を感じました」とエリーさんは BuzzFeedに語った。
「自分の痛みが理解できず、なぜ痛みが発生するのか、治療や予防をどうすればいいのか、何も分からなかったのです」
「自分の人生が止まったようでした。強いストレスを感じ、頭の中は色々な感情でごちゃごちゃでした」
エリーさんは、渦巻く感情を「絵」で表現することにした。
「10代の頃から、アートや創作の力を使って、自分の感情と向き合ってきました。本格的に絵を描き始めたのは、2016年からです」
「アートは、色々な出来事に意味を持たせてくれました」
「声が出ないとき、私のストーリーを語る手段でもあります」
「私の感じた『怒り』と『絶望』の解放。これが、子宮内膜症の絵を描き始めた理由でした」と彼女は続けた。
「絵を描き始めてからすぐに、私1人がこの病気と戦っているわけではないことに気づきました」
「インターネット上で作品を公開すると、世界中の人々が作品を共有し、コメントを残してくれました」
「慢性疾患と共に生きる大変さを理解してくれる人がいる。この事実は私の人生に大きな変化をもたらしました」
「同じ病と戦う人々のおかげで、私は孤独を感じることがないですから」
子宮内膜症や慢性疾患と共に生きることの恐ろしさから目を背けないで欲しい、とエリーさんは願っている。
「子宮内膜症や他の慢性疾患がある人は、作品を不快に感じることはないようです。むしろ心地よさを感じる、という声をよく聞きます」
「しかし、健康な人が私の作品をみると、少し刺激的すぎる、違和感を感じるなどの反応をもらうことが多いです」
「私自身、どんな反応を得られても嬉しいです。アーティストは、どんな反応も嬉しいものなのです」とエリーさんはBuzzFeedに語った。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン